オー、捨てないと!

隠れオタクな会社員の買い物や感じた事

traser P6500

2009-06-03 19:12:50 | こだわりの一品

夜間の屋外などの暗所において時間を知るには
何らかの方法で時計の針を発光させる必要がある。
デジタルの時計ではELバックライトなどがあるが、
バックライトを点灯させるためにボタン操作が必要(=両手が必要)でやや面倒。
アナログの時計ではN夜光(ルミノーバ)などの蓄光がメインになるが
あくまで蓄光であり、次第に暗くなるのは避けられない。
腕時計が服の袖で隠れていると蓄光できず、肝心な時に役に立たないのも恨めしい。

そんなこんなで長いこと悩んだ末に夜光時計を買ってみた。

購入したのはトレーサー(traser)社のP6500。TYPE6とも呼ばれているモデルだ。
これは同社のもっとも基本的なモデル。


本体部分のアップ。
時計の短針と長針、周囲の各時間のところとベゼルの1ヶ所
合計15ヶ所にトリチウム蛍光管がつけられている。
これはスイスmb-microtec社が開発した発光システムで極小のガラスカプセルの内部に
放射性物質であるトリチウム・ガスを封入した物でTRASERシステムと呼ばれている。
このシステムの開発により、以前のように直接文字盤にトリチウムを塗布する必要がなくなり
ひじょうに低いレベルの放射線量で済むようになった。
以前の夜光時計はかなりの量の放射性物質が使われており、着用者の健康に害を及ぼす恐れがあった。
ちなみにP6500の発光はグリーンだが、12時のところのみ視認性を向上させるためオレンジの発光となっている。
これのブルー色発光モデルが同社の「コードブルー」だ。

ちなみにトリチウム発光でも世界各国により安全基準が異なり、
日本はもっとも厳しい基準が適用されていると言われる。
文字盤の「5」の文字の横に書かれた「T25」はこの時計がISOにおける夜光時計の規格
ISO 3157-1991に則って製造されていることを示している。
同規格における最大放射能がトリチウム使用で925MBq(25mCi)以下、ということである。
ちなみに文字盤の「H3」もトリチウム(=三重水素)を使用していることを示しているし、
放射能マークもこの時計が放射性物質を使った夜光であることを示している。
今では基準以下であればT25を含めて文字盤への表示は不要となっているようだ。
ちなみにこの925MBqという量はあくまで特殊時計(軍用時計、ダイバーズウォッチ)に適用される物で
一般的な腕時計であれば最大277MBq、
持ち運びしない時計(置時計など)においては370MBqが最大と規定されている。
(なお、これはトリチウム夜光の場合でプロメチウム夜光の場合は規定が異なる)

難しい話になったが特徴を見てみよう。
ムーブメントはクォーツのRonda515。
気になる精度は約1ヶ月の使用で5秒程度進んだ。
特に問題がない精度と言えるだろう。
ちゃんとハック機能を備えているので秒単位での時刻合わせも問題ない。
海外の時計は秒針の位置が文字盤とズレていることがままあるが、
この個体に関しては僅かにズレている程度で極端なズレはない。
ケースの材質はグラスファイバー配合のポリエステル。
一応30m防水となっているが、付いてきた日本語の説明書には
「シャワーやプールなどの流水では思わぬ水圧がかかる恐れがあるので・・・」
と色々と回避してある。
決して安い時計ではないのだが。
ベゼル素材はポリアミド。
逆回転防止になっているのでダイバーズウォッチよろしく経過時間表示にすればいいのに、と思ったが
これは海外に行った際に時間を合わせるためではないかと気付いた。
あまり使いやすいものだと思わないが・・・。
防水性能を高めたダイバーズウォッチであるP6502などでは経過時間表示となっている。

風防はミネラルクリスタルとなっている。
ケース直径は43mm。


ストラップを外したところ。
ストラップはNATOタイプのナイロン製のものがついてくる。
別売りのラバーのものに取替え可能。
裏蓋にはメーカー名などともに6桁のシリアルナンバーが入っている。
このネジ留めの裏蓋を見ればこの時計の防水性能とどの程度の物かが分かっていただけるだろう(笑)
当然リューズも押し込むだけで特別な防水処置など施されていない。

最後に入ってきた化粧箱。

単なる樹脂製(薄いPP?の板を折ってある)の箱だが結構凝ったものとなっている。
裏蓋にもあるMIL-W-46374Fはこの時計が米軍のMILスペックに則って作られていることを示している。
実際のところ、このスペックは使い捨て時計の基準らしいが・・・。
それでも規定どおりの耐水性、耐磁性、防錆性を備えていることに間違いはない。
ちなみについてきたオリジナルの説明書は英語、フランス語の他にオランダ語、ロシア語で書かれていた。
結構世界各地に輸出しているようだ。

全般的にみて3万円という定価は少々高い気がしないでもない。
以前持っていた人(失くしたらしい)曰く「安物に見られる事が多かった」とのこと。
とはいえ個人的にはひじょうに気に入った。
軽くて薄いのはジャマにならなくてかえって都合がいいし、
光を当てておかなくても常時発光しているのは便利だ。



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