ゾウさんと暮らす

85歳の 夫ゾウさんとの
二人暮らし。 わたし 82歳。  

白居易の 無念の思いが 伝わってくる

2024年06月01日 00時02分16秒 | ・歴史 ・歩く
いつか 書いた「簾を上げる」はなし。
原作…… 中国の エリート官僚 白居易
左遷されて のち
景勝地 の 香炉峰のふもとに 住まいを変える。
そのときに 詠んだ 詩句 第四句は
清少納言『枕草子』の「香炉峰の雪」で 知られている。

ある雪の日、中宮定子から
「少納言よ、香炉峰の雪いかならむ」と 
問われた清少納言は、この第四句をふまえて、
格子を上げさせ 簾を高く上げさせた という。
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話 戻る。
先に 現代語 訳。

太陽が高くのぼり、睡眠時間も十分なのに、まだ起きたくない。
小さな家にふとんを重ねて寝ているので、寒さの心配はない。
遺愛寺の鐘は、枕を高くしてじっと聴き
香炉峰の雪は、すだれを高く上げて眺める
ここ廬山は、世間一般の名声から逃れるためには相応しい地。
司馬という官職も老後を過ごすためには相応しい官職だ。
心も身も安らぐ場所こそが帰るべき場所。
どうして故郷は長安だけであろうか、いや故郷は長安だけではない。
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   中唐期の詩人 白居易の七言律詩。
香炉峰下、新たに 山居を卜ぼくし、
草堂初めて成り、偶たまたま東壁に題す
日高く眠り足りて 猶なお起くるにもの慵ものうし
小閣に衾しとねを重ねて 寒さを怕おそれず
遺い愛あい寺じの鐘は 枕を欹そばだてて聴き
香炉峰の雪は 簾を撥かかげて看みる
匡きょう蘆ろは便すなわち是これ名を逃のがるるの地
司馬は仍なお老いを送るの官為たり
心泰たすく身寧やすきは是れ帰きする処ところ
故郷 何ぞ独り長安にのみ在あらんや
       『中国古典詩聚花』

朝廷への越権行為により 左遷されて
隠遁生活のような日常を 詠じる。
 白居易の 無念の思いが しみじみと伝わってくる。
おわる。。。。

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