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雑記の宿<書防団>

2017-05-26 12:43:50 | 雑記の宿
<書防団>

世の中には 警察所 消防所というのは 地域にあったりなかったり
しかし 派出所は別として 青年団や消防団ってのはあったりするもので
町によっては 書防団ってのもあったりなかったり

「おい おらーこないだ書防団のあつまりがあってよ」

「書防団? なんだそりゃー」

「おめーしらねーのか? 馬鹿吉 なめーからして馬鹿だからなおめーには無縁のはなしだ」

「なんだよ?その書防団ってのはよー?」

「守秘義務ってのがあるから言えねー 馬鹿吉 義務教育ぐれーでてんだろ 俺たちと一緒に同じ中学を 本屋行って勉強しろ熟読しろよ 馬鹿吉」

書防団というのは 本屋さんが多い町にできた 消防団とちょっと似てる 団員でありまして 読書率ワーストワンだったので 町の方針で ふるさと活性読書率ナンバーワンの町政策で 町に本屋さんを沢山作りまして それと同時に書防団というのも結成して 町の本屋さんから本を守る 団体でありまして
本屋さんの悩みはといいますと 立ち読み ひどいときは万引き それが増えちゃったんじゃ 本屋さんの収入が上がらない 税金でやった本屋政策 お金が入らないと 税収も増えないということで 書防団で 本屋の立ち読みや万引きを防ごうと結成された 団体でして。

警察官や消防署員と違って 公務員じゃありませんから 書防団は町の住む誰もがなれるわけでありますが
本屋に来る 不埒ものを相手にするわけですから 健全な肉体と健全な精神の持ち主にお声が かかるものでして
それと町のイメージアップになるような 容姿もいい メンツが集まるわけで
馬鹿吉はといいますと 名前から馬鹿がつくほどで 中身も若者よりも劣る 読んで字のごとしの 男でありまして 書防団からのお誘いはなかったわけで
そんな 馬鹿吉の家では

「こないだは ありがとうございました お見合いうまくいきました これお礼です」

「あらあら あの方をいい方ですよ なんせ書防団に入ってるんですから そうだろ?馬鹿吉 おまえの同級生 書防団だろ?」

「ああ こないだ あったときそういうこと言ってた」

「息子さん?」

「そうなんです うちの息子馬鹿吉というんですー」

「あなたも書防団なの?」

「いいえ 書防団じゃないです」

「まだ お若いからねーオホホホ それじゃ どうも」 
  
「馬鹿吉 会社辞めやがって さっさと就職しておくれ 母ちゃん家にお金入れてくれよ」

「母ちゃん おいらにも お見合い話し わけてくれよ」

「自分で探しなー その前に家にお金よこしな 世間じゃ息子が親にお金入れて親孝行な子だって喜んでるらしいよ あんたはダメだねー 馬鹿吉」

「ここにある お見合い写真はね 今7回ダメになった あそこの息子さんのために 8回目のお見合いのために とってあるんだから うまくいけば 謝礼たんまりくるとこだから 馬鹿吉ダメだよお見合い写真盗んじゃ こないだも母ちゃんの財布から1000円盗んだでしょ?母ちゃんわかってるんだからね」

「だって 着る服がなくて おいら全然モテないから かっこいい服きないと こないだ期間限定で1000円でフリース売ってたんだもん」

「カラオケハーゲンの隣の店のかい?」

「そういえば 凄い発見した人が こないだそのフリース着てたね テレビで見たよ あんたも有名になってお嫁さんもらいなさい 母ちゃんそのときは応援して盛り上げるからさ」

とはいっても 馬鹿吉には縁談話しなど舞い込んできません
舞い込んできたのは お見合いパーティー参加応募落選のハガキ
しかも 馬鹿吉になりすまして誰かが応募したハガキで
何故かといいますと 馬鹿吉そのお見合いパーティーに応募する前に
電話で問い合わせたところ 初日の開始時間に電話したのにもかかわらず
すでに定員が埋まったとして口頭で断られていたので
馬鹿吉にとっちゃー 落選ハガキまでとどけりゃれちゃ 悔しいを通り越していました。

「ちくしょ くそこうなったら バイトしてる間に嫁みつける! 仕事しながら嫁見つける方法ないかな・・・・結婚紹介サービス 月に何人かあなたのお宅にお嫁さん候補を手紙で配達」

「手紙でくるの?お嫁さん?・・・・会費30万 え 30万 あなたの秘密は厳守します。30万かー 3年ぐらいバイトすれば それぐらいいいか 仕事に集中して あとは家に帰って嫁を決めればいいもんな」

てなわけで 馬鹿吉 仕事をしながら結婚サービス会社からお嫁さんを見つけることにしたわけですが まあ思うようにはみつかりません 申し込んでも申し込んでも断られる日々 お嫁さん候補が馬鹿吉には申し込んでくることは なかったわけで ああいうところでも 公務員さんとか書防団に入れてもらえるような イケメンが人気でして 馬鹿吉はその会社に30万のスポンサー契約を結んだぐらいでありました。

「ちッ また申し込んだけど ダメだったよ ここの雑誌の載ってある娘も おいらと条件があうひといねーな 年収なんてどうやって稼ぐんだよこれ 素朴そうな娘でも カッコ 書防団希望 バイト不可だって なんだよ頭くるなー」

馬鹿吉は自暴自棄になってまして 30万を支払い終えたら 結婚サービスも辞め その後は死のうと思ってまして

「もう ここに応募して 辞世の句じゃないけど なんだ 糸井さんみたく マザー? そんな感じのキャッチコピー載せて もう終わりだ こんちきしょー」

なわけで 結婚サービスの雑誌にキャッチコピーを書いて募集したところ
なんと 馬鹿吉にも お嫁さんがやってくることになりまして
結婚式なるもんを挙げたのですが どうも馬鹿吉には冷たい視線 祝儀があつまらない?
というのも その結婚サービス会社 秘密厳守となっておりますが 書防団のほうには 全部馬鹿吉の情報はあらかじめ筒抜けで
馬鹿吉は そうとは知らず 結婚サービスから嫁をもらったなど言わず
別の理由の嘘を 結婚式の席で話してまして 
それを聞いた あらかじめ知ってた書防団は どんじらけ

「なんだよウエディングドレス着て チューしねーのかよ」

「今時 ビニ本だって全部みせてるぞ」

「俺たちこないだ ビニールの袋詰めするときに タダで見せてもらったよな」

「結婚式でチュー見せねーってありえねー」

「カメラもビデオも用意してやったのによ」

「なんだよ 引き出物 木目の付いたお椀って」

「せめて 漆塗りだろ」

「今は カタログくばりゃーいいんじゃね?」

「俺たち 金払ってるのによ ふりー教会でよ クーラーも付いてねーんだから ッたく」

「扇風機五台 チュー無し 信じらんねー」

「うわ 汗くさ」

「今日仏滅だしよ 普通大安選ぶだろう」

「あいつ 漢字読めねーんだよ」

「いつも 漢字テスト0点だったし」

「カレンダーも見てねーんだろうな」

「あいつ 馴れ初めとか嘘ついてるし」

「あいつ そういう男だから」

「あーあ 知ってる知ってる 二次会とんずらするべ」

二次会のパーティーに だーれも 馬鹿吉を迎えにこようという親友もなく
馬鹿吉は 式の為に借りたレンタリースのワゴンカーに嫁を乗せて飲酒運転 二次会に行く途中に対向車にぶつかってしまい 
世間では レンタカーエース馬鹿吉心中という本となって 書防団員の印税収入となりました。

以上 <書防団>でした 

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