せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

一体誰が

2008-10-26 19:13:17 | Weblog
いったいだれがこのブログを見ているんだ…。

小説書いた後は大体35くらいは来てるんですが、
いや、来られるのが嫌なわけじゃないんですが、
でも一体誰が見ているのだろう…(うーむ)

コメントもないしなあ、(はて)

それでも世界は、途方もなく美しく

2008-10-25 11:08:42 | テイルズ
(原作に沿ったり外したりするので注意をば)



「僕も大好きだよ、マルタ」

それは最後の言葉だった。霞み滲み遮られ、マルタがそこに居たという証すら残さずに空間は遮断されてしまう。振り返った時リヒターさんに話しかける僕は既に僕ではなくて、精霊ラタトスクでしかない、ただ一つ人間でもエルフでもない異質な存在だ。
 ―、例えば世界が俺たちのために在ったとして、幸せで居られた確証なんてものどこへ行ったって見つかりっこない。猫箱と同じ、そう言うのなら不幸だったという確かな理由もないのだ。馬鹿馬鹿しくて首を振る、どうやら俺は、あの甘ちゃんを受け入れてからひどく女々しくなったらしい。別れを譲ってやったというのに、未だめそめそしてやがる。けれどそれはきっと、―紛れもない、俺なのだ。

「儀式は終わったのか」
「ああ…。これで俺とお前は、この部屋から出ることはできなくなった」

俺が言うなり、リヒターは自嘲気味に笑った。

「永遠の地獄、か。世界を破滅させようとした男の末路にはふさわしいな」

その言葉に、俺自身皮肉だと笑った。よく響くこの部屋は、すぐに俺とこの男の心を壊してしまうだろう。「随分な嫌味だな」それでも口にするのはせめても償いのつもりなのか、それともただの自傷なのか。人間を受け入れても、人間を完全に理解することはまだできていなかったらしい。

「そんなつもりで言ったのではないがな。付け加えればいいか?魔族に魂を売った男、だ」

もう何度見ただろうか、癖なのか眼鏡を上げながらリヒターは言った。小難しく寄っていた皺は今や解かれ、自嘲気味な笑みに変わっている。だが嘲りの色を深く刻み込んだそれは、既に笑みと言うのも可笑しかったろう。ただ在るだけの表情に過ぎない、誰の記憶にも留まることのない"形状"だ。
ふと、頭を過ぎる声。そうかなら、お前が答えを出してみろ。永遠の地獄を和らげる方法が在ると言うなら。しばらく黙祷のように目を閉じた。
―なら。

「―僕の力を使って、リヒターさんを眠らせるんです。その間、世界に理を引いたら…辛くないですよ、」

やっぱり俺は、とんだ甘ちゃんらしい。俺は眠りに着くことは無い、そうすればリヒターを目覚めさせる事などできないのだから。消える寸前の力を振り絞ってまでこの男を助けてやるなんて、以前ヒトを滅ぼそうとした俺では考えられないことだ。

「フ…俺にそこまで気を使わなくとも構わない。永遠の地獄を覚悟していた俺には蚊に刺された程度の、」
「目を閉じろリヒター、次に目覚めるのは千年後だ」

是非など問うてはいない。手を翳せば血の粛清の時のように、リヒターの額に赤い爪あとのようなものが表れる。ラタトスク・コア。この男が今の今まで呪い続けたそれが体内に取り込まれようとは、なんていう皮肉だろうか。ああ、馬鹿馬鹿しい。
呪詛のように笑みを浮べて、ゆらりと傾いたリヒターを一瞥しては同じように目を閉じる。空気中に取り込まれていくような感覚。もう"俺自身"という存在は無く、ただ思念として在るだけの存在になったのだ。

「これで良かったのですか、ラタトスク様」
「ああ。…リヒターは償いなど要らないとは言ったが、報いは当然受けるべきだ」
「……それがラタトスク様の意思ならば」

アクアの声が遠くで響く。リヒター様は私に任せて、さっさと終わらせて下さいよ。テネブラエと共に地上へ降り立てば、そこから本当の『世界再生』は始まる。ギンヌンガ・ガップの魔物から、海から、ヒトからエルフから、ハーフエルフから全てのマナを取り上げる。魔術も使えなくなるだろう、けれどそれが、本来あった世界の姿なのだから。それを悪いとは、マーテルも言わないはずだ。


