映画と音楽そして旅

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時には新しい映画も…

河は呼んでいる(同名のフランス映画)

2005-07-08 06:33:43 | 映画音楽
 この歌を耳にしたのは二十代はじめ頃だったでしょうか。ヒットしたので歌詞を覚えている方もいられると思います。
      デュランス河の清き流れに
      小鹿のような その足で
      駆けろよ駆けろよ 可愛いいオルタンスよ
      小鳥のように いつも自由に 
                   (NHK みんなの歌 作曲 G・ベアール 作詞 水野汀子)
 この歌がNHKの放送からヒットしたことや、中原美沙緒が歌っていたことは知ってましたが、同名のフランス映画の主題歌であったことはつい最近まで知りませんでした。 
 私が20歳前後の頃の我が国のシャンソン界は「女王」淡谷のり子「宝塚出身」越路吹雪「大臣令嬢」石井好子「パリ仕込み」高英男などの大先輩歌手がひしめく中で、新進若手歌手として芦野宏などと共に頑張っていたのが中原美沙緒でした。
 私は彼女の歌では「花祭り」が一番のお気に入りで、シャンソンには珍しい明るく軽快なリズムが大好きでした。この歌は元は南米の民謡でそれに南フランスの農村の、行事風景を描いた歌詞をつけたもので彼女のヒット曲となりました。
 「河が呼んでいる」が映画主題歌であることを知ったのは、ある通販カタログからでした。演奏がレオン・ポップス(外に「いそしぎ」「シャルウイー・ダンス」など)で掲載されていました。この映画は1958年の製作でフランスの田舎でダム工事をめぐって、大人たちの争いに巻き込まれながら、強く成長して行く少女を描いた映画だったそうですが、日本で公開されたという記憶はありませんでした。
 しかしこの主題歌はヒットしてある時期にはシングル第一位にランクされたり、中原美沙緒もNHKの紅白の出場も果たしました。また創成期だったテレビでは「シャンソンの花束」という番組でシャンソン・ブームの起爆剤になったり長年にわたり活躍していた彼女でしたが、その後病に倒れ1997年7月8日 65歳で世を去りました。中原淳一と共に日仏文化の交流に貢献した彼女の、若すぎる他界に私は一つの時代の終焉をしみじみと感じるのでした。