観劇三昧:無名劇団『無名稿 機械』
2017/9/14
靴作りの工房で、人殺しが起きる話。
解決はしない。そこに至る構造を描いた話。
複雑な世界の在り方を単純化して構造を取り出すのに、演劇という方法は有効だと思う。
最初のうちは、手作りと機械製造だったり、個人の工房と大手メーカーだったり、わかりやすい人間と非人間的な事柄を対比させる。
そのうち、新入りに脅威を感じる先輩、順番に回ってくるいじめ、人殺しにしても人間関係のドロドロした部分にしても、人間らしいようで、最終的には人間も機械の部品の一部にすぎないという結論に至っていると思う。
機械がきしむ大きな音も、雑踏を行き交う人々のめまぐるしさも、どう考えてもライブで成立する作品で、パソコンのような小さな画面には向いていない。
顔もあんまり映っていないので、時々、誰が喋っているのかも見失う。
あえてそう思わせることで劇場に来てもらおうという作戦なのかもしれない。
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