(エミル)

声が、聞こえる。

(エミル、私、頑張るから。きみもずっと私のパートナーで居て、そしてこの世界を守ってね)

響くその心を、俺は信じよう。


全てのものからマナを取り上げ、千年が経ったその時、リヒターを開放し俺は消える。それでこの世界は救われる。そして償いも終わる。次に生を受けるその時こそ、あいつらと同じように意思を持ったヒトとして生まれたい。
だから今は、地獄の責め苦を噛み締め思念体として存在していくだけだ。ここは永遠の牢獄。触れもできない、最高のパートナーの傍。



それでも世界は、途方も無く美しく


―――
(それでも世界は、途方も無く美しく)


トゥルーエンドにしようとは思いましたが、
「それでも」は否定系に近いのでバッド方面。
エミルは優しいので、こうしたんじゃないかな…と。
ラタは責め苦を自分で背負ったんじゃないかな…と。
どっちもマルタ大好きですから、ね。

カナン

2008-10-14 16:42:08 | テイルズ
「ママ!」

ちらちらと雪が舞い降りて鼻先で消える。ちょうどこんな日に、私のパパとママも死んでしまった。大雪の日。まるで血の粛清の日のように、真っ赤に、真っ赤に染まって、それから。

「…寒い」

約束の地は、まだ遠い。

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アリスです。誰が何と言おうとアリスです。
約束の地カナンっていうのは、確か神話系?

血みどろブーゲンビリア

2008-10-12 20:17:14 | Weblog
…っていう話を書きたかった ←

テンペストのロミーって女の子が、
人を殺してしまうはなしが、
かきたかったんだ(ひらがなァ)

でもわたしは、
テンペストを、
もってないんだ(遠い目)

…くそ、絶対買ってやる!
そしてそしてミンチ(バラバラ)とか、
ソーセージ(断腸)とか言わせてやる!
※ごめんなさい切腹します

ちなみにブーゲンビリアの花言葉は、
確か秘めた愛。…ん?ミモザだっけか。

さよならクラレット

2008-10-07 23:10:28 | テイルズ
遠くで"ロイド様"の笑い声が響いた。
「いい声」
ワイングラスを傾けるたび、悲鳴、悲鳴、怒声、爆音。視覚がないだけで感覚は全てが研ぎ澄まされるものだと、無人の酒場の中でひとり物思いに耽る。傍らに積み上がった死体は、既に硬直がはじまっているのだろうか。明後日の方向に折り曲げられた手首が、音の振動に振れることはもう二度とないようだった。
目を閉じるだけですこしだけ尖った耳が炎の燃え上がる音を、弱い者たちの悲鳴を、命乞いを、全て届けてくる。耳を塞ぐだけで黒煙が吹き上がる匂いが、風に紛れて吐き気がするほど甘い甘い"中身"の匂いが感じられる。パパ。真っ赤に咲いた花を思い出す。まるで薔薇。ママ。引き裂かれてローズダスト。真っ赤に真っ黒に染まった私のパパとママ。
怖いなんて、どうして想うだろうか。滑稽で、そしてとても綺麗。物言わぬものほど綺麗なものなんて、この世界にはないのだ。揺れるワインのように、そう。綺麗なのは、赤だけ。私の目の色と同じに、全て染まってしまえばいい。
隣の家が崩壊したのだろうか、がらがらと土砂崩れのような低い音が机を揺らした。『ロイド様』の怒声が響く。酔いが回ってきたのだろうか、世界が一度揺れる。
ころりと床に転がり天井を仰いで、込み上げてきた笑いの衝動に身を任せた。世界。私の大嫌いな世界。世界が私に不幸を押し付けるなら、私が世界に不幸を押し付けてやる。燃え上がれカーマイン。紅蓮に紅蓮に、この街を世界を焼き尽くしてしまえ。
「アリスちゃんとペットとあんた、誰が先に壊れるかしらね!」
悲鳴にヴァンガードの悲鳴が混じりはじめる。予定調和のようにワイングラスを投げ捨て身を翻すと、そこには元の姿に戻った"下僕"の姿があった。名前を呼ぶだけで全てが伝わる、煩わしい言葉をわざわざ投げかける必要なんてどこにもない。投げたグラスが死体の山にぶつかって割れる。血と飲んでいたクラレットが混ざって、透明な、この世で一番の美酒のできあがり。
ねえ、大嫌いなカミサマ。アリスちゃんが世界を壊すまで、勝手に壊れちゃ嫌よ?




