憧れのあの人と一緒に
温泉のある大きなホテルにいる
といっても私は
修学旅行のような
社員旅行のような
大規模な団体の一員で
あの人がそこから私を上手に誘い出して
温泉に入りに行こうとする
途中、何度か知り合いに出くわして
私とあの人は知らない同士のふりをしたり
有名なあの人のことがばれないように
ハラハラしたりを繰り返す
前からお互いに知っている同士だけど
何でも話せるほど近しくもなく
混浴に入るとわかって
私は妙に緊張して赤面する
体を隠すのに真っ赤なタオルしかなくて
でも心の底では
嬉しい気持ちが溢れそうになっている