Starlight Terrace

オリジナル写真で綴る夜空と夜景がメインのブログ
【注目の天文現象】
 9/5夕 西の低空で月と金星が大接近

10月2度目の☆撮り(2)

2018-10-20 00:50:00 | 遠征日誌

間が空いてしまいましたが、8日の夜から9日明け方にかけての☆撮り成果の続きです。
この夜に撮影した彗星の画像を3点ほど紹介します。
1点目は、この曲者↓
29p_2018-01.jpg
【シュワスマン・ワハマン第1彗星 29P】
 総露出時間45分(3分×15コマ,彗星の動きに合わせて加算合成,等倍トリミング)

今から90年ほど前にドイツの天文学者2人が写真で発見した短周期彗星です。
木星の公転軌道の少し外側で、ほぼ円に近い公転軌道を周回しています。周期は15年弱。
常に遠方にいるため、通常は光度16等以下の暗い彗星ですが、時々アウトバーストを起こして
10~12等級ぐらいまで急増光することがあって、見掛けの姿も点像から面積体に変化します。
最近では9月20日ごろに新たなバーストが発生し、明るくなっているとのことで狙ってみました。
彗星核からの物質放出でカタツムリみたいな姿の面積体になっているのが分かります。
個人的には初めて撮影しました。変貌ぶりの確認には通常時の姿も撮らないといけませんね。

2点目は、周期が比較的長いこの彗星↓
38p_2018-01.jpg
【ステファン・オテルマ彗星 38P】
 総露出時間30分(3分×10コマ,彗星の動きに合わせて加算合成,トリミング)

1867年にフランスの天文学者が最初に発見。2公転後の1942年にフィンランドの天文学者が再発見し
連名の彗星になりました。火星軌道から天王星軌道の間を廻る楕円軌道を38年ほどで周回してます。
前回の近日点通過は1980年というので、自分はまだ十代でした。ようやく出会えた彗星です。
今回の回帰は来月11日ごろに近日点を通過した後、12月初旬に最大光度になる見込み。
太陽に最も近づいても火星軌道の外側ですから、明るくなっても9等止まりでしょう。
いつか見たいと思ってきた彗星ですが、どうやら眼視で楽しめるものではなさそうです。

最後は、師走に明るくなると期待されているこの彗星↓
46p_2018-01.jpg
【ウィルタネン彗星 46P】
 総露出時間30分(3分×10コマ,彗星の動きに合わせて加算合成,トリミング)

1948年に米国の天文学者が発見した短周期彗星です。公転周期は5年半ほど。
その楕円軌道上の近日点が地球の公転軌道に接近していて、12月中旬に地球へ大接近することで
明るくなると見込まれてます。まだ遠いので10等台の明るさで、コマの広がりも小さいですが、
最大光度は3等台に達するとの予想もあり、空の暗いところでは肉眼で楽に見えるかもしれません。
とりあえず再来月が楽しみです。

共通撮影データは次のとおり。
 キヤノンEOS60Da+口径18cm写真撮影用反射望遠鏡,F2.8,ISO1600,
 中型赤道儀使用,口径25mmガイド鏡にてオートガイド

さて、これらの彗星を撮り終えたところで時計は9日の2時半をまわっており、メインディッシュの
10月りゅう座流星群を迎え撃とうと赤道儀から望遠鏡を下ろし、広角レンズを装着したデジイチを
代りに載せたんですが、西から急に雲が押し寄せてきてほぼ全天を覆ってしまいました。
残念ながら撮影続行不能な状況となり、夜明けまで粘ってみたものの全く好転せずダメでした。
肝心の流星群活動の方はどうなのか、電波観測のwebサイトをチェックすると平穏な状況だったんで、
とりあえず悔しい思いをせずに済みました。ちなみに事前予想どおり日本時間9時台に流星群活動が
ピークを迎えたらしく、ヨーロッパ方面で1時間に100個近い流星出現が観測されたとのことです。
但し、暗い流星が多かったようなので、ピークが前倒しになって日本で観測できたとしても
写真では捉え難かったかもしれません。