日々是、趣味三昧【Golf,BASSFishing,etc】

日記な独り言。趣味の記録。

■ダーウィンの悪夢■2008.03.27

2008年03月28日 | 日々是、映画

タンザニア、ムワンザ
ナイルの源川、ビクトリア湖沿いにある小さな村。
人間発祥の地といわれているビクトリア湖周辺の村人は湖の恵みにより生計を立てる。

だが、ヨーロッパ向けに輸出されるようになった「ナイルパーチ」によってビクトリア湖の生態系が180度変わった。
村人の生活はさらに540度変わった・・・

「ナイルパーチ」はビクトリア湖の在来魚ではない。
誰かが放流し、今では世界の養殖場と化している。

仕事と言う名の外来魚がビクトリア湖周辺の村に何を与え、何を奪ったのか・・・
「ダーウィンの悪夢」はそんなドキュメンタリー映画だ。

「生きるのは難しい。俺たちは文無しだ。ろくな教育も受けていない」
魚を研究する施設の夜警をしているラファエルは、言う。
夜警の仕事は前任者が勤務中に鉈により切り刻まれ死んだために回ってきたという。
泥棒には毒を塗った矢を放って殺傷する。
闇に浮かぶ、ラファエルの充血した目と黄ばんだ歯が不気味に笑っているように見える。

ビクトリア湖の漁は夜明けとともに始まる。
漁で採れた魚は、加工工場に運ばれロシア人が運営する飛行機によって日に2便、運ばれる。
毎日、200万人のヨーロッパ人がここの魚を食べている。
専用の滑走路脇には、墜落したと思われる飛行機の機体が2つに割れたまま放置されている。
積載オーバー、管制塔の無線が壊れたまま、などが原因だろう、離着陸の事故が多発する。

工場主は「ナイルパーチ加工工場は順調だ」という。
だが「今は景気が悪い」ともいう。
採算を合わせるには、安い賃金で村人を雇い、安い賃金で漁師から魚を買う。
ロシア人の飛行機は最も安いという。「1回で55トン運べるなんてすごい」
そうして利益を上げている。
レポーターが必用に質問する「飛行機がやってくるときは何を積んでるんだ?」
返答は必ず「空っぽ」 誰に聞いてもそうだ。
ロシア人と聞いて、やはり武器の輸送を想像するのは苦じゃないのかもしれない。
昔はここの周辺アフリカ諸国への武器輸送中継地だったともいわれている。
だが、確証はなし、確証を掴んでもこの事情では、解決することはかなり難しいだろう。

ある人は「武器が積んであるのを見た。飛行機はアンゴラに向かった」と言っていた。
アンゴラと言えば今夜、U23サッカー日本代表が親善試合で戦った相手だ。

やってくるパイロットは決まったレストランへ行く。
そこではウェイターがいて生バンドが演奏し、声をかけてくるのを待つ女性たちがいる。
女性ボーカルのエリザが、インタビューに答えている。
そのエリザは後にホテルで殺された・・・
エリザの写真を見ながら「ここに来るお客さんは冷酷だ」と語る女性たち。
不の温床はこういう場所からも生まれている・・・

ムワンザには教会がある。
村人はゴスペルを歌うことで神の存在を確かめ、歌っている時間、現実から逃避している。
唯一、このシーンだけが幸せの欠片が伺える。その他全部、全てのシーンは悲惨だ・・・
牧師が言う、「この村では毎月10~15人の人が死ぬ」
エイズ、DV、虐待、アルコール中毒、ドラッグ、略奪、無学、無職・・・・・
あらゆる原因が死を招く村。

片足のストリートチルドレンがインタビューに答えている。
親はエイズ、事故、病気などあらゆる原因で死んでいる。
ストリートチルドレンのほとんどの家が漁師という現実。
仕事にありつけても食べてはゆけない現実。

加工した魚を包装する発砲スチロールを火に入れる子供たち。
立ち上がる煙に顔を入れている。
村の青年が言う「ドラックの代わりに煙を吸ってるんだよ」






この村を蝕んでいる原因は1つ。

「貧困」

貧困は売春を生み、売春はエイズを蔓延させる。
エイズにより親を亡くした子供はストリートチルドレンとなる。
体力のあるストリートチルドレンは略奪や喧嘩に明け暮れる。
だが、やがて、体力を失うと、生きる力もなくしてゆく・・・
貧困により人は無気力になり、様々な行動へと駆り立てる。
DV、虐待、アルコール、ドラッグ・・・

