Good Life, Good Economy

自己流経済学再入門、その他もろもろ

我如何にしてケインジアンとなりし乎 by .....

2009-09-25 | Weblog
New York TimesのEconomix Blogに"Richrd Posner's Keynesian Conversion"なるリンクが貼られていたので辿っていくと、何とRichard Posnerその人が"How I Became a Keynesian - Second Thoughts in the Middle of a Crisis"なる記事を書いていました。

Posnerといえば(言わずもがなですが)シカゴ・ロー・スクールの上級講師かつ裁判官で、シカゴ学派を代表する法と経済学の専門家、かつThe Becker-Posner Blogでも著名であり、その思想的背景はリバタリアン的というか、要するにケインジアンの対極にあると思われている人。いやー、それが「我いかにしてケインジアンになりしか」とはビックリです。

さらーっと読んだ感じでは、大規模な財政政策を安易に容認するような粗っぽい議論ではなく、経済における心理的要因や不確実性の強調、富の退蔵を不況の元凶と見なす態度、時論としての「一般理論」の洞察力の確かさ、といった点を高く評価しているように見受けられます。また、議論を展開するうえでPosnerが「非自発的失業」という概念を受け入れているのも興味深いです。

ケインズの文明論者的側面-今世紀中に人々の物質的欲望は充足され、1人あたり消費は頭打ちとなるであろうと予言していたこと、スキデルスキー流に言えば成長の限界論者"Green"としての側面-についても、ある種の共感をもって語っているのも印象的です。

それにしても、これをベッカーが読んだら何と言うんだろ?

コメントを投稿