せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

パンプキン

2009-10-26 22:04:24 | ネタ張
 「………」
 ノックもせず開いた扉から、幽霊のように音もなく黄緑の髪が割り込んだ。隔絶されてしまった廊下から彼女の弟が、焦ったように叫んでいるのが聞こえる。
 今朝、彼女の弟であるイーヴェルか思い詰めた様子でマントを引っつかんで出て行った。エテも同じようにマントを被って走っていったのだが、その時彼女はこう言ったはずだ、母に会いに行くと。焦って困惑してはいてもどこか嬉しそうな、気体の混じった声だったのに、帰って来てすぐにこれとは、一体何があったのだろう。
 「…化け物ですって、グレーテル。ひどいわね、…ひどいわね人間って。やっぱり嫌いだわ、みんなの方がずっと好き」
 眉を潜めて、今にも泣き出しそうにエテは笑った。
 おそらく彼女らは会ったのだ、彼女らを捨てた人間の母に。そして化け物と言われ――想像するだに痛ましい最悪の出来事の後、また走ってこの館に着いたのだろう。初めて逃げてきた夜魔物に追われ走ったように、息をせっつかせ、震える足を叱咤して此処まで来たのだ。いつも強気な瞳の下が赤く腫れ、か細い足で体を支えることもままならず扉に寄りかかっているのが何よりそう思わせる。
 かける言葉が見つからずに絶句していると、だんだんに外からのノックが強い調子になる。イーヴェルは怒ると悪魔のように怖い、悪魔だから。こんな状態のエテに怒鳴ったりはしないだろうが、このまま行かせて喧嘩になった時彼女の傍には誰が居るというのだろう。結局最後には弟しか傍に置かない彼女の傍に、誰が。
 「人間を嫌いになりたくないわ、母上は少し疲れてただけ…苦しいのよね、わかってる、母上は苦しいのよね。私のせいだものね、わかってるわ…」
 やわらかい絨毯を滑るようにして、白く震える手が縋りついてくる。その頭を撫でると、シャツにじわりと生暖かい悲しみが染み込んで行くのがわかった。
 もう廊下の声はしない。彼女は私が悪いとは言うが、決して彼のことを責めたりはしない。一方彼は自分が悪いと言い、その事に関しては決して彼女を責めない。どちらも一方通行で、平等に分けられた悲しみだからこそ、分かち合えない哀しみを持っている。どんなことをしても、彼女が本当は優しいのを知っている。
 「グレーテル傍に居て。イーヴェルの傍は、今は辛いの」
 だから今朝、紅茶をひっくり返されつま先を踏まれても、どうしたって彼女を許してしまうのだ。

―――

なんたってこんなんなるのか。
意味の無い物語を書くのは楽しいけど難しい。

パンプキンの話のうちの「氷の女王」のネタメモ。

「いつかは忘れてしまうものなのかな」

2009-10-23 22:46:17 | Weblog
頭を抱えてみても
時間は記憶を掠め取ろうと躍起になるし
ビーズの指輪を引きちぎってみても
無かったことにはできないらしい

君に出会ったのは10月30日
両思いの片思いはたったの4日
記念日は両親と同じ11月3日
君の居た二年と半年間
君の居なかった半年間
会えなかった数日間
喧嘩をすること10回くらい
キスとか、…うーん数えたくない恥ずかしい

一番最初にあげたのはなんだっけ?
「薔薇の花束、茎にはシルバーリング」
二番目はもう忘れてしまった。
三番目なんてあったっけ。
ねえ君が一番最初にくれたのなんだっけ?
「僕のポケットに、シルバーリング忍ばせた」
二番目はもう忘れてしまった。
三番目なんてあったかな。

