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読書 音楽 映画について

「しずかに流れるみどりの川」  ユベール・マンガレリ  白水社

2005年09月07日 | ’05年読書日記
以前、この作者の別の本、「おわりの雪」…というやつを読みましたが、それよりは明るさがあり、分かりやすくもありました。

工場を解雇され無職状態の父親と、大人になる一歩、二歩手前くらいの少年の二人暮し。
家庭の状況は、電気を止められるほど貧しく、普通ならやけっぱちになりそうな状態ではありますが、この親子、「バラをビンいっぱいに育てて、それを売ってお金を儲けよう」…とか、そのお金で草むらや入り江を買おう、(…と、これは少年自身夢の中だけの話だと分っているようですが)など、夢のような事を考えています。

結局、バラは…と、最後まで書くと話がばれちゃうのでいいませんが、最後まで光の見えない状況でも、二人は(特にお父さんは)現実からフワフワと漂い出て、ほんの少しの(見えない)希望を夢見ながら、最後まで重苦しくなりきらずにお話は終わります。
また、親子の、互いに対する「強い愛情」が所々に感じられ、それもまたこのお話に「暖かさ」を与える重要な役割を果たしていると思いました。

現実の厳しさの中にもどこかしら明るさがあり、ユーモラスでさえあります。
少年は、「草むらの中を歩きながら、あれこれ空想するのが好き」な、子供です。
苦しい、つらい現実の中にも、何らかの”救い”を自分の力で見つけられる才能のある人は、やはり「強い」のだと、そう思いました。




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今読んでる本ですよ

2005年09月03日 | ’05年読書日記
今読んでいるのは、

「しずかに流れるみどりの川」  ユベール・マンガレリ

…です!!

7月末に同じ作者の別の本の感想を書きましたが、先日図書館に行った時にこの本を見つけたので借りてみました。
前と同じ、主人公は少年で、(出てくる少年は別人ですのよ)やはり、貧困が背景にふらりふらりと見えます。


新学期が始まり、子供が学校へ行きだしましたが、何だか気を抜いているまもなくいろいろ用事があります…といっても昼間、自分のペースで済ませられるし、大丈夫かな?
たまに映画のビデオ借りてきたり、好きなバンドのDVD見たり、楽しい気分で過ごせるよう心がけたいです。

お話変わりますが、私、ものを探すのが苦手です。(苦手なものばっかりじゃねぇかよ、というお叱りの言葉が聞こえてきそうですが…^_^;)
あまり使わない銀行口座のキャッシュカードの再発行を、今までで2回ほど行ったことがあります。^_^;^_^;^_^;
だめなんですよね、子供の学校で使うものでも、「あ、あれはどこだっけ????」と探しているのになかなか見つからないと、イライライライラしてしまって、パンクしそうになるので、つい最近探し物してる時無意識に、井上陽水さんの「探し物はなんですか~♪」という歌を歌ってる自分を発見しました。(発見って・・・)
「まだまだ探す気ですか~それより僕と踊りませんか、夢の中へ夢の中へ行ってみたいと思いませんか~」
…というところで、「はいっ!!私も探し物なんかしてるより、踊りながら夢の中にでも逃げてたほうがいいですっ!!(T_T)」とか、真面目に思いました。
なんでこう、主婦って管理する”モノ”が多いんでしょう・・・そんな管理能力ありません、わたし。

・・・とか行って逃げてばかりもいられないので、少しずつ苦手克服、、、、、、ですね~。(ヤだけど)
この年になっても、向上させなきゃいけないところが山ほどある、ぼけぼけのわたくしです。




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「トリツカレ男」  いしいしんじ  BILLKEN BOOKS

2005年08月25日 | ’05年読書日記
少し前に、「つらい事を現実感たっぷりに書かれると重い感じがする」…てな事を書きましたが、このお話の作者は、少し悲しい要素の入ったお話を、半分ファンタジーのような童話のようなオブラートにくるんで聞かせてくれます。
…なので小心者の私にも読みやすく、すらすらと読み進められました。

ジュゼッペは、ある女の子にとりつかれてしまうのですが、それでは普通の恋物語じゃないかと思いましたが、ジュゼッペの、その女の子に対する”愛情”ははんぱじゃなく、さすがは”トリツカレ男”!!と思いました。

最後のほうに、「いざという時に度胸が据わるうんぬん…」という箇所がありましたが、そういう人ってカッコイイな、と思いました。
ふだん小心者&ボケッとしてても、いざという時に度胸の座った人間になりたいなー!






