2000年度、第11回創作脚本コンクールで、創作脚本賞を受賞した作品です。
また、第13回京都府高等学校演劇大会(於:京都市呉竹文化センター、2000.11.12)において、塔南高等学校演劇部(中部支部代表)によって上演されました。
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「ほたる」 生徒創作〔京都市立塔南高等学校〕
《登場人物》 男3人 / 女7人
ほたる …妖怪研究部の部長(高校3年生)
いつみ …妖怪研究部員、ほたるの親友(高校3年生)
山崎 …妖怪研究部員(高校3年生)
アズサ …妖怪研究部員、山崎の彼女(高校3年生)
高村 …妖怪研究部員(高校1年生)
まどか …妖怪研究部員(高校1年生)
ますこ …高村家のお手伝いさん
さきこ …永遠の32歳
ユウキ …高村家の墓地に棲みついている少年の妖怪
ユキミ …高村家の墓地に棲みついている少女の妖怪
《物語》
「発音OK、滑舌OK、これでどんな妖怪もおちゃのこさいさいだ!これで、これで、今日こそ僕は…。
そうだ、ちょっとシミュレーションしてみよう。
肝試しの最中、『高ピー、私、こわーい』、ほたる先輩が僕の腕をつかむ。『大丈夫、僕がついていますよ』。で、ここで妖怪が出てくる!『出たな、妖怪!くらえ必殺、お経攻撃!』。妖怪、逃げる。『すっごーい!さすが、高ピー』『いやぁ、たいしたことありませんよ』『ううん、すっごくかっこよかった。その力で私のことも一生守ってくれる?』『僕なんかでよければ、喜んで』。なんちゃってなんちゃってなんちゃってー!」
舞台は、とあるお寺の墓場。
住職の息子の高村くんが、お経を読み上げ、ひとりで除霊の練習にひたっております。
今晩は、妖怪研究部恒例、夏の一大イベント、大肝試し大会。
墓場を抜け、丘の上の一本杉まで往復のルート。
ゴールの条件は、一本杉の近くの池で蛍をつかまえてくること?
いえいえ、実は、墓地で幽霊か妖怪に出会って、レポートを書くこと!!
幽霊なんて、妖怪なんて、本当にいるの?
そんな心配はご無用です。
ユウキ「小さなところで」
ユキミ「小さくうごめく」
二人 「この墓場の平和を乱すやつは僕(私)たち二人が許さない」
ユキミ「どんなときでも先手必勝!自転車運転2段!ユキミ!」
ユウキ「いつでもどこでも完全燃焼!まだ補助輪ははずせない!ユウキ!」
二人 「二人そろって、チャリンコ暴走族!」
なんて、ランドセル背負った少年少女の妖怪が現れたり。
さきこ「何ぼさっとしてんの?はい、ご一緒に。『恋は焦らず』。最近の子って、恋を焦りすぎる傾向があるからね。お姉さんはもう心配で仕方ないわ」
なんて、恋愛指南のおばさん…もとい、さきこさんが現れたり。
ますこ「う~い、酒はノンでも呑まれるなっと」
なんて、酔っ払いが現れたり。
…っと、違う違う、ますこさんは、まだ生きてました…!
夏の一夜。
とってもにぎやかな肝試し大会。
妖怪研究部の面々は、妖怪に会えるのか。
ほたるちゃんは京都の大学に行っちゃうのか。
喧嘩中の山崎くんとアズサちゃんは、仲直りできるのか。
高村くんとまどかちゃんの除霊の腕前は、どっちが上なのか。
いつみちゃんの「幽霊成仏計画」は成功するのか。
はたまた、さきこさんの正体は…?
「誰の力も借りず、自分の力で成仏すること」
「過去を振り切り、まっすぐ前を見て」
「未来に向かって、足を進めること」
「たとえ、その先に、何があっても」
それが、一番幸せな成仏の仕方だって、いうけれど…?
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『創作脚本集第2号』(2008年5月刊行)は、京都府高等学校演劇連盟が行っている「創作脚本コンクール」において、1998年度~2007年度に、創作脚本賞を受賞した14作品をおさめたものです。
この脚本集を読んでみたいとお考えの方には、実費(1000円+送料)にてお分けすることが可能です。
京都府高等学校演劇連盟事務局(久御山高校〈TEL 0774-43-9611〉演劇部顧問)
もしくは
京都府立東宇治高校〈TEL 0774-32-6390〉演劇部顧問
までご連絡ください。
また、京都府大会(2009年11月1日)および近畿大会(2009年11月21~23日)でも、呉竹文化センターのロビーに置いております。
ご希望の方は、受付等のスタッフにお声かけくださいませ。
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