せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

2.耽溺バイブル

2010-02-05 20:49:30 | お題
彼は、神様など居るものか、と笑うのが癖だった。
かけっこがビリだった時も、給食に嫌いなものが出た時も、テストで赤点を取った時も、料理が失敗した時も、ペットの猫が死んでしまった時にも。とにかく何かにつけて、本当に些細なことですら彼は簡単に神様のせいにした。悪いことがあると彼は神に救いを求めるのではなく、天に向かって唾を吐くかのようにこう言うのだ。
「神様なんざ居ねえよ、居るなら相当の意地悪野郎だな」
子供の頃はそれこそ可愛らしい言葉でだだを捏ねるように言っていたのだけれど、高校を出て大学に入る頃になると完璧に不良になってしまった彼は口が悪い。空中に固定された足を睨みつけている瞳に一瞥をくれて、口汚い言葉をあまり言わせないよう唇で唇を塞ぐ、なんてベタなことをしてみた。すると彼はあからさまに顔を顰めるのだから、本当に一体私達は何だというのだろうか。
「バイクで雨の日に飛ばして怪我をするのは自分のせいよ」
「るせえ」
彼が再度自分は悪くないとでも言うように吐き捨てたので、腹の上に聖書のカバーをした白紙の本を投げてやる。足が固定されているせいで避けられなかった彼は、カエルが潰れたような醜い声を出して恨めしそうにこちらを睨む。ざまあみなさい、と視線で嘲笑えば大きな舌打ちが聞こえた。
静かな病室内に、白紙の聖書を捲る音が響く。ぱらぱらと、ぱらぱらと、雨のように響く。そのうち彼は近くの棚に置いてあったペンを手に取ってそこへ何かを書き始めた。つい右上がりの無骨な字で埋め尽くされていく綺麗な紙を覗き込んでいると、片手で頭を叩かれる。
「…なによ、一体何を書いているの?」
「聖典」
小さく紡がれ始めたその物語――というよりも、彼の"思想"を綴る文字は細かく二段に別れまさに聖典と言ったように見えた。基本的に彼は無口だ。あまりに顔が真面目すぎてこれ以上話しかけてもきっと答えは返って来ないと諦めて性懲りもなく言葉の羅列でしかないつまらない聖典を覗いていると、ふと彼の物語に"私"と"彼"の名前が連なっているのに気付いた。目を丸くして彼の目線と合わせると、悪戯っ子のようないじめっこのような、とにかく意地の曲がった笑みで返された。応えるようにキスをして、私はまたくすりと笑う。
「貴方が神様になったら、貴方も"居ない"から消えてしまうわね」

―――
(耽溺バイブル)


帰って来たら書きかけのやつ放置してありました。悲しい。
よくわからんので適当に終わらせておきました。昔の私ごめん。
あと本当に神様なんて居ないんだ…私が頑張っても報われない…。

って思ってる時点で私は神の存在を信じている。
否定するにはまず存在していないといけないから。


理念にしろ概念にしろ妄想・空想にしろ存在していると思っている。
そんなかんじの話が書きたかったんですよわけわからんね、うん。


あと二つ前のやつほんと眠かったんです意味わかんない…。
文字通り「(水に)溺れている愛」って意味ですよ…
最後の愛ってなんだ頭が切ない。あと俺の寮潰れる切ない。




PS.特に関係ない話
壁井ユカコさんの「カスタム・チャイルド-罪と罰-」が超シュールだた。
明るくて楽しくてけれどやっぱり人並みに怒ってぶつかって喧嘩して、
そして「どこかが決定的にズレている」っていうところが中毒。

あの人の小説に出てくる男の子となら結婚したっていいと思う。
「(漫画のキャラ)様ぁぁ!vvvv」っていう人怖いと思うけども
でも俺も似たようなものだもんな。春川って絶叫したものな。うん。

春川とか由起とか春野とか結婚したい好きだ…うん……。