旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

メモ帳のすすめ

2013年05月23日 | 旅のノウハウ
 旅しているときに何かと役立つ持ち物として私が一押しでみなさんにお勧めなのはメモ帳です。メモ帳といっても会社の電話の近くに置いているような簡単にペリッとはずせてバラバラになってしまうようなものは書き残したものが散逸してしまう可能性が高いのであまり良くありませんが、小さなノートとか、リングメモが使いやすいかもしれません。

 旅の記録のところで紹介したように私はずっと測量野帳+ロディア11を愛用していたのですが、今年の4月からB7のカットオフノート1冊ですべてを纏めるようになりました。今までより少し小型化です。

 メモとかノートとかいったものは学校での嫌な思い出につながりやすくてどうしても自分がリラックスするときまで取り出したくない品物になりがちですが、旅の途中では何かと便利な存在です。

用途としては
感じたこと、考えたことなどを忘れないように書いておく。
お小遣い帳として金銭の出納管理に使用。
英語が通じない町では金額を書いてもらって料金交渉の際に使用。
屋台で指さして注文した料理の名前を教えてもらったらメモ帳に記録し自分用のメニュー帳を作成。
英語ができる相手を見つけた時に現地の言葉を少しずつ教えてもらって現地の言葉メモを作成。
日付と時間を絶対間違いたくない予約や約束を相手に伝える時にはメモ帳に書いて切り取って渡す。
旅先で知り合った人と住所やメールアドレスを交換するのに使用。
”俺の名前を日本語で書いてくれ”と頼まれたときに漢字の当て字で”腐烈怒”とか”魔逝”とか書いて渡す。
現地の子供に切り取ったメモ帳で折り紙を折ってプレゼント
暇つぶしに目についたものをスケッチ
後で思い出せなくなりそうな写真を撮った時、デジタルカメラのファイル番号をメモして、何を撮ったを書き残しておく
などなど、いろいろ使えるます。

 上記のように使ったメモ帳を残していれば、屋台で何度も発音を直されながら書いた料理の名前などを後で目にしたときに、その時のやり取りや、料理の味や香りなどまでよみがえってくる切っ掛けとなることもありますし、切り取ったページの痕跡を目にしてフレッドが”腐烈怒”と書いたメモを嬉しそうに受け取った時の事をもう一度かみしめる事が出来たりします。

 記録の意味合いだけでなくコミュニケーションの手段としてもとても有効な時があります。上にあげた”住所交換”などは当然ですが、たとえば屋台の料理の名前を教えてもらう時の事をイメージしてください。相手は英語も日本語もまったく解さないとなると、”料理の名前を教えてください”という事自体を伝えるのがかなり難しい事がわかると思います。料理を指さしても、”おかわりが欲しいのか?””不味いのか?””金額の確認か?”などなど相手には何通りもの解釈ができます。サッとメモとペンを取り出して料理を指させば”名前が知りたいのか?”と伝わりやすくなります。身振り手振りの一つとしてもメモとペンを取り出す事が有効な事があるわけです。

 料理の名前だけなら、デジカメで撮って後でインターネットで調べればよいかもしれませんが、知識や情報だけが旅の目的ではありません。その知識や情報を得るためにとった現地の人とのコミュニケーション、そのプロセスそのものが旅の真の楽しみの部分。そのためのツールとしてメモとペンは役に立ちます。

 メモやノートを使い慣れてくると、旅先での自分の感覚を鋭く保つことの役にも立ちます。例えば、街中でふと”黄色い花がたくさん咲いているな”と思ったらその旨メモ。メモをしていなければしばらくしたら忘れてしまうような”ふと感じた事”がメモで捕獲することでその後も何かの折に思い出せる出来事に変化して、”あの花、何という花なんだろう?”という風に興味が展開していくようになります。そうすると、次にその花を見かけたとき、写真にとっておこうという気にもなります。そして、何かの時に地元の人に写真を見せて花の名前を教えてもらうという風に行動できれば、”黄色い花がいっぱい咲いてる”という1文に関わって沢山の思い出を旅に付加できる事になります。

 そういう使い方をするためには、メモやペンはいつでも取り出せる所に携帯している事が理想的です。


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