さよならクラレット


―――
(さよならクラレット)

題名は一応クラレット色です。クラレットはワインの名前です。
ローズダストもカーマインも色の名前で、両方とも赤系統。
ちなみにクラレットも色の名前、であり、ワインの名前。
色の名前で何か小説を書きたいなあ、と思ってこれは第二弾。
第一弾はセレストブルー。…最初が気に入ってたのに…(ちーん)

セレストブルー

2008-10-05 21:52:36 | テイルズ
青空が、落ちてきた。

葉が木から離れて舞い落ちるように、それは鮮やかな散り様だった。ざまぁみなさい。そう言うはずだったのに私の世界のネジはちょうど回りきってしまったらしい、反応することもできずに、崩れ落ちていく手に巻き添えて地に膝をついた。肩にかかっていた手が滑り落ちて、まるで人形のようにだらしなく力なく、今まで人だったものは無言になった。ゾッとした。吐き気がする。怖い、コワイ。つま先から入り込んだ恐怖は背を這い上がって脳天を突きぬけ、今にも私を殺そうとしている。

「レイズデッド」

青空は馬鹿だ。決して追いつくことのない月を追いかけ続け、太陽に身を焦がして死んでしまった。月が太陽によって輝いているのだからと、自らの身が焦がれるのも構わず一心不乱にここまで走ってきたのに、青空は、堕ちてしまった。新月のように見えないときだって、月は、私はここに居るのに。

「レイズデッド!!」

青空は、大馬鹿者だ。

「…何で死んじゃったのよ、デクス…ッ!!」



膨らみすぎた夢はぱちんという音を立て、白く白く、暗い影を落として破裂した。薄く開いたカーテンからもれる微かな陽光が朝を告げていた。
夢は弾けたくせに未だ胸にもやをかけ、頬に涙となって伝うし、額には髪が、汗によって煩わしく張り付いている。鬱陶しくて手で払い落とす。その手すら、薄っすらと汗が滲み濡れていた。
体を起こせば、そこはどこかの宿屋のようだった。木製の壁は古臭く、火の点っていない暖炉はいかにも埃がたまっていそうで少々不潔。その部屋はシングルのベッド一つしかなく、どう考えても二人で泊まれるような広さではなかった。少なくとも、大人の男が一人、足を伸ばして座れるほどのスペースはない。彼がトレードマークのようにいつも抱えていたアイアンメイデンは姿さえないし、扉の向こうからでもゆうに臭いを訴えてくる香水の存在もわからない。その残り香さえ感じられない、静かな朝だった。底冷えするような感覚は、まだ胃の中に鉛となって残っているようだ。

重い体をベッドから降ろし、まず初めにしたのは顔を洗うことだった。汗でべとべとになった髪を人よりは尖った、けれどエルフよりは短い耳にかけ、冷たい水を手で掬っては顔に叩きつけるようにして汗を洗い流した。一緒に夢の残像も洗い流したつもりで鏡を見るとほくそ笑んだ私が言った、「ざまぁみなさい」。そうだ、そうだだって、着替えて階段を降りれば、紛いようもなく彼はそこに居るのだから。声には出さずもう一度弾け飛んだ夢の欠片に向かって言ってやる。ざまぁみなさい、所詮あんたは、夢でしかないのよ。私の勝ち。階段はステップを踏むように降りる。

「朝ごはんはまだ、デクス!」
「今作ってるよ、アリスちゃん」

ほら、居た。もう一度ほくそ笑んで、既視感とも相違感ともつかない気分の悪い感情をうちやって席につく。今日のメニューはシンプルにトーストとハムエッグにしてみたよ。そんな声に生返事を返して、ぼうっと考える。此処は宿ではないらしい。客に食事を作らせるような安い宿に私が泊まることを、デクスが許すはずがない。店主を締め上げてでも食事を出させるほどの執着が今はないのだから、ここはどこかの家なのだろうか。本当に馬鹿らしい執着、何度嘲笑ったことともしれないのに、それでもデクスは私を追いかけていつだって走っていた。

