最近テレビでゴミ屋敷の報道がなされると、肩身の狭い雰囲気になってくる。我が家はゴミ屋敷ではない、少なくとも、現在は。ただ、私の身の回り、机の上、テーブルの上等々、私の動く範囲にはゴミのようなものがあふれて山積みになっていく。それを見て、片付けて欲しいんだけど・・・・と妻は言う。これは今始まったことではない。単身赴任しているときも、時々妻がやってくる前に、「片付けておいてね!」と言ってきていた。一通り掃除して、私なりに片付けるのだが、妻と私では片付ける基準というものがかなり違っている。そして、うんざりした顔をして、「片付けて置いてっていったでしょ!」と不機嫌、全開になっていた。「こんなんじゃ、一緒に暮らせないよ!」の一言を言い置いて帰って行っていた。
ところが、妻の病気のために、急遽一緒に暮らすことになり、2人の間では、ゴミに関する問題は相当深刻になっている。そして、今もそれは続いているわけで、「ああならないようにしないとね。子どもたちも来なくなってしまうよ!」と妻は言ってくる。そう言われて、内心、「来たくなければ来なければ良いんだ。」と思うが、それを口には出せない。
妻は、自分がいなくなった後の心配をしているのだろう。いなくなる前に、何とかしなければという思いが強くあって、言っていることなのだろうと思う。しかし、人間なんてそう簡単に変われるわけじゃない。おまけに私の記憶障害は相当進行してきていて、元あった場所にしまうことが大変なのだ。まあ、背景には、整理の仕方は人それぞれ、何も自分の整理に仕方を押し付けることはないだろうという反発心がこみ上げてくる。そんなこんなで、衝突の種は尽きない。
しかし、妻がこの世にいられる時間は確実に縮まってきているのは、起居動作がうまくできなくなるなど、見て取れる状況にある。私も、そろそろ真剣に、妻の死と向き合って対応していかなくてはならないと思う。