旅のウンチク

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オカナガン湖のオゴポゴ

2015年08月26日 | 旅の風景
 カナダ、ブリティッシュコロンビア州の南部、太平洋とアルバータ州のちょうど中間くらいの場所にオカナガン湖という湖があります。日本からの旅行者はバンクーバー、カナディアンロッキー、ナイアガラの滝あたりに集中してしまってなかなか訪れる人も少ない場所ですが、現地では若者が夏休みを過ごすビーチリゾートとして夏は賑わう場所だとの事。

 ここに”オゴポゴ”という巨大生物が棲んでいるという話があります。スコットランド、ネス湖のネッシーや私たちの住む日本でも屈斜路湖のクッシーなど、湖に住む巨大生物の話は各地にありますが、その中でオゴポゴは実在の可能性が高い巨大生物なのだとか。オゴポゴという不思議な名前はカナダ先住民のつけた名前との事で昔から目撃されていた事を感じさせます。
 
 ある時、日本のテレビでオゴポゴは湖底から湧き出す温泉の影響を受けたチョウザメの卵から生まれた倍数体だという説明を試みた番組を目にしました。

 私はオカナガン湖へは行ったことがありませんが、今はもう終了してしまった"カナダ・オフロード・ファンライド"に同行した際にもう少し東側のクートニー湖やスロカーン湖は何度も訪れています。中でもクートニー湖は釣りで有名な場所らしく、湖畔のダイナーやパブに巨大なニジマスの写真(釣った人が抱きかかえる大きさじゃなくて、寄りかかる大きさ!!)が張られているのを何度か目にしたことがあります。

 クートニー湖畔での定宿の一つはAnthworth Hotspring Resortで天然の温泉が湖畔の洞窟の中から湧いているところに建ったホテルです。ホテルが建つ前、この温泉はカナダ先住民の聖地だったとか。

 私の頭の中では"巨大ニジマス"、"温泉"、"カナダ先住民"の実体験からオゴポゴは”いるに違いない”存在となりました。そしてもしかするとクートニー湖にだっているかもしれない。温泉という条件はそろっていますしクートニー湖は巨大な湖です。

 そんなある日、前述のカナダオフロードファンライドの同行でエインスワース温泉に泊まり、朝食をとっていました。ホテルのレストランはガラス張りでクートニー湖を見渡せます。お客様の一人は過去にソロでカナダをツーリングしたことがあり、オカナガン湖へ行ったことがあるとの事。話はもちろんオゴポゴの話題に。

 熱心に日本語で話している私達が何を話しているのか、ガイドのデイブは日本語ができるガイドのバリーに尋ねます。でも早口の日本語はわからない。私が"オカナガン湖のオゴポゴの話をしているんだけど、クートニー湖にはいないのか?"と尋ねるとバリーは即座に"クートニー湖にもオカナガン湖にもいないよ。"と言い放ち、デイブにも我々の話題を伝えました。デイブは"そんな子供じみた事信じてるのか?"と大笑い。

 バリーはケローナ(オカナガン湖畔の町)に住んでいた事があるそうで、"夏になると水着の若者はいっぱい居る。でもオゴポゴは居ない"と断言します。"あんなのは観光客を呼ぶために作った話だね。"と、自分たちも観光関連業者なのに冷たくも夢の無い返事です。

 私は"でも、観光客なんていなかった時代から先住民の人も言い伝えていた話でしょ?"と反論します。それに対してバリーは"そういうい伝えがあったという話も観光客を呼ぶために後で作ったね”と断言。

 何とも現実的過ぎて夢の無い現地情報でしたが、私はそれでも信じています。絶対、オゴポゴは実在するに違いありません。
 
 オカナガン湖、クートニー湖、スロカーン湖などの湖やそれを囲む山々からなるブリティッシュコロンビア州のバックカントリーはオゴポゴが居ても不思議じゃない、サスクワッチ(北米版雪男)が居ても不思議じゃない神秘的なエリアです。オゴポゴ探しは別としてもこの地域を巡るような企画を漠然と考えています。オゴポゴ好きの人はお楽しみに。


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