遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

野村有志監督『さようなら』(2022年)

2023-12-09 20:38:24 | NETFLIX/Amazon/UNEXT/Apple TVで観た

映画『さようなら』予告編その1

2023/12/8

・淡路島の小さな工場で、現状をそこそこ受け入れている社員柴田が、現状に満足できない社員たちによる犯罪計画に振り回される話。

・見ていると、昔、自分が出稼ぎで工場勤務していたころを思い出してしまう。

・コミュニケーション能力の低いおじさんたちが集まっていて、それゆえにギスギスしていた。

・あの狭い社会で関係性が固定しているのはつらい。

・そんななか、多少不愉快な思いをしていても、なんとなく受け流せる柴田のような人間も実際いる。生々しい。

・不快な職場環境描写とは裏腹に、演劇としての会話劇の面白さをうまいこと映像に移植している。

・会話の良さを軸に、見ている人間の意識を先取りしていくようなシーンの繰り返しも心地いい。

・加えて映像なので各々の表情がくっきり見える。いぶかしげな柴田と、はにかむ末田が好き。

・ママが何を言われても全く動じない。鉄壁。どんだけの修羅場をくぐっているんだ。

・だからこそ、後半の変化も効いてくる。変化というか、メッキがはがれていく。

・変化はママだけではなく、みんなそれぞれ少しずつ変化していく。

・変わりたい末田もクライマックスに向けてしっかり変わる。いい方向かどうかはわからない。

・別に変わろうとしていない柴田も変わる。

・時計を受け取るところ、作中唯一の優しさが垣間見えてほっとする。

・社長の替り目は怖い。念入りに積み重ねられた前フリが効いている。

・夜の暗いシーンが多いけど、照明の妙で見えにくいことはない。むしろ、色味の付いた照明が登場人物に当たっているシーンは、輪郭部分が差し色のようになって美しい。

・まさかオパンポンダンスまで見られるとは思わなかった。

・監督兼柴田役の野村有志さんは、どちらかというと柴田より末田のほうに近いような感じがする。

・そうじゃなきゃ映画監督なんかできないと思う。

・最後のオチは関西人でもないのに「そんなわけあるかい」とツッコんでしまいそうになった。

・とても生々しい話ではあったけど、最後の最後でこれは映画なんだと我に返った。

(PrimVideo)


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