貧困と言う名の病原菌が蔓延しているこの村に進むべき道があるのか・・・
「神の教えではコンドームを使うことは罪」だという。
牧師でもこの村を救うことは難しい・・・

何の気なしに口にする輸入食品。
最近の日本では、冷凍輸入食品に話題が集中しがちだが、そのほかの食品にも生産から食卓に並ぶまでの歴史が存在する。
その歴史の裏では、このような事態が起きていることを忘れてはならない。
「人はパンのみに生きるにあらず」
「貧困」から人を救う鍵は、いったいどこにあるのだろうか・・・

内戦を繰り返しているアフリカの国々はまだ良いほうだろう。
貧困と戦っている国は、力なく衰退の一途を辿っている・・・
どちらの国も、生きるために戦っているのだろうが、他人の命には、いとも簡単に鉈を振う。

教育という名の武器を持ち、貧困から脱出できる日が来ることを、ただただ願う。

「貧困」という現実に直面している国の現状を伝えてくれる、貴重な映画でした。




■吉田類の酒場放浪記 #139 京都・新京極「スタンド」2008.03.27

2008年03月28日 | 日々是、テレビ

京都シリーズも後半
祇園白川より橋の上から登場する吉田さん。
番傘も、雨も、京都の風情を盛り上げています。
「普通、人が入れない所って・・・」w
吉田さんのオープニングトークの意味不明wさもこの番組の面白さ♪

石畳という言葉がこの祇園白川が発祥といっても過言ではないほどの美しさ。
町並保存地区に指定されて、当然の風情。
桜の時期には夜9時までライトアップされているという白川沿いの並木の美しさは四季折々の表情を楽しませてくれる。

祇園白川、石畳の通りはなぜか威厳めいた雰囲気がある。
黒塗りの千本格子や引き戸が面する街並。看板と言うものが存在しない。
「一見さん」という文化が敷居と威厳を高めているのかもしれない。
通りからちょっと覗けば、細いエントランスが石畳とともに奥まで伸び、突き当りの玄関を拝見できる。
この距離感、空間もまた京都の文化を物語っている。

祇園で最も敷居が高いと言われ創業より300年以上の歴史がある「一力亭」の元女将が現在営んでいる「花み津」で番傘をたたませていただく吉田さん。
「普通、入れないところ」とは「花み津」のことだったのか~と、納得♪

幅広のL字カウンターより女将さんが出迎えてくれる。
度々訪れていると言う吉田さん、馴染みってうらやましいと感じさせてくれる。
カウンターに落ち着くと坪庭に鎮座するたぬきがこちらを見ている。
矩形に切り取られた空間に宇宙を感じたかどうかはさて置いて、座敷のほうへ向かいます。

舞妓さんはいないが京のお茶屋遊びの解説をする吉田さんw
「麻衣子さんがいなければ酒屋へ向かいしかない」w

祇園白川の石畳とは真逆の世界、新京極にいざ出陣♪


「スタンド」へ・・・・・


外観から伺うに、洋食堂風な店構え。
「スタンド」というからには立ち飲み?と思いきや、入り口正面の通路が奥まで伸び、右に大理石対面カウンター、左に4人掛け丸テーブルを配し、ともに奥まで続く。

なぜか吉田さんは入り口近くのカウンターを陣取る。
雰囲気に少々煽られた?wかはわからないが、早速生ビールをジョッキでご注文♪

「創業昭和3年、食堂と言えば食堂だが、もちろん酒場でもある」

店内には額縁に納まったレトロなビールのポスターなどが大衆的な雰囲気に一役買っている。
女将によれば、先代は少しでも安くお客様に提供したいという思いがあった。
それは今も受け継がれている気風だという。

「まずはビールで乾杯」♪

たくさんあるメニューから和風な1品「たけのこワカメ煮」をご注文♪
懐かしい伝票?にささっと赤をいれ、ささっと立ち去る女将さんw
京風味付けながらリーズナブル。
先代の血が確かに流れていることを「たけのこワカメ煮」に確認した吉田さん。

