日和アートセンター(代表 立石氏,石巻市中央)が主催するアートプロジェクト「石巻四次元横丁」の展覧会が
日和アートセンターなど市内中心部14か所で9月8日(日)まで開催されました!
今回の展覧会には5名のアーティストや地元中学校美術部の生徒が参加し,
約1か月かけて作品の製作に当ったそうです
作品は絵画や造形物,スピーカーで音楽を流すものなど多様で
それぞれのアーティストが被災地石巻で受けた印象を基に製作されたものです。
多くの作品が展示され市内を散策しながらリラックスして観ることができる展覧会で
市民や石巻市を訪れた方々を楽しませました
日和アートセンターが入っている建物。
アーティストの皆さんは,この2階に集まり,
約1か月間ミーティングを行い,構想を練り,作品の製作に当ったそうです!
入口には「石巻四次元横丁」のチラシと「お気軽に中へお入りください」の看板が掲示されていました
「石巻四次元横丁」の四次元とは,「過去」「現在」「未来」それぞれの時間をつなぐことで,
まだ,私たちが出会ったことのない「未知の世界」や面白い出来事を呼び起こす可能性を表現している,とのこと。
宮本悠合作「まねかれたねこたち」
四倉由公彦作「#209」
音を持ち運び聞く場所が変わると,音楽から受ける印象も変わることを楽しんで欲しいとの思いを作品にしたもの。
ちばふみ枝作「ゆき」
幸田千依作「ふり返ってみる景色」
佐立るり子作「布に炭」
白い壁に掲出された作品はどれも,心に何かを訴えかけてきます。
日和アートセンターでは昨年だけで5回の展覧会を開催しており,
過去の展覧会の作品の一部も展示しています。
日和アートセンター向かいの陶器店入り口には,地元門脇中学校美術部の作品が展示されていました
ベニヤ板2枚分の大きな作品で,顔の部分が切り取られた「カオパネ」。
このような「カオパネ」も市内6か所に展示されていたそうです
交差点の向かい側には,築80年以上になる「観慶丸」の建物が見えます。
大正ロマンの雰囲気を持った石巻を代表する特徴ある歴史的な建築物の一つです
「石巻四次元横丁」の③会場。
震災前までは洋服店だった建物が会場です。
細長い部屋には,大きな部屋のような造形物がどんと立っていました。
佐立るり子作「ノンフィクションの中のフィクション」。
中は炭が塗られ,石膏で濃淡のあるドット模様が描かれています。
この中に入ると,満点の星空の下にいるような,時間が止まったような感覚に襲われました。
作者の佐立さん。
「この作品はベニヤが剥き出しの外面が現実を,星空のような模様が描かれた内側が非現実の世界を表現したもの。
何かを乗り越えるときに脳の中に現実をみる力とそれを助ける個人個人の物語が同時に存在する感じを表現してみました」
と語っていただきました
会場周辺の通りにある下水のマンホール。
カラーで萬画館や北上川,ロボコン,花火(川開き)が描かれています!
石巻ニューゼでは,
ワークショップ「浅井元義と土曜写生会」の展示が行われていました。
絵は浅井氏が講師を務めた「土曜写生会」で,生徒さんが描いた「観慶丸」。
浅井氏は石巻市出身の画家で,石巻市内の懐かしい風景を絵に残しています
震災により多くの建物を失った今,浅井氏の絵は貴重な記録絵となることでしょう
「石巻四次元横丁」の②会場
中央地区の観慶丸本店1階が会場となっていました。
店舗1階の奥が展示スペースになっていました。
ちばふみ枝作(左から)「かげの正面」「したの正面」「そとの正面」。
窓にかかるカーテンや扉などの「仕切り」の性質に着目した作品が,
ちばふみ枝さんの作品の特徴だそうです!
「石巻四次元横丁」の②会場
駅前北通の㈲四倉製瓦工業所内にありました。
幸田千依作「いしを込めて(昼の絵)」
大きな石と植物が生い茂る水の中を突き進む人々。どこに向かっているのか気になる作品です
四倉製瓦工業所は,雄勝石を原料としたスレートを製造しています。
東京駅の屋根一部も雄勝石のスレートが使用されており,
四倉製瓦工業所も設置工事に携わったそうです!
東京でステンドグラス教室を開催している四倉有香子さん(前出の四倉由公彦氏の実姉)が運営する,
ステンドグラス工房「グラスポイントY」(東京都内)が昨年製作した作品です。
千個のガラスピースを千人の方々が一つずつ貼り,被災地石巻への応援のメッセージを込めた作品です
©石森プロ
四倉製瓦工業所のすぐそばを石巻線が通っており,
タイミングが合えば「石巻線マンガッタンライナー」と出会えることもあります
(uchi)