Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
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ステラショット2動作確認(5)全機材接続テスト・後編

2021-05-13 22:00:50 | 撮影機材

天体自動導入、導入補正とも首尾よく動作することが確認できたんで、本番撮影に入ります。
撮影対象のNGC4565銀河が写野中央に導入された時点で、赤道儀は通常のモーター駆動状態で
恒星時追尾していますので、まずはそのまま撮ったらどうなるのか確認してみます。
「カメラ」タブを選択し、撮影設定は「ライト」、ISO1600,180秒露出,枚数1の条件に設定。

次いで[撮影]ボタンクリックで露出開始となり、撮影中はこんな画面になります。

右下にある -機器ステータス- に進行状況が赤色のバーで示され、終了予定時刻も表示。
撮影が終って再生画面に切り替わったんで、画像を拡大すると...

ブレたイメージが出てきました。3分露出の間に発生した追尾エラーでズレが生じたようですが、
一番の原因は赤道儀の極軸が正しくセッティングできていないことによるものと推定しています。
極軸望遠鏡でしっかり合わせたつもりでも、この程度の追尾エラーの発生は避け難いようで・・・
そこで、赤道儀(望遠鏡)に同架したガイド用カメラ(追尾エラーを検知して自動修正するための
小型カメラ)の出番となります。
「設定」タブを選択し、-オートガイダー(QHY5LⅡM)- のところにある[接続]をクリック。

これで3つの機器が全て[接続中]の表示になりました。
次に右下方の[オートガイド]ボタンクリックで表示を切り替えると...

ガイド用カメラが捉えているライブ映像が表示されました。なお、露出は1秒、ゲインは最大です。
その他の細かな設定はほとんど弄らずに、映像の右下にある[キャリブレーション]をクリック。
すると映像の下にある枠内で赤と緑のグラフが右へ伸びていきます。

このグラフの横軸は時間軸、縦軸は画像上での恒星のズレ量を表している模様。
ちなみに今回は映像上で自動的に検出された4つの恒星(赤丸で囲まれた星)についての総合的な
ズレ量をモニターしているようです。
で、この「キャリブレーション」と称するファンクションで何をやっているのかというと、
赤道儀のモーターにパルス信号を送って強制的に動かし、それに対する映像上での星の位置の
変化量を検出することで、実際の追尾エラーが起こった際に、どの向きに何秒くらいパルスを
送れば修正できるのかを学習しているんです。モーターは赤経軸と赤緯軸の両軸にあるので、
それぞれについて順次学習していくようで、グラフの縦方向に見られる薄赤と薄緑のバーは
各々赤経方向と赤緯方向のモーターへ送られたパルス信号らしく、その信号が送られると映像上
での星の位置が変わるため、赤と緑のグラフが上下に大きく振れる様子が確認できました。
キャリブレーションは数分程度で完了。その後は再び通常追尾に戻るので、赤と緑のグラフは
時間経過とともに上下方向にズレていき、追尾エラーが大きくなっていくことが分かります。

3分程度放置してズレ量をモニターした後、左下方の[ガイド開始]をクリックすると...

追尾エラーの修正動作が働き、赤と緑のグラフの縦軸方向の振れ幅が少なくなることを確認。
これで精密な追尾ができそうなので、再び「カメラ」タブを選択し、前と同じ条件で撮影。
再生画面に切り替わったところで画像を拡大すると...

ブレはほぼ解消され、オートガイド(追尾修正)がうまくいったことが分かりました。
で、同じ条件で枚数を増やして撮影を続け、得られた5画像コンポジットして適当な画像処理を
施してから中央部だけ等倍トリミングした画像がコレです。

実は途中で雲の邪魔が入ってしまって撮影枚数が稼げなかったんで、画質はイマイチですけど、
動作チェックのレベルとしては、まずまずの結果が得られた感じです。
ということで、全機材を接続した状態で目論見通りに動作することが確認できました。
他にも便利な機能が盛り沢山みたいなので、追々試していくことにします。