数学入門(上・下)(遠山啓・著、岩波新書)
ずいぶんと前に買った本をパラパラと見返すことがよくある。ちなみに本書上巻の奥付を見てみると第1刷の発行が1959年で、買ったのが1969年発行の第17刷である。半世紀近く前の本ということになるが、内容に古さを感じさせないのは数学という学問の性質によるものだろうか。そんなことを思いながらページをめくっているとたまたま複素数のところで目がとまった。実数から . . . 本文を読む
キリンのまだら(平田森三・著、ハヤカワ文庫)
日本の著名な物理学者といえば湯川秀樹や朝永振一郎、近年ならば小柴昌俊などのノーベル賞学者の名前をあげるのが普通だろう。あるいは、ノーベル賞の栄誉には浴しなかったものの発展途上の近代日本にあって世界に伍する成果をあげた長岡半太郎や本多光太郎の名前があがるかもしれない。しかし、自分のなかでは彼ら超有名人とは別の系譜に属する名前をあげたくなる。寺田寅彦や「 . . . 本文を読む