松山櫨(はぜ)復活奮闘日記

失われてしまった松山櫨の景観を復活させようと奮闘していく日々の記録。

「ゐざりの唄」

2009-12-31 20:48:39 | 復活奮闘日記
はっ。今日は31日か。えええっ。信じられない。はぁ~~。

一日があっというまに過ぎていきますね。来年はどうなることやら。

さて、八女の杉山先生から電話で、

「ネットで埋木(うもれぎ)の句集「ゐざりの唄」が中古本で出てますよ。あれはいいよ。まあ私も一冊持ってますけどね。あれは読んでるとすごく心に響いてね、それに…。」

…というわけで、せっかく教えて頂いたこのチャンスを逃すべからず。早速注文しました。情報を教えていただいて感謝感謝です、杉山先生。

「ゐざりの唄」は馬場埋木の死後、甥の江崎傳が編纂したもので、「ゐざり」というのは足が不自由なことを意味します。

埋木は7才の時に病気で足が不自由になりました。頼みの父は既に4歳の時に亡くなっており、松延貫嵐直系という八女の名門の血を引きながら、幼い頃に一家離散の憂き目にあうという悲しい境遇の中で育ちます。

先祖伝来の土地を少しずつ売り払っては貧困の中で生き延びていく埋木ですが、俳句や歌、詩への情熱は並々ならぬものがあります。彼の七周忌には句碑も建てられました。彼こそ優れた文芸人だった貫嵐の血を受け継いでいたのでしょう。

埋木について詳しくはこちらをごらんください。

すっかり黄なびた本の初版は昭和21年5月発行です。こんな古い本、あんまし手に取ったことないなぁと恐る恐るページをめくって俳句を見ていくと、ふと目にとまった俳句がありました。

櫨の実の 薄黄に光り 寒の雨

ああ、さすが埋木。八女の風物詩であった櫨を見逃してはいません。思わずにんまりとしてしまいました。

櫨の実を黒いと思ってる人がいるけど、健康な櫨の実は薄黄色です。黒くなってるのは病気が入ってるせいですって。

ちぎられずにいたり、ツタの葉が木に巻き付いていたり、肥料が少なかったり…要するに関心もたれずに放っておかれると黒くなっちゃうんですよ。当時の八女は櫨生産が盛んでしたから、櫨の実のコンディションも最高だったに違いありません。もし今の人が櫨の実を詠んだら、きっと「黒」とか「薄茶」って詠んでしまうだろうなぁ。

むむ。この短い17文字の間に、八女の盛んな櫨生産の様子までも表れてるとは。

俳句おそるべし。

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