・本書が第一の目標とするのは、「話せるのに書けない!」を解消することだ。
・ガイダンス
・第1講 リズム 読みやすい文章に不可欠なリズムとは?
第2講 構成 文章はどう構成すればいいのか?
第3講 読者 読者を引きつける条件とは?
第4講 編集 編集するとはどういうことか?
・“書く技術“を身につけることは、そのまま”考える技術“を身につけることにつながるからである。
・“書く技術”が身につけば、ものの見方が変わる。物事の考え方が変わる。そしてきっと、世界を見る目も変わってくる。
・聞いた話を、誰かに話す。これは”翻訳“の第一歩だ。
・話すことによってなにが得られるか?
①再構築 言葉にするプロセスで話の内容を再構築する
②再発見 語り手の真意を「こういうことだったのか!」と再発見する
③再認識 自分がどこに反応し、なにを面白いと思ったのか再認識する
・文章とは「頭のなかの『ぐるぐる』を、伝わる言葉に“翻訳”したもの」である、という定義。
・文体とはリズムである。
リズムの悪い文章とは、端的に言えば「読みにくい文章」のことである。
文章のリズムは、「論理展開」によって決まるのである。
・論理破綻に気づくためのキーワードは「接続詞」だと、ぼくは思っている。
みんなもっと接続詞を使うべきだ。
・「視覚的リズム」
①句読点の打ち方
「1行にひとつ」
②改行のタイミング
最大5行あたりをメドに改行したほうがいいだろう。
③漢字とひらがなのバランス
漢字を多用した文章は第一印象が悪い。
ひらがなにはひらがなの圧迫感がある。
・読点を入れることで、文章を明確にして読者の理解を助けるのだ。
A 彼が、疲れた表情で電車を待つ彼女に声をかけた
B 彼が疲れた表情で、電車を待つ彼女に声をかけた
・音読する際のポイント
①読点「、」の位置を確認する
②言葉の重複を確認する
・文章にリズムを持たせるには、もうひとつシンプルな方法がある。
断定だ。言い切ってしまうことだ。
・どうすれば断定という刃を使うことができるのか?
やはり、論理なのだ。
断定するか所の前後を、しっかりとした論理で固めるしかないのである。
・文章には“文体”と呼ばれるものがある。
文体とは”リズム“である。
文章のリズムは”論理展開“によって決定づけられる。
・文章の専門家を自認する人ほど「起承転結などにとらわれるな!」と叱咤するものだ。
・カメラは、
①導入 客観のカメラ(遠景)
②本編 主観のカメラ(近景)
③結末 客観のカメラ(遠景)
①序論 客観のカメラ
②本論 主観のカメラ
③客観のカメラ
・予告編の基本3パターン
①インパクト優先型
あえて冒頭に読者が「おっ?」と興味を惹くような結論を待ってきて、そこからカメラをロングショットに切り替えるのだ。
②寸止め型
③Q&A型
・論理的な文章のマトリョーシカ
①大マトリョーシカ 主張 その文章を通じて訴えたい主張
②中マトリョーシカ 理由 主張を訴える理由
③小マトリョーシカ 理由を補強する客観的事実。
この3層構造が守られているのが、論理的文章なのだ。
・文章を書くとき、われわれは「結局なにが言いたいんだ?」という問いに
“ひと言”で答えられなければならなない。
・われわれは「お客さん」を、すなわち「読者」をイメージしながら文章を書いているのだろうか?
