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嫉妬 アニー・エルノー 早川書房

2005年06月13日 | ’05年読書日記
nasusabuさんのブログを拝見して、この本に興味を持ちました。

本の名前は「嫉妬」となっていますが、一冊の本の中に、「嫉妬」「事件」と、二つのお話が収められています。
嫉妬の方は、付き合っていた彼がもうひとり彼女を作ってしまい、その彼女の事を知りたくて知りたくてたまらなくなり、そのことに心を占拠されてしまったという内容です。
私は全然惚れっぽくない人間なので、こういう経験もない…のですが、ここまでひとつの物事に意識が集中して抜け出せないのは、やっぱりちょっとキツイだろうなぁ…。

「事件」の方は、産むつもりのない子供を妊娠してしまった女子学生が、「法を犯して」堕胎をするくだりがえがかれています。
(法を犯して…この頃のフランスでは、堕胎は禁止されていたようです)

堕胎が法で禁じられている為、誰にも大っぴらには頼れず、なんとか手術してくれる人を探す主人公。
結局失敗し、病院で処置を受けるのですが、ここでまた、「労働者階級への差別」が描かれています。
フランスでは、日本より階級意識が強いんでしょうか。
「階級意識」というものが、どうも好きではない私がもしフランスに住んでいたら…労働者階級に属していてもいなくても生活しづらいかもしれないな、などと思いました。







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