リセットという選択肢！

　ゲームなどやっているとき、打つ手を間違えてしまったとき、リセットを押して最初からゲームをやり直すということはしばしばある。それに特別強く意識することもない。ゲームだけではない。家電、例えば洗濯機など買って、使ってみたらどうも洗濯時間が長く掛かったり、汚れ落ちが今一だったりすると、買い換えるということもある。何も最後まで我慢して使い続けることが良いことではないのは分かっている。

　昔、近所に住んでいた夫婦、それほど古い洗濯機でもなく、順調に動いているようなのに、消費電力が掛かる、省エネ型が出たからといって、買い替えた。それを聞いて、「何なんだろうね。買い換える分の金を考えたら、決して省マネーには繋がらないだろうに、変な夫婦だ。」とその当時思ったものだった。私も、古い人間で、「続けることを美徳とする。」傾向がある。だから、物持ちが良いと自分でも思っている。しかし、今考えてみると、私はただ変化することを好まなかっただけなのかも知れないし、新しい環境に溶け込むことが苦手なだけかも知れないと思う。

　話は少し飛ぶ。ドイツでは、離婚は珍しい現象ではないらしい。夫婦して働く家庭が増え、離婚しても、女性が普通に暮らしていけ、離婚がそれ程大きなハンディにならない。そうなったら、何も我慢して一緒に暮らしていく必要もないということなのだろう。こうした事情は何もドイツだけのことではない。他のヨーロッパでも、アメリカでもあるし、日本も、離婚率はどんどん上がってきている。

　夫婦喧嘩をしたとき、相手が嫌になったとき、他に魅力的と思う人が現れたとき、気持ちの行き違いが生じて、相手のことが分からなくなったとき、その他様々なときに、ゲームや買い物と同じように結婚生活もリセットという選択肢が選ばれるようになったということなのだろう。幸か不幸は私はリセットせずに来た。それが良かったのか、悪かったのか、そんなことは分からないが、もし、リセットしていたとしたら、いったいどんな生活になっていたのだろうか・・・・。互いにもっと楽しい人生があったのかも知れないと、夫婦喧嘩の後にふと思うこともある。でも、まあ、今更こんなこと考えてもね！そんな変化に耐えられる私ではなくなっているからね！今のままで善しとしよう！