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隠れオタクな会社員の買い物や感じた事

.30カービン弾薬

2009-05-13 22:05:53 | Gun

.30carbine(カービン)弾薬は米軍が第二次世界大戦中にM1騎兵銃(M1カービン)と同時に採用した弾薬である。


この弾薬について切っても切れない関係にあるM1カービンについて軽く触れておこう。
1930年代後半、アメリカ陸軍では小型軽量の自動小銃を模索していた。
これは指揮官用の携行火器として主力小銃として採用したM1小銃(M1ガーランド)では
大きく重たすぎて指揮に不都合があり、
M1911A1自動拳銃(コルトガバメント)では護身用としては役に立っても戦闘用としては役に立たないからであった。
各種トライアルの結果、採用されたのがM1カービンであった。
結果、M1カービンは指揮官だけでなく直接戦闘の機会の少ない後方兵科や
他の装備の多い砲兵などに軽便な小銃として第二次世界大戦中に支給された。
空挺部隊にも折りたたみストックを装備したM1A1カービンが開発され、一部で支給された。

M1カービンはその後の朝鮮戦争でも使用され、
ヴェトナム戦争では小柄な南ヴェトナム軍将兵などに支給された。
また、戦後日本に創設された警察予備隊(現 自衛隊)にも支給された。


この弾薬の特徴は何と言ってもその形状にある。
通常、ライフル弾薬は装薬量を増やすために「ボトル・ネック」と呼ばれる
弾丸を嵌める先端がのみを細くして全体は太い形状をしているが、
この弾薬は画像を見ても分かるように全体がストレートな形状をしている。
これはまるで拳銃弾の薬莢を長く延長したような形状である。
そのため、「威力が弱い」というのが通説である。
これは同時に採用されていたM1ガーランド用の.30-06小銃弾と比較しての話であろうが、
.30-06は小銃用のひじょうに強力な弾薬であり、
数百メートル離れた遠距離で撃ち合うならともかく
戦場の一般的であろう距離、100~200メートル程度であれば
.30カービンでも十分な威力を発揮するはずである。

とはいえ、ライフル用弾薬としてはひじょうに低反動であることは確かで、
イスラエルIMI社は同弾薬を使用する自動拳銃、オートマグ?を開発した。

(写真は東京マルイ社製エアーガン)
ただ、エアーガンを持ってみた感想としてはやはり拳銃用としては弾薬が長く
グリップ幅が妙に前後に長いため恐ろしく握りにくい印象を受ける。
ちなみにエアーガンの弾倉にダミーカートを会わせたみたら弾倉の前後長が明らかに短い。
これはサイズを意図的に小さくしている可能性があるわけで
実銃はもっと前後幅があるのかもしれない。
同社のデザートイーグル同様
「チャレンジした努力は認めるが、何に使えばいいのか全く分からない」拳銃であるといえよう。

最後に弾薬の諸元を。
口径  7.62mm(.308インチ)
薬莢長 32.76mm
弾丸重量 7.1g(110グレイン)
初速 600m/s(2000ft/s)
初活力 1190J(880ft.lbs)
(出典:米国版ウィキペディア)

(画像の弾薬はダミーカートです)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ぼた)
2009-05-14 12:02:51
ほほうこれが・・・
ありがとうございます。勉強になりました。
確かに不思議な薬莢だなぁ・・・

そういや某ランドどうしようね。
返信する
Unknown (doorgunner)
2009-05-14 21:43:38
ライフル弾というイメージとは異なりますよね。
とはいえ一部の人には結構メジャーな存在だったりしますが・・・

某所に関してはまた後日連絡します。
今月は厳しいかな。
返信する

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