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【アーカイブ】部分日食の撮影に初挑戦した日(1981/07/31)

2023-10-09 19:17:31 | タイムマシンにお願い

昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの続き(第10弾)です。

高3の夏休みに日本全国で部分日食が見られるという願ってもないチャンスがあって、1学期の中頃から撮影準備を
進めていました。まずは中学時代に初めて手にした天体望遠鏡一式のうち、まだ手元にあった小口径屈折鏡筒を、
後から入手した13cm反射望遠鏡一式の赤道儀架台に載せることを検討。赤道儀架台はいわゆるシステム型の走りで
汎用性の高い作りになっており、載せたい望遠鏡鏡筒の太さに合った鏡筒バンドに交換してやれば搭載可能でしたが、
鏡筒径にピッタリのものが残念ながら無いことが判明。鏡筒は別メーカー品なんで当然と言えば当然なんですけどね。
そこで、内径の少し大きいバンドを購入して、習字道具の黒いフェルト下敷きを鏡筒に巻いて隙間を埋めることで
何とか対処できました。また、太陽撮影には強力な減光用NDフィルターが必要で、ハイアマチュアは1/10000までの
減光が可能なD4フィルターっていうアイテムを使っていたようですが、高価な上に入手困難だったため、代わりに
1/400まで減光できるND400フィルターを購入。望遠鏡鏡筒の対物レンズ側のキャップが太陽観察時に口径を絞れる
ような恰好になっていたので(→こんなようなモノ)、その中央の開口部に両面テープでフィルターを貼り付ける
ことで光量を抑えるようにしました。が、それでも露出オーバーになる可能性があったため、複写用の超低感度
フィルムまで用意することに。諸々のアイテム購入で小遣いが底を尽き、テスト撮影のためのフィルム/現像代が
捻出できず、ぶっつけ本番ということになってしまったのでした。

ちゃんと撮れるのか不安が募る中で日食の当日を迎えます。天気は雲が若干あって邪魔になりそうな感じでしたが、
雨が降るようなことはなさそうだったんで、食が始まる1時間以上前の10時半くらいから機材をセットアップ。
赤道儀の極軸はコンパスなどを使ってテキトーに合わせたため、時間経過と共にカメラのファインダーの中央から
南北にも太陽がずれていく状況で、手動による赤経方向はもちろん赤緯方向の微動操作も忙しかったものの、何とか
間欠撮影に成功。フィルム3本を使って全部で87コマほど撮ったうち、序盤・食最大・終盤の各食分の画像がこちら。


【部分日食(1981/07/31)】
 キヤノンEF+2倍テレプラス+ミザール6.8cm屈折+ND400フィルター,富士ミニコピーHRⅡ(ASA/ISO32),
 F29,露出1/1000秒,タカハシ90S赤道儀使用,都内某所にて

ところで、現像後の複写用フィルムのベースは何と無色透明で吃驚しました。普通の白黒フィルムと比較すると・・・

被写体は違いますが、ベースの色味にかなりの差異があることが分かるかと。そりゃコントラストが高くなる訳だ。

さて、撮影の全コマをデジタル化するのは結構時間を要する作業になりましたが、せっかくPCに取り込んだので、
2本目のフィルムで撮った最大食分の時間帯に相当する24コマの画像を使ってアニメーションGIFを作成しました。

約1分おきに撮影した各画像を黒点を基準に位置合わせしてからスライドショーにまとめたものです。
途中、雲に邪魔されたコマもありましたけど、割と食分の深い部分日食だったことが分かると思います。
当時はパソコンで画像編集して動画を作成するなんて想像すらできなかったんで、技術の進歩は凄いですねぇ。



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