宮城県東部地方振興事務所では,慶長遣欧使節出帆400年を記念し,去る10月10日(木)宮城県慶長使節船ミュージアム(通称:サン・ファン館)を会場に,石巻製菓製パン組合と共催による「いしのまき地域すいーつ」展示発表会を開催しました
⇒取組内容については展示発表会参加店紹介シリーズの第1回目をご参照ください。
第13回目は,「富士製菓舗」を紹介します
【震災からの復旧の状況】
渡波地区は被害が大きく,工場は約3mの津波に襲われ,水が工場内を突き抜けました。
運良く流出せずに済んだ店舗へ徒歩や自転車で毎日通い,水も電気も無い中から修復作業を始め,工場を復旧させました。
お店の方から一言
皆様の温かい御支援により,平成23年8月に工場を再稼働,学校給食のご飯の生産を開始しました。
この地域では,どこよりも早く営業を再開し,地域に明かりを灯すことができました。御支援いただいた皆様にとても感謝しております。
現在は,船の進水祝いの餅の注文が多く,地域の復興が進んでいることを実感し,とてもうれしく感じています。」
【展示発表会へ出品した菓子】
茶巾 価格420円/5個入り(税込み)
(石巻の地域住民から愛され続けられる菓子です。)
お店の方から一言
この地域で昔から各家庭で食べられていたもので,小麦粉を水に溶いてフライパンで焼き,その上にあんこをのせて,包んで食べていたものです。
昭和20年くらいから菓子店で販売するようになったと記憶しています。(菓子職人 木村氏)
【店長“イチオシ”スイーツ】
「まめパン」
お店の方から一言
しっとりしていて,「かのこうぐいす豆」が入っているパンです。25年前から作っている人気の商品です。
低温で長期に熟成させており,軟らかさと甘みが特徴です。
「くるみ・ごま ゆべし」
お店の方から一言
甘じょっぱく,まろやかな味のゆべしです。スーパーからの注文が多い人気の商品です。
えくれーる,石巻市内のヨークベニマル,イトーヨーカ堂で購入できます。
【作り手の想い】
弊社では,震災後から「茶巾」を製造するようになり,今では人気の商品です。
この「茶巾」は,震災で廃業した菓子店で働いていた職人が,弊社で働くようになり販売を始めたものです。「茶巾」はこの地域の食文化でもありますので,今後も伝統を守り続けたいと思っています。
今の渡波地区は,震災の影響で人口が減少し,休日は良いのですが,平日は,お客様が少ない状況が続いています。
女川町方面やサン・ファン館にお越しの際は,是非ともお立ち寄りください。
工場前にある「えくれーる浜松町店」で弊社のパンや菓子を販売しております。
※以前,紹介しました「えくれーる」と「富士製菓舗」の経営者は御兄弟で,えくれーる浜松町店と富士製菓舗の工場は隣接しています。
作り手:(株)富士製菓舗 阿部富士雄 代表取締役
【お店情報】
浜松町工場 ※販売店:えくれーる浜松町店
連絡先 : (TEL 0225-24-0832)
営業時間 : 9:00~19:00
定休日 : 不定休(月2回) (元日休業)
住所 : 石巻市浜松町5-57 ※えくれーる浜松町店に隣接
【記載者コメント】
兄の(株)富士製菓舗の阿部社長さんがパン職人,弟の(株)えくれーるの鶴岡社長さんがケーキ職人で,御兄弟で励まし助け合い,東日本大震災の被害からここまで頑張ってこられたと聞きました
渡波は石巻市でも津波被害の大きかった地区で,人口の流出が大きな問題となり,休日は良いのですが平日は,お客様の数が少ないと悩んでおられました。
富士製菓舗からは,車で3分程度で宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)もあり,また,食べ物では「万石浦の牡蠣」が有名で,特に,数少ない種牡蠣の産地として全国の種牡蠣の約8割を生産しています
ここで育った種牡蠣(稚貝)は,日本全国だけでなく,欧米にも輸出され世界的に重要な役割を果たしています。また,水産加工場も多く,潮煮,牡蠣味噌,燻製,オリーブオイル漬けなど,様々な牡蠣の加工品が作られ,石巻の特産品の一つとなっています。
生牡蠣はもちろん,その場で炭火焼きが楽しめる牡蠣小屋やなどもありますので,是非とも石巻市渡波にお越しください
次回は,(株)平和堂を紹介いたします
(toshi)
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