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今読んでる本

2005年08月23日 | ’05年読書日記
今読んでいるのは

「トリツカレオトコ  いしいしんじ」

…です!

大人向けの本だとは思いますが、半分童話のような、ファンタジーのようなお話です。


**********************************


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「Curtain」  谷村志穂  実業之日本社

2005年08月20日 | ’05年読書日記
前に少し書きましたが、これは短編集です。
どのお話も、「大人の女性」が主人公で、「左腕とキャッチボール」以外の話にはどれも、主人公の恋人や夫が出てきて、重要な役割を果たしています。

出てくる女性たち(…の一部)は、好きでもない男の人と寝たり、妻子持ちの人と付き合っていたりしますが、なぜかこう、読んでいてとても真面目な話だなという感じがし、…というかほとんど真面目過ぎて、ちょっとだけ窮屈な感じがしました。

なんでこう「真面目ー!!」な印象を自分が持っちゃったのかは、すみませんよくわからない…。なんでだろう??????

「現実感」が漂いまくっているからでしょうかねぇ…。
不倫してる方も世の中にいるだろうし、おなかの赤ちゃんを亡くしてる方も。
父親の愛情を知らずに育つ方もいらっしゃるだろうし、口の悪い母親に困ってる方も。
そういう「現実」を直接「ドカーン」と見せられたような感じがして少し気が重く、もうちょっとユーモアとか皮肉とかファンタジーとか、そのほかいろんなオブラートにくるんで見せてくれたら、少~し助かったかな、と、小心者の私は思いました。

でも私と違って「真面目」で小心者でない大人の女性にはいい小説かもしれません。





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「流しのしたの骨」 江國香織  マガジンハウス

2005年08月10日 | ’05年読書日記
この本は、ある6人家族の日常の様子などがえがかれた小説です。

家族構成は、父、母、女の子3人と一番下の弟の4人きょうだいです。
主人公は、3番目の女の子で、20歳ですが学校にも行っておらず就職もしていないという状況にいます。


全部読んでみて、不思議な小説だな、と思いました。
江國さんの本は以前、「ウエハースの椅子」というのを半分くらい読んでみて挫折した事があるのですが、これは最後まで興味深く読めました。

ストーリーの内容が、とか、主人公の性格が、とかではなく、この本を書いた「江國香織」という作家が、ただなんとなく気になったのです。

シルバニアファミリーというおもちゃの家があるのですが、(想像しにくい方はりかちゃんハウスのようなものを思い浮かべてください)そんなおもちゃの家に、それぞれ登場人物のお人形を置いて、それを作者が動かしながら遊んでいるような印象を受けました。

その理由は、①登場人物たちの感情が全くといっていいほどえがかれていない
      ②その代わりに、人間以外のモノの細部に奇妙にこだわってえがかれている
      ③主人公が、20歳なのにもかかわらず、行動や考え方が2,3歳の幼児のようだから。。。です。

①ですが、感情が見えない分、その人が実際したことや言ったことなどを記録するように(少し機械的に)表現されている…のですが、これは、わざとそういう風に書いたのか、或いは作者が素直にそのまま自分の感性で書いたのか、気になりました。

最後に、、、、こんな1文があったので、書いてみます。

”律は、ペットショップボーイズを聴きながら、未亡人フィギュアをつくっていた。人形はショートカットで、黒いレースの下着姿だ。”

英国二人組、こんなところにも、ご登場。。。



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「絶対泣かない」  山本文緒  角川文庫

2005年08月03日 | ’05年読書日記
感想を書こうかどうしようか迷っていたのですが、とりあえず書こうかと思って書きます。(?)