・われわれが本当の意味でその「椅子」に座れる読者は、世の中に2人しかいないとぼくは思っている。
①10年前の自分
②特定の“あの人”
・あらゆる人に開かれた”平易な文章“ほど難しいものはないのである。
・読者を巻き込む「起 “転” 承 結」
・しっかりとした”主張“には反論が出るのは当たり前だし、反論に応えることは、読者との有意義な”対話“なのである。
・どんな種類であれ、文中にツッコミが入り、そこに答えていくだけで読者の疑念は晴れていく。
文中にツッコミを入れていくことは、読者に対する「優しさ」のようでありながら、同時に文章の「強さ」を高める作業でもあるのだ。
①主張
②理由
③反論
④再反論
⑤事実
⑥結論
・自らが語ろうとする対象について、まだまだ理解が浅いから“小さなウソ”が出てしまうのだ。
・「文章には”自分の頭でわかったこと“以外は書いてはいけない」
・推敲 故事から生まれた言葉
「僧は推す月下の門」
「僧は敲く月下の門」
・推敲の本質は、赤ペン片手に文中の「推」を「敲」に改めていくことではない。ハサミを使った”編集“こそが、推敲の基本なのである。
・問題は「なにを書くか?」ではなく、「なにを書かないか?」なのだ。
・推敲するにあたって最大の禁句となるのが「もったいないあ」である。
・推敲とは、ある意味サンクコストとの戦いだ。
・少しでも長い文章を見つけたら、さっさとハサミを入れて短い文章に切り分けたほうがいい。
・なぜ文章を切り刻むのか?
①冗長さを避けてリズムをよくする
②意味を通りやすくする
③読者の不安を和らげる
・書く自分、読み返す自分、もう一度読み返す自分、と3人の自分によって文章をチェックしていくのだ。
・「いい文章」とは「読者の心を動かし、その行動までも動かすような文章」のことである。
・もう一度だけ言わせていただきたい。
書こう。
読むのもいいが、とにかく書こう。
自分はどんな人間なのか。自分はどこにいて、何を思い、なにを大切にしているのか。その思いを誰に伝えたいのか。書かないことには「ぐるぐる」は晴れない。書くことで答えを探していこう。
感想;
読者を意識して文章を作り、読者が読みやすい文章とする。
「もったいない」は禁句。
なるほどと思いました。
まずはどんどん書くことなのでしょう。
それと読書をすることで、書くことの参考になるようです。
読書もインプットだけでなく、アウトプットが必須だと言われています。
それがあって、情報が知識に変わっていくそうです。
製薬会社に研究職で採用されました。
ところが配属先は工場の検査部でした。(涙)
レポートを書いたら、
「話し言葉で書いている」
とアドバイスもらいました。
書く言葉は違うことを知りました。
その後本社の研修関係の職場に異動しました。
先生方への手紙など、書くことが増えました。
上司から、赤でいっぱい直され、
「文書がなっとらん」
と呆れられました。
そこで書くことを練習しなければと思い、
ちょうど社内論文を募集していましたので、書いて、見直し、修正し、見直しをして出しました。
社内論文には10論文ほどだし、そのうち6論文が何らかの賞をいただきました。
社長含む役員の前で最優秀賞や優秀賞の人は発表する機会もいただきました。
何度も入賞していたので、社長から「仕事をせずに社内論文ばっかり書いている」と講評もらいました。
その経験で学んだことはたくさん書くことでした。
それと書くためにはやはりたくさん読むことでした。
その職場は社長も含め役員室があるフロアーでした。
そのため、多くの経営に関する雑誌や医薬に関する業界雑誌が役員回覧後に棚に置かれていました。
金曜日残業し、人がほとんどいなくなってから、雑誌を紙袋に入れ、土日に読み、月曜日早く出社し雑誌を棚に戻しました。
1か月に1~2回やると月刊誌、週刊誌なども目を通すことができました。
研修関係の職場なので、本がたくさんありました。
その組織は欲しい本はほとんど購入できていました。(流石本社は違う)
研修でお世話になっている先生方の本もありました。
書棚にあった本を片っ端から読みました。
不思議です。それまでは薬業界の話をされてもちんぷんかんぷんでしたが、何とか付いて行けるようになりました。
「読む・書く・話す・聞く」は仕事でとても重要です。
たくさん経験し、失敗し、また経験することが上達の道なのでしょう。
自分には能力がないと嘆く時間があれば、本を読む、読んだ感想を書く、そして誰かに話す、そのとき相手の話も聞く。
能力がないのではなく、それに時間とお金をかけていないだけだと知りました。
そして人前で話すとか、何か書いて出すとかいう機会を与えられたときは、チャレンジすることなのでしょう。
今では、「読む・書く・話す・聞く」は苦手でなくなりました。
会社でのその経験はボランティアでも生かすことができました。
そしてボランティアで経験したことが、仕事にも役立ちました。