Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 土星が観測好期

みずがめ座δ南流星群を狙って(2022/07/30-31)

2022-08-07 01:12:31 | 天文現象

7月中旬から1か月ほど活動する「みずがめ座δ南流星群」が7/30の宵から7/31の明け方に
活動ピークを迎えるということで狙ってみました。場所は前夜と同様、伊豆・稲取です。
まずはコンデジで撮ったタイムラプス動画がこちら。

破線状で移動していく光跡は飛行機ですが、毎度のことながら多くて、飛行機群撮影みたいになってます。
瞬間的に現れてすぐ消えるようなイメージで捉えられているのが流星で、10個以上写ってるんですけど、
明るいものがほとんど無くて、確認は難しい感じです。
その中でも比較的写りの良い流星2つをフレーム合成し、トリミングしたのがコレです。

右上方の最も明るく写っているのは木星、左下方の比較的明るい星は火星です。
その火星の下に捉えられた流星は光度変化を示しており、同時期に活動している「やぎ座α流星群」の
特徴に合致するので、同群に帰属されるものとみられます。
並行してミラーレスカメラ+20mm超広角レンズを赤道儀に載せてリアルタイム動画を撮っており、
トータル1時間40分ほど録画した中から流星の写ったフレームを抽出して比較明合成した画像がコレです。

フレームレートが低いせいで流星像が破線状になってますが、いずれも飛行機の光跡ではありません。
ちなみに、大雑把な撮影範囲はこんなエリアでした。


AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション

群流星ではないもの(いわゆる散在流星)も結構写ってるようなので、各流星の経路を逆に辿って線引きし、
流星群の輻射点(放射点)から四方八方に流れたものかどうか調べてみたのがこちら。

赤色の線の先にある流星がほぼ同じ輻射点から流れていて、数的に最も多いんで、
おそらくそれらが「みずがめ座δ南流星群」に帰属されるものでしょう。
緑色の線の先にある3つは別な輻射点から流れており、そのポイントの位置から多分「やぎ座α流星群」に
属するものとみられます。
また、オレンジ色の線の先にある3つは、さらに別な輻射点の存在を示唆しており、
もしかするとマイナーな「みずがめ座ι流星群」っていうもう1つの流星群由来のものかもしれません。
以上、大人の夏休みの自由研究成果でしたぁ。これで「はなまる」を貰えるでしょうか?