先日、7月にオープンした新宿2つめのシネコン「新宿ピカデリー」に初めて行った。オープンを楽しみにしていたわりに、出足が遅かったのは、オープン時は夏休み映画のピークで、ポニョとかパンダとか妖怪とかばかりで、イマイチ好みの作品が上映されていなかったので。
先にオープンしていた「バルト9」には、やや脅威であったのか、ピカデリーオープン前後から急にメルマガが来るようになった。でも映画館の質は、バルト9の方がいいと思う。かかるプログラム(東宝と松竹系の違い?)、音響(これはピカデリーもわりといいけど)、座席の座り心地、動線(チケット売り場まではピカデリーのほうが早く着くので、スクリーン1で観る時にはその点は気にならない)など。ただ、バルト9にはレディースデーがないので、私がピカデリーに行った日には、水曜日だったので、終了時がほぼ終電というレイトショーにもかかわらず案の定女性客で溢れていた。
その上、チケットを買うと、有無を言わさずという感じで、メンバーカード(東宝系にもあるクレジット機能付のものではなく、ポイントカード)が配られ、6本観れば1本タダという気前の良さは、ピカデリーに行ってしまう十分なモチベーションになる。
いずれにせよ、新宿はこれで映画を観るには十分な街…と言いたいところだけど、万人向けでない作品や、良質な作品を紹介する単館と大型の複合館が混在する渋谷のほうが映画を観る街としては魅力的だと思う(シネコンはないけど)。一部には新宿にもそういう映画館はあるが、今後歌舞伎町近辺の映画館が変化を余儀なくされるときにさらに期待したい。ただ、場所柄、歌舞伎町は大人向けを狙った方が受けるような気がする。今もシネコンは落ち着かないからと、わざわざ歌舞伎町の古い映画館を選ぶ大人(男性)もいる。そういう意味では中年以上の男性から、映画文化をとり上げるのではなく、むしろもっと観に来てもらえるような企画が求められるのかもしれない。今、ハリウッドも日本映画も大人の男性には向いていない感じがする。ヨーロッパには時々良い映画があるけれど、それこそ単館しかやっていないケースが多いので、普段からアンテナを張っていないとなかなか映画館で観る機会に恵まれない。