せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

Way do I love you

2007-04-19 23:47:26 | お題
グロ注意。

「騒ぐなよ、耳障りな。」

そう言って刀を一凪すれば、何十との天人が吹き飛ぶ。身に着けていた防具は自分のものを一滴も付けず、相手の血だけで真っ赤に染まっていた。そこにまた新しい染みができる。頬にも滴った血を、汚らわしいと払うと、そこらに横たわっている同士だったものの身に着けている布で刀を拭く。手を話すと、関節が崩れる音と、血が跳ねる音が響く。辺りには静寂しかない。仲間は生きているのか。否、私に仲間などあろうか。
ふいに足首に、ひとつの手が触れた。驚いて身を引こうとしたが、以外にその力は強かった。堆く積まれた死体の山から、ひとつの手がのぞく。まるで地獄からの使者のようだった。何奴、威圧するように呟くと、その手がぴくりと反応した。

「た、たすけて、く、れ・・」
「・・・・愚かな」

拭いたばかりの刀を回せば、その手が腕から離れ、血を噴出す。断末魔のような悲鳴を上げ、その腕が幾度か痙攣した。汚らわしい。目を細めて、その臭いを遮断するように己の腕を持っていくと、それも既に血塗れていて、もう意味を成さないことに気付いて苦笑する。それが聞こえたのか、そいつは苦しげに唸った。

「・・き、さま・・・裏切り、者、めが・・・!!」
「裏切り者・・だと?死に損ないが何を言う、どうせ貴様は放っておいてもその肉塊の重圧で圧死する。私が助けたところで臓器が潰れていてはどうにもならんだろう。無駄なことは嫌いだ。私は天人を殺戮するという目的があるのでな、貴様と話している暇は無いのだよ。だが、日が暮れてまだ貴様が生きていれば、助け、腕を縫い合わせてやろうではないか。精々苦痛に耐えながら、憤死することだな、名も知らぬ同士よ。」

貴様が同士なものか。そう聞こえたが、あんな死に損ない一人にそう思われたところで、いや、世界中の攘夷達にそう思われようが、私は痛くも痒くもない。私の居場所は元々、此処ではない、遥か遠くの宇宙であるのだから。ならばどうしてここに居るのだろう。そう思う暇もなく、背中から死のうめきが上がる。

「化け、物・・鬼畜・・・!死を、売国奴に、死を・・・!!」

パァン、と。
耳を劈くような銃声と共に、それは途絶える。後ろ手に構えた銃から煙が上がっているのを見て、その纏わりつくような声をかき消すように銃口に息を吹いた。煙が消える。迷いも心も、消える。

(幾度も祈りを握り潰した)
(幾度も願いを踏み躙った)


But.


Don't kill God , me.


―――
(Don't kill God , me.)
カミサマ、ワタシヲ、殺サナイデ。

(名称未定)。散三龍華。



夜兎の血が騒ぐ。獣が殺せと囁く。
血に濡れた、わがままな血飲み子。