去る7月18日(木),当事務所管内(石巻市,東松島市,女川町)で,
防災教育や震災体験を語り継ぐ観光ガイドを行っている方々を対象に「震災学びのガイド育成研修会」を開催しました。
東日本大震災を契機とした防災・減災意識の高まりを背景に,
震災以降の語り部バスガイドの利用者数は約9万人(管内6月末現在,年度内予約数を含む)となっており,
今後も防災教育を目的とした社員研修や修学旅行などで被災地へ訪れる方は増加すると予想されています。
このような中,ガイドを行っている団体などの皆さんの実際のガイドを相互に体験し学び合うとともに,
意見交換を通して被災地におけるガイドの資質向上と課題などを共有化し,
今後の活動に役立てていただくことを目的に今回の研修会を開催しました。
研修会には,各市町の観光協会やタクシー協会,観光施設の運営事業者,大学などから約40名が参加しました。
【女川町】
女川町は世界三大漁場を控え,良好な漁場環境を有し,沿岸漁業・水産関連産業が中心となっているほか,
ギンザケ,カキ,ワカメ,ホヤ等の浅海養殖が盛んな地域でした。
東日本大震災の津波により町は壊滅的な被害を受けましたが
「とりもどそう 笑顔あふれる女川町」
を基本目標に行政と町民が一体となったまちづくりを進めています。
女川町においては
「マリンパル女川」→「ホテル華夕美」→「万石浦・浦宿駅周辺」→「女川第一小学校」→「女川駅周辺」→「マスカー(冷凍冷蔵庫)」→「女川地域医療センター周辺」→「きぼうの鐘商店街」
の順で回りました。
「4,500戸あった住居のうち3,000戸が流失または全壊しました」,
「今は何ありませんが,これからどんどん変わっていく女川の姿をみんなに見て欲しい」とガイドの阿部さんは語りました。
研修会当日は未明からお昼頃まで雨が強く降り,冠水している道路や土地もありました。
参加者は地盤沈下や排水機能の低下など被災地が置かれている厳しい現状を実感しました。
マスカー(冷凍冷蔵庫)内の視察。
水産業の再開に必要な施設として,中東のカタール国の支援を受けて建設されました。
「保冷庫の収容量は6,000トンで2階に配置し,3階に冷蔵機械施設を配置した。
建物が津波に襲われた場合には津波が通り抜けるように1階部分はすべてパネル構造となっている」とのこと。
「マスカー」はカタールの伝統漁法で使用する道具の名前とのこと。
施設見学は午前8時から午後5時で,定休日は日曜日と月1回の臨時休業日になります。
きぼうのかね商店街。アメリカ軍の支援を受け平成24年4月29日に完成しました。
県内最大の56の店舗が入居しています。
商店街の名前の由来となった鐘は,もともとはJR女川駅のカラクリ時計に使われていたもので,
津波で流されたものの奇跡的に発見されたことから,女川の希望の象徴として商店街に設置されました。
商店街内のスペインタイルの店舗。ここではタイルの絵付けを体験することができます。
この後,研修会参加者一同はサン・ファン館へ移動し,昼食をとった後
サン・ファン館の震災時の様子を聞き,再びバスに乗り込んで東松島市に向かいました。
その様子は〈その2〉で紹介します。
(uchi)
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