宮城県東部地方振興事務所では,慶長遣欧使節出帆400年を記念し,去る平成25年10月10日(木)宮城県慶長使節船ミュージアム(通称:サン・ファン館)を会場に,石巻製菓製パン同業組合と共催による「いしのまき地域すいーつ」展示発表会を開催しました
⇒取組内容については展示発表会参加店紹介シリーズの第1回目をご参照ください。
第10回目は,洋菓子店「パティスリー&ショコラティエ フェヴリエ」を紹介します
【震災からの復旧の状況】
水が引き店内から撮影した駐車場の写真と店内の様子(泥が堆積しています)(H23.3撮影)
店は津波被害の大きかった石巻市大街道地区にあります。津波被害で店舗,製造機械に甚大な被害を受けました。
【現在の店の様子】
☆お店の方から一言
震災後は食料が乏しかったため,地域の住民の皆様からの後押しもあり,3月後半には,店の一部を使い,出来る範囲でパンやお菓子を作り販売を始めました。
全国のボランティアの方々や地域住民の方々に支えられ,ここまで復旧することができ,とても感謝しております。
この地区は,人口減少に歯止めがきかず,苦戦する毎日が続いておりますが,これからも皆様の応援をお願いいたします。
【展示発表会へ出品した菓子】
ロールストーン 価格1,350円/個(税込み)。(カットケーキ140円/個(税込み))
(石巻地域の住民から愛され続けられている菓子です。)
お店の方から一言
平成23年1月に開催された,第2回いしのまき地域スイーツコンテストでグランプリを受賞したお菓子です。
コンテストのテーマは,「巻き」をイメージした新作スイーツでしたが,これは,石巻市の住吉公園の「まきいし」をイメージし,形もゴツゴツと石を思わせる様に作った濃厚なチャコレートケーキです。
コンテスト以降,全国からの注文が増加し,地域で愛される定番のお菓子となりました。是非一度お試しください。
【店長“イチオシ”スイーツ】
「シロル」
お店の方から一言
薄くて柔らかいシュー皮にホワイトチョコをブレンドさせた濃厚なレアチーズが入っています。
形は食べやすいようにエクレア型にしました。冷凍販売なので解凍してお召し上がりください。
「手づくりのチョコレートアイテム」 (写真左からロシェ,アーモンドショコラ・オランジェット)
お店の方から一言
ロシェ,アーモンドショコラ,オランジェットの手づくりのショコラアイテムです。
私は,チョコレートには特別な思い入れがあります。
若い頃から全国洋菓子技術コンテスト(現在のジャパンケーキショー)に3回ほど出場し,第4回大会では実技部門で金賞を受賞しました。チョコレートを愛し,心を込めてチョコレート菓子を作っておりますので,是非,バレンタインの一品としていかがでしょうか。
【作り手の想い】
日々,石巻市の復興が進んでおりますが,津波被害を受けたために,沿岸部から石巻市の内陸部に商業の中心が移りつつあるように感じています。
大街道地区,中里地区,立町地区,渡波地区で商業を営む人々が,将来この街がどうなるのか心配していますが,この流れを逆手にとってやってやろうと思う意気込みが必要だと思っています。
今の大街道地区のように人口が減少している中で,お店に来てくれるお客様にとても感謝しております。
今後も内陸部のお客様が来ていただけるよう魅力あるお菓子づくりに努力してまいります。
作り手:パティスリー&ショコラティエ フェヴリエ 店主 木村 薫
【お店情報】
連絡先 : 0225-98-6033
営業時間 : 9:30~19:30
定休日 : 毎週水曜日
住所 : 宮城県石巻市大街道北1丁目1-45
【記載者コメント】
フェヴリエさんの「ロールストーン」の名前の由来となった「巻石(まきいし)」は,石巻市の地名の由来のひとつとされる伝説の岩です
石巻市の住吉公園前の川中にありますが,東日本大震災の地盤沈下の影響で川に沈んで見えない時期がありましたが,今では,干潮時に見ることができます
また,かつての船の渡し場に作られた住吉公園(芭蕉ゆかりの地)は,歌枕として有名な「袖の渡り」の地として知られています。
源義経が,奥州藤原氏に逃れる途中に,北上川を渡る船賃が無いため,代わりに袖をちぎって船頭に与えたという言い伝えによるものです。
石巻市の歴史的な観光地の一つとなっています
現在の「巻石」「住吉公園」の様子(H26.1.16撮影)
次回は,社会福祉法人 石巻祥心会 障害者支援施設ひたかみ園を紹介いたします
(toshi)