気付けばいいのに、気付けばいいのに…

こんな酷い僕に気付けばいいのに
僕をなじって怒ればいいのに

そうしたら僕は笑って言うのに

「ごめんね好きで。
 傷つきたくないから忘れてしまう。
 君の笑顔も声も仕草も全部。
 傷つきすぎて忘れてしまう」

でも忘れたことにまた傷つくなんて、
君には絶対に教えてやらない

だって言ったら君は泣くだろうから
みたくないし、ききたくないし
傷付けたいわけじゃないし
でも傷付きたくなんてないし
ああ、どうにもならない。手遅れだ。





心情を書き綴ってみたりはできるけれど、こう、詩みたいにするのは私にはできないらしい。某ちゃんが羨ましい。あの子の詩は個人的にすごく好きだ。詩集でも出せばいいのに。わりとシュールだけど。

最近ずっと

2009-10-23 22:22:50 | Weblog
「気付けば君ばかり(題名)」の人のことが頭に浮かんで、もやっとして、泣きそうになってみたりならなかったり。

詳しく言うとアレなんで(既に言っちゃってるけれど)書けないですが、…誰に聞いて貰ったらいいんだろう。誰に相談すればいいんだろう。誰が笑わずに聞いてくれるだろう。誰なら、わかってくれて慰めてくれるだろう。
別にアドバイスして欲しいんじゃなくて、私が泣きながら「相手のことが好きで好きでどうしようもなくて、物分りのいい自分で居ようとして嘘ばっかりついて相手に未練を捨ててもらおうと必死で、私自信は本当はボロボロで、まだ会えるんじゃないかってずっと思ってて。そんなわけないのに、もしありえたとしても何年も先のことなのに、諦め切れなくて辛い。相手を苦しめたいわけじゃない、けれど、私ももう苦しみたくない。好きなのに、どうしようもなく好きなのに、私はもうそばに居られないんだ」って言っても、何も聞かないで慰めてくれる誰かが欲しい。

こんなに嵌り込むのはきっと可笑しいことで、暴走しすぎてて気持ち悪いんだろうなとは思うけど、やっぱり人を大事に思う感情は大切なもので忘れないもので、もう「大切だ」とも「好きだ」とも言えないのは、凄く凄く辛いこと。




あとべつに私は同性愛者でもなければ、ノーマルなのに同性を好きになってしまったとか、そういう特殊な境遇に置かれているわけでもなんでもないです。
でも妄想上の話ではないのです。一応。


あと先輩にも訊かれたけど私レズじゃないお…(´∀`)
スキンシップ超大好き・歳と見た目の割に子供っぽいだけで、レズじゃないんですお。同じ布団に入ってたのは寒かったからですお。

愛苦しい

2009-10-10 23:39:58 | Weblog
あいくるしいの続きの、なんだかもやっとした話。

なんだか、私は私が好意を寄せている人を都合のいいように扱っているような気がする。
会えば私を愛してくれる人を愛しいと思うのに、しばらく離れていて気持ちが曖昧になったときに優しくされると、ああと思ってしまうことがある。

どうしようもなく好きなんだけれども、二人とも、違う意味で特別だから、辛い。

そんだけ。


近々ボクモノの魔法使いの話を書こうとおもいます。
星が好きな理由と、占いに「魔法使い」がない件について。

萌えしんだ

2009-10-09 14:10:59 | Weblog
ヒカリ は 魔法使い を 支配した!←

そんなこんなで牧場物語わくわくアニマルマーチ、本日めでたく魔法使いと結ばれました。

告白のときから思ってたけど、魔法使いはキス魔なんじゃなかろか…魔だけに(笑)
結婚までに三回のキスを拝ましてもらいました。…最後の一回でふいた←

セーブはしなかったんですが、呼び方が「おくさん」とヒカリでまよった!おくさんいいけど名前で呼ばれなくなるのは寂しい…(′・ω・`)
あと魔法使いの名前を。しりましたが。…変な名まry




とにかく結婚しました!魔法使いさん可愛いよ魔法使いさん。魔女さまも可愛いけどw

めも

2009-10-05 02:05:09 | Weblog
レイヴンは英語でカラス(あれ?渡り鳥?なんだっけ)
シュヴァーンはドイツ語で白鳥

定説ですがふと思ったのは
Schwan(シュヴァーン) と Schwein(シュヴァイン)
似てるなあと思いつつ真夜中の二時です。

シュヴァインはドイツ語で「豚」という意味。
アレクセイの言いなりである自分を皮肉って
そうつけたんじゃとか変な勘ぐり入れてました。

そんなわけないとは思ってるんですがね。
妄想たのしすです。

あいくるしい

2009-10-04 23:38:33 | テイルズ
 不意に感じる胸の痛み、その人の事を考えるだけでどうしようもなく焦燥、口走りそうになる何か可笑しな言葉。どんな分厚い本にすら書いていないその小難しい症状は、どうやら恋煩いとかいうらしい。