「…ねえ、マルタちゃんにやられた傷はもういいの」

そう、そうだ。夢の熱に浮かされでもしたのか起きる前の記憶は曖昧で、けれど彼はギンヌンガ・ガップの底でマルタちゃんに斬られたはずなのだ。もしそうだとすると、その場所から重傷の大人を抱えてきたことになる。それは無理だ、魔物の力を借りようにもあの時はエクスフィアが底をついていたし、一人で帰ってきたとして、誰がデクスを地上まで運ぶのだろう?
そういえばいつだってしていたと思っていた香水の臭いが、いつだって持ち歩いていたと思っていたアイアンメイデンが影も形も残っていない。ないといえば、私の鞭も見当たらない。もう一度デクスに視線を移せば苛立ちすら与えるようなハート形をした悪趣味なエプロンを翻らせ、今まで料理に没頭していたデクスは漸く振り向いた。そのデクスにも相違はあった。髪が短いし、何より服が絹を編んで作られたような、一般人の着用する服だ。そんなもので、どうして今まで戦いに身を投じられただろうか。

「マルタ? …俺は怪我なんかしてないぜ?」
「……え?」

怪訝そうな顔で、デクスは更に記憶と現実の相違を広げる決定的な台詞を吐く。尻上がりの名前。それはまるで、彼女を知らないとでも言いたげなものだった。一瞬だけ世界が止まったものと、勘違いする。

「夢でも見たんじゃないのか」

目を丸くし素っ頓狂な声を上げた私へ、やけに可笑しそうにしながらデクスが言った。確かにデクスは、彼女に斬られたはずだ。彼女、?彼がいつ、どこで、だれに斬られたと思っていたのだろう?物騒なことこの上ない。ハイマは今日も平和だし、何より馬鹿馬鹿しく非力で、慎ましく穏やかに生きているこの男を誰が斬るというのだろう。

そもそも私は一体なぜ、アイアンメイデンや二人ともが一度もつけたことのない香水の臭いを探していたのだったっけ?

ああ、それは今まで見ていた夢の中のものだったのだ、鮮明な夢に騙されて、私はまだ寝ぼけていたらしい。頬を両手で叩いて痛みを確認し、それからぽっかりとテーブルの横に空いた窓らしい吹き抜けから景色を仰いだ。
山の頂上付近に作られたこの家は、丁度海に面するように作られた窓があった。時折海風がやってきては頬を撫ぜ、夢の闇を取り去ってくれていた。目に映りこむセレストブルー。こちらのほうがいいに決まっている。目の前には湯気を立てる食事、目の前にはしまりの無い顔で味の是非を問うてくる隣人。口に運んだトーストの香りが口の中いっぱいに広がって、それで夢は全て忘れてしまった。

「いただきます」
「いただきます」




「アリスちゃんも今、そっちに行くからね」

落ちていく瞼の底に、散らばったセレストブルーの髪を見た。



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(セレストブルー)

書き直しだから所々意味がわからなくなってる…|||orz
ええと、これはつまり。

まず第一段落(むしろこれじゃ連だけど)。
アリスの「現実」です。こっちが本当の記憶。
眠る前、というか「死ぬ間際」の記憶ですね。
それで第二段落がこれは、もう、なんていうか。

天国です(どこだ)

ざまぁみなさい、って言ったのは死ぬ間際言い損ねたのを、
なんとなく覚えてて、さあ言ってやったぞ、とほくそ笑む。
誰にっていうのは特に無くて、言いたくなっただけです。

最後のうっすーい文字は、題名のオチ。
セレストブルー、青空、はデクスのことです。


ちなみに月と視点はアリスちゃんですよ、!(ぎゃふん)

セレストブルー

2008-10-05 20:56:33 | Weblog
セレストブルーという話を書いていたんだけど消えた。
書き終わった直後に消えた(死)

…まじでしにたい…。
デクアリ死にネタっぽいものだったんだけどな。
今日か明日か、とにかく書き直す。何年もさきかもだけど。