物欲大王

忘れないために。

新堂冬樹「黒い太陽」

2006年07月17日 17時44分06秒 | 読書、書評
黒い太陽

祥伝社

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 久しぶりに面白い小説に出会った。ページをめくる指が止まらず、一気に読んでしまった。
著者の新堂冬樹氏の作品を読むのは今回で2作目。
調べてみると著者は新興宗教、闇金融など社会の暗部をテーマにした作品が多いようだ。
さて、今回は「お父さんのパラダイス」キャバクラがテーマ。
本の帯にも似たような事が書いてあったが、キャバクラに通っている方、女性に幻想を抱いている方にはオススメしない作品である。読了後、必ずショックを受けるので……

 主人公は父親の入院費を稼ぐため、仕方がなく水商売の世界に飛び込んだ新人黒服 立花篤。
唯一の救いはナンバー1キャストの千鶴の存在。密かに想いを寄せている女性だ。
入店して間もない立花だが「風俗王」の異名をとる社長の藤堂に才能を見込まれ、水商売の英才教育を受ける。
始めは忌み嫌っていた夜の世界だが、ライバルの登場によりその魅力に取り憑かれていく。
出世し変わってゆく立花から離れていく千鶴の心。
彼女が藤堂の女だと知った時、立花の復讐が始まる。

とまあ、あらすじはこんな感じ。
復讐と言っても人は死なないので安心を。要は女の子の引き抜き合戦です。かなり壮絶ですが。
あまり風俗に行ったことが無い俺だが、この作品を読んでますます行きたくなくなった。

「客は金。オマエの事なんぞこれっぽっちも想っていない」と

理解していたつもりだが、現実を強制的に見せられた気がした。
女のバトルは幽霊よりも怖いが、先が気になる面白い小説であった。
評価★★★★★(5段階)



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