 そういった感情には縁遠く、何しろ接する機会すらなかったし、そもそも人を愛する事がどういうことか、という事を教えてくれるはずの両親は居ない。だから大人気なく泣き喚きながらごめんね好きなんだ、なんて言われて混乱した私は、咄嗟に頷いてしまったわけだ。なんてこと。隣で丸くなって毛布を被る猫背によりかかってみて、ふうっと白い息を吐いた。
「ねえ、ひまなんだけど」
 好きだと言ったくせに何の行動も会話もしない。拗ねに拗ねて強い語調で呟くと、相手から漏れた吐息のような笑い声が寒空に解けた。二人分の息が混ざり合って霧散する、まるで私達の感情みたいだ。
「じゃあ、ねえ。キスでもしようか」
 視界に影を落していた前髪を指先で掻き上げられて、碧眼が悪戯に覗き込む。嘲笑気味に嗤ってみせると、息が触れる距離まで唇が近付いてそのまま逃げていってしまった。何がしたいのと言い掛けて、表現しようのない感情で喉につっかえる。触れ合った肩が焼けそうなほど熱い、別に魔法を使っているわけでもないのに、火が出そうなほどに熱を持っていた。
 でも、そんなに――私は彼の事が好きなわけではないのだ。吊橋理論、驚きが恋煩いに思えただけで、彼を好きだと思ったことは無い。ないのに彼は、私にとても優しくしてくれる。私はきっと彼を好きではなくて、他に思い煩っている誰かが居るのだ。間違いない、誰に相談してもそう言われる。
 貴方は彼の事なんて好きじゃなくて、ただ――愛してくれる人が好きなんじゃないかしら。だから貴方は貴方が本当に愛する人が嫌いで、意識していないのだと思うわと、言われた。
「………」
 すきとおって冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んで、もう一度その言葉を反復してみた。私は彼を好きではない。私が好きなのはきっとあの人で、それで。
 考えてみればみるほど苦しくなる。煩わしくはないけれど、これはどうも煩っている。優しくしてくれる彼が好きだ。けれど愛してはいない。なのになのに、もう、ああ。
「愛苦しい、」
 私はどうして彼を、選べないのだろ。

―――
(あいくるしい)


あいくるしいの本当の字は「愛くるしい」です。苦しくはない。
また、愛嬌があって可愛らしいさまのことです。苦しくはない。

私を愛してくれる人が居て、私は多分その人のことが好きなのだけど、その人は私が他の人に気持ちがより始めていることを知っている。つらい。でも私が気持ちを寄せ始めている人は本当の本当に私が好きで、でも愛してくれるその人も私をちゃんと本気で愛してくれている。
元々私は今気になっている人が好きだったのだけど、他の人を好きになってしまって、その人への気持ちは尊敬になってしまって、失恋して傷ついてぼうっとしている時に告白されて、驚いて、考えているうちに寂しくなって、愛してほしくって、心地のいい感情に甘えてしまった。
今更甘えることはできないし、その選択はどちらも傷付けることになるけれど、私はきっと私を愛してくれるその人を好きなのではないのだろう。今は親愛なる貴方が私を愛しているのだと実感するたび、悲しそうな顔をするたび思う。


