Elevenses Laboratory

爬虫類・蟲系ぺっとぶろぐ

次はグロッシーだ!いいツヤしてるじゃねえか…

2007-01-17 | ナミヘビ科
 北米から中米にかけての広大な範囲に、多くの亜種が分布する本種。
でも、その割に国内で飼っているって話はあんまり聞かないんだよなぁ…。
コレクション性も高いし、カワイイ顔してると思うんだけど…何でだろ。

 もしかして皆さん、コイツを地味ヘビだと思ってるんじゃあるまいか?
断じてそんな事ないですよ。コイツは絶対キレイなヘビ。
何せ、学名がそれを証明しちゃってます。



 というわけで、今日は久々に爬虫類。グロッシースネークを紹介します。







 購入時は「グローシースネーク」という名前だったが、グロッシーと呼んだ方が「グロスっぽい」という感じが出ている気がする。よって、このブログでは一貫して「グロッシースネーク」と呼んでいきたいと思う。

 このコモンネームの通り、このヘビの体表は艶やかな光沢を帯びている。頭部なんかは本当にグロスを塗ったようにツルツルだ。
艶やかなのは見た目だけではなく、触り心地も抜群。その感触は、虹ボアをも軽く凌駕する質感である。



 あ、ここで言う光沢っていうのは、虹ボアやアルバーティスのような虹色の光沢ではないので、その点は間違えないで頂きたい。ギラギラした七色の輝きなどは一切放ちませんよ。
あくまでこのヘビの持ち味は“ツルツル感”なのだ。




 更にご覧頂きたいのは、何と言ってもこの模様。黄味を帯びた濃淡の灰色が織り成す斑模様は、サラサナメラに似た不規則な入り方をする。色彩としては地味だが、この繊細な模様が体表の光沢と相俟って、大変上品な雰囲気を醸し出しているのだ。

 一方、腹部は真っ白で、模様は一切入らない。ここで特筆しておきたいのは、この腹部はただの白ではなく、ピュアホワイトとも言うべき完全無欠の白さを誇る事だ。
 例えるなら…そう、新品の便器の色だろうか。
我ながら変な例えだが、この純白っぷりといい、フッ素加工されてそうなツヤといい、まさに新品の便器のような気持ちのよい美しさをもった腹部なのである。

 この目の覚めるような腹部の白と背部の灰色の斑模様が、丁度良いコントラストとなっており、まるで生きた陶磁器のような芸術性すら感じさせてくれる。

グロッシースネークとはそんなヘビなのだ。




 褒めすぎかね?w





 因みにこのヘビ、学名をArizona elegans(アリゾナの優美)という。
もう…なんというか、たまらないよ!正直言って、この学名に惹かれたというのが購入理由の大半を占めていたりする。
人間なんてホモサピエンスなのに、コイツときたらアリゾナエレガンスですよ?なんかもう、人間より上等な気配すら漂っているではないか。

 とにかく、私にとっては「学名がカッコイイ」という点も生物の持つ立派な魅力の一つなのである。キールウミワタリなんかも欲しかったりする今日この頃。

 なに名前なんかに踊らされてるんだよ…とお思いの方々もいらっしゃるかもしれないが、名前の印象というのは結構大きな力を持っていると思う。
もし薔薇が“ヘクソカズラ”なんて名前だったら、きっと愛の告白に添えられる事は無いだろうし。






まるでサーキットコースのようなポーズを見せるアリゾナエレガンス様


 日本語でこのヘビを解説しているサイトが無いようなので、ここで簡単に生態説明をば。
所詮素人が調べた事なので、詳しい人がいましたらツッコミよろ!



 本種には8亜種が存在しており、その生息域は森林・水辺の藪・乾燥した砂漠や岩石地帯・牧草地など…実に様々である。
 彼らは夜行性で、昼間は地中に潜り眠っている。そして、日が沈むと地中から這い出し、小型哺乳類、鳥類、トカゲ、さらには他のヘビなど、あらゆる餌を捕食するのだ。
 この地中性傾向は飼育下でも変わらず、なにかと床材の下に潜りたがる。飼育する際には、ケージ内に潜りやすそうな床材を厚めに敷いておけば、器用に掘り進んで地中で落ち着くだろう。砂だのヤシガラだのはメンテが面倒くさくてイヤという方は、ぶっちゃけ新聞紙にシェルターのコンボでも飼えるので安心して頂きたい。

 成体のサイズは亜種にもよるが、大きいものになると1,5mを悠に超える個体もいるらしい。ただし、飼育下ではそれほど巨大化しないので、最大でもせいぜい1m前後と考えて問題無いだろう。実に飼いやすいサイズですな。
性格も大人しいので、飼育向きの良ヘビと言えると思う。オススメ!

 ペットとして扱う際に最も注意すべき点は、やや神経質な事だろうか。とはいっても、餌食いは比較的良いヘビなので、馴れている個体であれば拒食などで頭を悩ませる事はないだろう。一番の課題はハンドリングである。
このヘビは、人の手を極端に嫌う傾向にあるのだ。
 ちょっと持っただけでやめろぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!とばかりにのた打ち回るので、ケージから出すだけでも細心の配慮をしなければならない。誤って手を滑らせて床に落としたり、暴れた勢いでコキッとイってしまわないかと、私は毎度ヒヤヒヤしている。
 流石はアリゾナエレガンス様。下賎な人間めの不浄なる掌は、高貴なる朕の尊き御体を触るるに値せず…という訳だ。名前が上品なだけでなく、性格も気位が高いようである。




 以前から、ウチの個体はカリフォルニアグロッシースネーク(A. e. occidentalis)なんじゃないかなぁ…と漠然と思っていたのだが、目の間や後ろに入る黒線が薄い気もするので、もしかしたらデザートグロッシースネーク(A. e. eburnata)かもしれない。
しかし、それだと背中の斑紋の数や形が合わないので、現在はカンザスグロッシースネーク(A. e. elegans)だろうとの予想で落ち着いている。
これ以上詳しく同定を進めるには腹のウロコの数を数えるしかないのだが、この駄々っ子相手にそれをするのは気が引ける。
いつの日か完品に近い抜け殻が採取できたら、暇つぶしに数えてみようか…。




 なぜかカメラ目線の多いこのヘビ…。
好奇心が強く、カメラに興味津々な御様子である。

ああ…それにしても可愛い顔してやがるなオマエはッ!!




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