Good Life, Good Economy

自己流経済学再入門、その他もろもろ

A Remaking of the U.S. Economy?

2008-12-07 | Weblog
近年はすっかり(日本以外では?)景気対策としては非正統的と見なされるに至った拡張的財政政策ですが、現下の世界金融危機においては大規模な財政政策の発動に正面切ってその効果を疑問視する意見はあまり見られないようです。やはり、100年に一度の危機だけあって、対策も非正統的にならざるを得ないということなのでしょう。

そんな中、Wall Street Journalのブログ(Real Time Economics)に、"Will Stimulus Help Employment in a 21st Century Economy?"というエントリーを見つけました。話の枕は大幅に悪化した今回の雇用統計なのですが、更にEconLogのArnold Klingの「マクロ経済学はサービス産業における構造的失業の解決策をもたらさない」というコメントを引いて、大規模な景気刺激策の発動のみでは必ずしも問題は解決しないと示唆しています。Klingは自身のブログで、財政政策や金融政策は耐久財産業の刺激策にはなるが、より高度な教育・訓練を必要とするITのような産業にはもっと複雑な調整が必要だ、と述べています。

今回の経済危機が、米国のリーディング・セクターであった金融に大打撃を与えていることは紛れもない事実であり、これは単にマクロ経済政策により、GDPの落ち込みをサポートすれば解決する問題ではなく、より長期的に影響を残す可能性を孕んでいます。WSJのブログでは"Perhaps, the answer isn't to recreate jobs in the services industry, but to remake the U.S. economy."としており、"...something of that magnitude is going to take years of retraining workers, building new industries and likely massive government spending. It is increasingly clear that the road out of the current recession will be a long one."と結んでいます。

コメントを投稿