宮城県東部地方振興事務所では,慶長遣欧使節出帆400年を記念し,去る10月10日(木)宮城県慶長使節船ミュージアム(通称:サン・ファン館)を会場に,石巻製菓製パン同業組合と共催による「いしのまき地域すいーつ」展示発表会を開催しました
⇒取組内容については展示発表会参加店紹介シリーズの第1回目をご参照ください。
第12回目は,「風月堂」を紹介します
【震災からの復旧の状況】
内陸部の石巻市鹿又の本社,工場は何とか無事でしたが,津波や地震で山下店自社ビルは甚大な被害を受け,店舗内の冷蔵・冷凍ケース,包装機械,什器類は全て入れ替えとなりました。
お店の方から一言
店舗の改装とともに,ショーケースなどを購入し,コツコツと復興に向かって前進しています。
応援していただいた全国の皆様にとても感謝しています。
【現在の店の様子】
山下店外観
山下店内
【展示発表会へ出品した菓子】
サンファンバウティスタ号の里 価格115円/個(税込み) ごまとアーモンドがあります。
(慶長遣欧使節出帆400年を記念し「メキシコ,伊達,支倉常長等」をイメージさせる菓子です。)
お店の方から一言
もともとは,「チュイール」と呼ばれる西洋菓子で,日本風に直せば,西洋瓦の意味を持ち,西洋への憧れとロマンを偲ばせた菓子です。
大変湿気に弱く,焼成後,いかに早く包装するか,毎回時間との戦いで割れやすいため大事に扱っています。
平成25年に広島県で開催された第26回全国菓子大博覧会で「厚生労働大臣賞」を受賞しました。
茶きん 価格85円/個(税込み)
(石巻の地域住民から愛され続けられる菓子です。)
お店の方から一言
石巻の隠れた独自の和菓子です。
いつから作られ始めたかは,定かではありませんが,この地域では昔から食べられていたお菓子です。
茶きんと言えば,布で餡や金時餡をしぼる茶巾しぼりがありますが,当地では,粉,水,砂糖を練った生地を薄く焼き,風呂敷がごとく三角に包む方法で伝えられています。
【店長“イチオシ”スイーツ】
「アイスクリーム」
お店の方から一言
風月堂のアイスクリームには,多くの種類があります。
お米のひとめぼれ,ササニシキ,魚介類は,秋刀魚,牡蠣,三陸ウニ,シジミなど,地元の食材を中心にアイスクリームを作っています。
また,全国の催事で出会った方々から,その地域の特産品を使ったアイスクリーム作りを頼まれ,食用ほおずき,春蘭,黒ニンニク,シークアーサーなど,たくさんの珍しいアイスクリームが誕生しました。
山下店で販売しておりますので,是非,御来店ください。
「ボストンパイ」
お店の方から一言
石巻市内で特別な進化を遂げた,地域特有の菓子です。
基本的にはアップルパイ(クッキー生地)の上にバタークリームを塗った菓子ですが,各店で工夫が凝らされていて,地域の住民から長く愛される人気の一品です。
【作り手の想い】
「サンファンバウティスタの里」が全国菓子博で賞をいただき感激しています。
お客様から絶対的な支持がなければ,今日の商品は,無かったかもしれません。今後,より一層の努力をして,生産に精進いたします。
茶きんは,通常,朝生と言われ,その日の朝作り,その日のうちにお客様に食べていただく,これが一番です。
常に安全,安心を心がけて生産しております。お茶の間の菓子として今後も御愛顧のほどお願いいたします。
作り手:(株)風月堂 佐藤惠昭代表取締役
【お店情報】
山下店
連絡先 : 0225-96-4713 (FAX : 0225-96-4717)
営業時間 : 8:30~19:00
定休日 : なし (元日のみ休業)
住所 : 石巻市錦町5-14
【記載者コメント】
石巻市内で特別な進化を遂げたお菓子「ボストンパイ」,現在,私が知っているだけでも7店舗が販売しています!
宮城県内の他の市町にも「ボストンパイ」がありますが,石巻の「ボストンパイ」は,生地がビスケット生地で,煮リンゴを使いバタークリームが上に塗られているのが特徴です
あるお菓子屋さんからは,ケーキの切れ端から出たスポンジ生地を無駄なく利用し,洋酒などを染みこませ焼いたお菓子が始まりではないかと聞きました。
石巻を訪れた際は,この「ボストンパイ」を探して,お菓子屋さん巡りをしてみてください
次回は,富士製菓舗を紹介いたします
(toshi)