映画『さようなら』予告編その1
2023/12/8
・淡路島の小さな工場で、現状をそこそこ受け入れている社員柴田が、現状に満足できない社員たちによる犯罪計画に振り回される話。
・見ていると、昔、自分が出稼ぎで工場勤務していたころを思い出してしまう。
・コミュニケーション能力の低いおじさんたちが集まっていて、それゆえにギスギスしていた。
・あの狭い社会で関係性が固定しているのはつらい。
・そんななか、多少不愉快な思いをしていても、なんとなく受け流せる柴田のような人間も実際いる。生々しい。
・不快な職場環境描写とは裏腹に、演劇としての会話劇の面白さをうまいこと映像に移植している。
・会話の良さを軸に、見ている人間の意識を先取りしていくようなシーンの繰り返しも心地いい。
・加えて映像なので各々の表情がくっきり見える。いぶかしげな柴田と、はにかむ末田が好き。
・ママが何を言われても全く動じない。鉄壁。どんだけの修羅場をくぐっているんだ。
・だからこそ、後半の変化も効いてくる。変化というか、メッキがはがれていく。
・変化はママだけではなく、みんなそれぞれ少しずつ変化していく。
・変わりたい末田もクライマックスに向けてしっかり変わる。いい方向かどうかはわからない。
・別に変わろうとしていない柴田も変わる。
・時計を受け取るところ、作中唯一の優しさが垣間見えてほっとする。
・社長の替り目は怖い。念入りに積み重ねられた前フリが効いている。
・夜の暗いシーンが多いけど、照明の妙で見えにくいことはない。むしろ、色味の付いた照明が登場人物に当たっているシーンは、輪郭部分が差し色のようになって美しい。
・まさかオパンポンダンスまで見られるとは思わなかった。
・監督兼柴田役の野村有志さんは、どちらかというと柴田より末田のほうに近いような感じがする。
・そうじゃなきゃ映画監督なんかできないと思う。
・最後のオチは関西人でもないのに「そんなわけあるかい」とツッコんでしまいそうになった。
・とても生々しい話ではあったけど、最後の最後でこれは映画なんだと我に返った。
(PrimVideo)
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