季節もののメニューも多いが「柳川鍋」は年中無休、人気の1品。
女将の勧めに「じゃそれを」w
聞けば、先代女将はなんと浅草生まれ。「柳川鍋」のルーツが九州なのか東京なのかはさておいて、ここ「スタンド」の「柳川鍋」は東京浅草がルーツだw
東京と京都のコラボ「柳川鍋」が到着♪

「ドジョウの相棒、ごぼうとともに熱々を口にほおばる」w
山椒が京の香りが東のどぜう鍋を引き立たせている。

「スタンド」に歴史あり
木製でありブリキ製でもあるレジスター、先代女将より受け継がれているそろばん、少々ガタがきても現役なコインケース。
今でも便利と女将は言う・・・使い捨ての世の中、頼もしいお言葉である。

私も感じた、大理石の対面カウンターの幅を手酌wで計る吉田さん♪
対面にはちと狭そうな、この絶妙な幅は京都共通のお客と店主との距離感とは逆の発想。
いや、実は心の距離はこの幅で、対するときは1歩引いて・・・という心遣いなのかもしれない。
吉田さんも対面したご常連と話が弾んでいる♪

生ビールの次は日本酒で。
月桂冠特級を1合瓶でいただく。

「京都人の日常は食堂で飲む店先にあるのかもしれない」

吉田さん、ここで「ご常連アタック」と思いきや、新メニュー「従業員アタック」w
厨房と店内を行きかう従業員の方々は全てお年を召した(失礼w)女性たち♪
自前であろう思い思いのエプロンに京の家庭を感じた吉田さんであったw

ご帰還し、「スタンド定食」なる1品をご注文♪
牛ステーキにスライスニンニクを入れ、オリジナルソースで味付け。
京都には珍しい、濃い仕上がりのように見えるw
「一人納得」ww

「限りなく居酒屋に近い食堂。いや限りなく食堂のような居酒屋」

一人手酌も、ここ「スタンド」では堂々?と、営める。

まだ、明るいうちから呑み始め、暖簾をかき分け外へ顔を出した吉田さん

エンディングへ・・・・・



エプロンに 夏痩せ匿す 京をんな by 吉田類 (My Best 一句w by 私的w)



「働き者は、美しい・・・」



まだ明るい京の街。当然これから「えんじん」がかかるであろう吉田さんは新京極を堂々と闊歩するのであった。。。


お立ち寄り:花み津
#139 京都・新京極「スタンド」



■最後の陪審員:ジョン・グリシャム 2008.03.26

2008年03月28日 | 日々是、読書

文庫本で上下巻のたっぷりな内容です。
「リーガル・サスペンス」というジャンルを確立したジョン・グリシャム
この作品では、法律の歴史とあり方の問題を投げかけています。

パジット一家という特殊な家族が田舎町の孤島を陣取り、周囲に経済的にも社会的にも影響を及ぼしているという設定。
主人公は新聞社を祖母より引きつぎ経営している青年。
人種差別などの鋭い批判を新聞を通じて世間に問いただしている。

そんな田舎町に殺人事件が起こる。
パジット家の人間による犯行により逮捕起訴され裁判となる。
有罪になり、実刑が確定するも法律の網の目から容易に社会復帰を果たす・・・

この事件を通じて裁判制度、法律が誰のために誰が作ってきたのかという根源を垣間見せてくれる。
大昔に制定されたであろう法律は、実権を握る者に有利に働くよう制定されたものも少なくない。
また、社会の未成熟さも偏った法律に拍車をかける。
1度決まった法律を変えることは容易じゃない。変えることで実害を被る者もでてくるだろう。

判事が一般の市民から選出されていたことを語っている。
司法試験などのない、誰でも手を上げれば判事に馴れる可能性がある。
陪審員制度の歴史が古いアメリカならではの話だ。

ただ、読むにはつらいw展開だった。
上巻の後半は、ほとんど飛ばし読みw
下巻も要所要所をつまみ読みw
主人公の青年の人付き合いや田舎町の風習など異国の私にはいまいち入り込めない内容でした。


次に読みたい本
「アヴェンジャー」フレデリック・フォーサイス
911の裏舞台を描いた内容。映画「ユナイテッド93」を興味深く見た人にはお勧めかもしれません。