著者の方は直木賞を受賞したことのある方だそうです…といっても、私は直木賞ってそもそもなんなのかよく知らないので、、、、、え~、聞いたところによると、「大衆文学」に贈られるのが直木賞、「純文学」に贈られるのが芥川賞、だそうな。ふぅん。

本好きのくせに「大衆文学・純文学」のカテゴライズがどうなっているのか詳しくは知りません。
と言うか、カテゴリー自体よく知らない…。
さすがに、ホラー・サスペンス・時代小説…くらいは分りますが。
何となくですが、私が好んで読む本はだいたいが「純文学」…じゃないだろうか、・・・このくらいしか分りません。


この本は、短編集です。フラワー・デザイナー、体育教師、漫画家、専業主婦、看護婦・・・など、いろいろな職業を持った女性が主人公として出てきます。
失恋したり、お見合いしたり、母親と対立したり…という中で、女性たちが悩みながらもそれをやり過ごしていく様子がつらつらと語られていきます。

短編ですから仕方ないとは思うのですが、どうも内容とか女性たちの心理が「うわべ」だけすくい取られてかるーく話されているように感じられてしまい、う~む(-_-;)…これはこれでいいんでしょうが、何だか私にはもの足りませんでした。

でも読みやすいことは読みやすかったです。


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「おわりの雪」 ユベール・マンガレリ 白水社

2005年07月28日 | ’05年読書日記
前の記事で、「主人公が何歳なのか分らない」といっていましたが、全部読んでみて、どうやら10代半ば~後半くらいかな?と思いました。
また、「お父さんが寝たきりで…」などと書きましたが、どうやら老人だからではなく、病気だったからのようでした。

作品の中にハッキリと「病気で、…」などと説明がしてないので、最後まで読まないと把握できませんでした。

主人公が、トビという鳥が欲しくて少しずつ貯金するのですが、なかなか目標の金額まで行かず、残酷な”仕事”を、戸惑いながらも請け負います。
最初、なぜそんなにしてまでトビが欲しいのか、よくわかりませんでした。

最後のほうを読んで、病床の父親にその鳥を見せ、二人で楽しいひと時を過ごしたかったからだ、と分りました。

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「ハゴロモ」 よしもとばなな 新潮社

2005年07月25日 | ’05年読書日記
18歳から8年間、写真家の男性の愛人として生活していた主人公が、突然別れを切り出され、傷心のまま故郷に帰ってきます。
そこで、祖母が経営している喫茶店を手伝ったり、昔「きょうだいになる予定だった女性(親同士が再婚しそうなところまで行ったから、です)」と再び交流を始めたり、母親の介護をしながら無許可でラーメン店を営む男性と知り合うなど、様々な経験をします。

半分ファンタジーのような小説です。
今まで、愛人の彼と一緒でないとやりたい事もなく、行きたいところも見つからなかった彼女が、だんだんと自分を再構築していく様子が優しい感じで描かれています。

占い師…を職業とする人が、チラッとですが出てきます。
それほど占いが大好きなわけではありませんが、当たっている事を言われると、ドキッとするでしょうねぇ。

これは2003年出版の作品ですが、よしもとさん、名字の表記が漢字から平仮名になったんですねー。



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「心の休ませ方」  加藤諦三  PHP出版社

2005年07月20日 | ’05年読書日記
暑いですねぇ…。
頭がぼんやりします。
ちょっと前に読んだ本の感想でも書いてみます。(←暑くて気力がない)

高校生くらいの頃、心理学関係の本に興味があり、この人の本をよく読んでいました。
この本以外にも、一杯一杯著作があります。

この方の肩書きは、「早稲田大学教授」「日本精神衛生理事」「産業カウンセリング学会理事」
「ハーヴァード大学ライシャワー研究所準研究員」…だそうです。
特に医者とか、心理学者とかではないんですね。

幼い頃の環境と、脳の働きの個性によって、「幸せな人」と「不幸せな人」の違いが出る。
ありのままの自分をすべて受け止められて育ち、しかも非抑制型の脳を持つ人には、「自分を偽り周りに無理をして迎合し」、抑制型の脳を持って生まれた人の苦しみはなかなか理解できないということらしいです。
しかし、後者の人の苦悩は計り知れないほど深い、と。

高校生くらいの頃、「ありのままの自分」と言う言葉の意味がよくわかりませんでした。
(心理学関係の本によく出てくるのです、この言葉)


しかし、人間の心ほど深いものはない、と常々思っているのですが、それを日常的に(子育てによって)育てている自分は……責任重大すぎて、たまに逃げたくなったりなんかしたりして。^_^;
そういう時は、音楽、読書、ですね~。それで元気が出たら、また”人間育て”、ちゃんとしないと。^_^;


あ~暑い。(-_-;)西日本の方はもっと暑い(ハズ)。だからかき氷でも食べて我慢我慢。。。







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とけい

ぽいんとぼきん