「私はどうしてこの人を、好きになってあげられなかったのだろ」

はいはい絶望絶望

2009-10-04 04:31:59 | ネタ張
「君の世界に俺が居ないように、俺の世界にもまた君は居ない」
「ッハ、オレサマ一人居なくなったところで何が変わる! 世界は平和になるか? 死人は笑うか? ――鬼喰は幸福になるか?」
「鬼喰である限り、お前が"光"と結ばれる事はない。ヴァンパイアの一族がそうだったように、たった一人の鬼に全てを奪われる。最高の喜劇で、最悪の悪夢を見ながら!」「―だが、またお前も鬼である限り永遠に報われはしない。私もお前も何処にも逝けぬ。私と共に奈落へ落ちろ、戒。最悪の悲劇で、最高の夢を見せてやる」
「お前には到底解りえぬだろうな。私には己を滅してでも守りたいものがある、そのためなら悪魔に魂を売り渡すことなど厭わぬ」「オレサマにもあったさ。…けど守る間もなくお前らが殺した! 鬼喰であったアイツを、鬼喰のお前らが!」「堕天の悪魔が守るなどと笑わせる。私は選ばぬ、何を奪われようと、守るものを違えたりするものか」「ハ、お前こそ笑わせるな! 愛しの"光"を奪われてみろ、たちまち気が狂うんじゃないか? 屈辱に唇を噛んで悪魔に魂を売ったお前の全て、オレサマが壊してやるよ!」
「何故鬼喰の村は滅ぶか知っているか?」「知っているさ、鬼が押し寄せるからだ。『嗚呼、嗚呼! 鬼の神よ、死の神よ! 我らに救いの手を、どうか!』…妄信的に叫びながら、何百の単位でな。村は鬼に埋め尽くされ、鬼喰は力を使い果たして滅ぶ。後に残るのは無だけだ、そこから何も生まれはしない」


ぞっとするほど中二病な台詞をぽんぽん思い浮かべながらぞくぞくする自分きめえ。でもこうやって自分の奥底にある深層心理を引きずり出す感覚たまらん。

こうやって理不尽な不運を強いられた人間が「どちら」を選ぶかを一生懸命考えている。戒は狂気へ向かいエゴを満たそうとして、龍華は悲しみに向かいエゴに滅ぼうとしている。どちらにしろ間違っていて不運なのだけど、二人は根本では同じだから、理解し合えるようでできない。
似ているからこそ全く以って理解できない、「何故同じなのに、自分と同じ道を選ばない?」と。結局どちらも究極の両極端で頑固だから、歩み寄る事は絶対できない。


私はどちらかというと龍華の方。
大切なものを賭けた究極の選択においての犠牲は常に自分が捧げられ、その代償にならいくらでも死ねる。愛には死ねないけれど、大切なものの為なら他人からそれを守って死ねる。だから恋人に「頼む死んでくれ」って言われてもムリ。でも「先に行け」とは言える。その未来において、大切なのは「愛する者の存在」であり、決して自分の存在ではない。
戒は逆に究極の選択においての犠牲は常に他人を立て、自分は大切なものを大事に大事に守ることだけに身を費やす。愛には死ねるけれど、その他の理由では死ねない。だから恋人に「死んでほしい」と言われれば喜んで死ねる。でも「先に行け」とは言えない。「一緒に死のうか」ってなる。その未来において大切なのは「己と愛する者の存在」であり、他人がそこに居る必要はない。

本当に面白い生き方してるなこいつら、私の頭の中でだけど(笑)

恋愛観について少し

2009-10-02 11:32:59 | ネタ張
最近色んなことが重なって、センチメンタルしてみたり。
文化祭の準備の雰囲気に耐えられませんw

恋愛は一種の病気だとはよく言ったものですけど、一度熱が上がりきってしまうと、熱にも慣れてしまうし、あとは治るだけなんですよね。
だから、付き合ってしばらくすると、「あれ?どこが好きなんだっけ…」。
でも会えばすぐに「ああ、ここが好きだ」って思えたのは、相手が魅力的だったからなんでしょうかね。確かに自分が見えなくなるくらいには、好きだったんですが。

好きは薄れて慣れて、そのうち当たり前になってしまうんですよね。
大好きな人が居るっていう当たり前、幸せなようで辛いこと。








会えなくなってから、今更凄く好きだったと実感するのです。
みなさん好きは言わないと伝わらないんですよ。相手が自分を好きでいてくれて傍に居てくれるその当たり前は、すごーくすごーく特別なものなんですよ。…なんて。