物欲大王

忘れないために。

デュマ・フェス著、西永良成訳「椿姫」

2010年02月13日 16時14分27秒 | 読書、書評
 何故「椿姫」?理由はバレエ。
妻が買ったDVD「マルグリットとアルマン」。
シルヴィ・ギエムがマルグリット(椿姫)、ニコラ・ル・リッシュが青年アルマンを演じた1幕物のバレエ。
リストのピアノソナタをバックに繰り広がる椿姫の世界が非常に美しかった。
その後、テレビで放映されたパリ・オペラ座の全幕バージョンでの音楽はショパンのピアノ・コンチェルト第2番。
椿姫ほどの名作をバレエにするときは音楽も大作曲家でないと釣り合わない様だ。
リスト・ショパン共にパリの社交界の煌きと恋の切なさが見事に融合している。

舞台はもちろん、音楽も美しいのであっという間にバレエ「椿姫」にハマってしまった。
ということで、原作を読もう。
とはいえ、生まれて初めての海外古典文学である。
田舎の乙女が王国の王子様に恋をしてしまうような敷居の高さ。
果たして読めるのか?俺に。
出版は1848年。日本だと江戸時代後期。
町娘が「あ~れ~」と言いながら○○されていた時代に書かれていたのだ。
そう思うとさらに敷居が高くなってしまった。

まずは読んでみよう。どうやら様々な出版社から出ているようだ。
妻によると「翻訳によって大分作品が変わる」らしい。なるほど。
ドストエフスキーの「罪と罰」を読破した妻である。さすがだ。

調べると光文社より「古典新訳文庫」なるシリーズがあり、
そこに「椿姫」がラインナップされている。
よし、これを買おう。表紙のデザインが良い。

で、読んでみたら読みやすかったし、面白かった。
当時の移動手段って馬なのね。馬車。
車の名前の由来は当時の馬車の名前から来てるのね。意外。
恋愛物語の基礎を築いた作品。つまらない訳がないってあたりまえか。
テレビが無かった時代。当時のフランス人は「ステキ♪」って読んでたんだろうなぁ。
遙かなる時を過ぎても色あせることのない名作。一度は読んでおきたい。

評価5★★★★★(5段階)

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2 コメント

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読書量にビックリ! (きっさこ)
2010-04-19 10:45:14
椿姫はオペラが最初の出会い。姪っ子にさそわれ7月に新国立のバレエを見に行くことになり、原作を読んでおこうと・・。
読みやすい翻訳でした。昨年から姪っ子+バレエの繋がりで
ドン・キホーテ、アンナ・カレーニナと、オペラの繋がりでムツェンスク郡のマクベス夫人、ヴォツェック、オテロ、マクベス、カルメン、修善寺物語と思わぬ読書遍歴してます。ついでにカラマーゾフの兄弟も。今は高校の時に挫折したチボー家の人々を読み始めました。あなたの父親の世代かな・・?西永良成検索してこのブログに会いました。本が好きなんですね~!
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Unknown (1)
2010-04-20 17:20:11
1
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