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NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

福島原発作業員の肖像 27人のまなざし写真展

2012-08-11 07:53:05 | 原発・放射能
福島原発作業員の肖像 27人のまなざし写真展
http://www.yomiuri.co.jp/job/wlb/topics/20120804-OYT8T00537.htm
写真家・小原一真さん(26)が撮影した、
東京電力福島第一原子力発電所で働く
作業員27人のポートレート(肖像写真)など約60点を紹介する写真展
「Beyond Fukushima―福島の彼方(かなた)に」が、
京都市下京区四条室町南西角のギャラリー「リトルハウス」で開かれている。
12日まで。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
行ってきました。
福島原発の事故の復旧作業には
連日2~3000人の人々があたっていると言われています。
被ばく覚悟の過酷な作業現場、その多くが地元の人たちです。

原発事故によって周辺20キロ圏が避難区域となり、
その後飯舘村なども避難区域となり、
ふるさとやこれまでの暮らしを奪われてしまいました。
多くの人々が避難所を転々とし、仮設や借り上げ住宅に移って暮らしています。
自主的に避難をした人を含めると、
原発事故はおよそ16万人の国内避難民を生み出したのです。
(避難先は県内に10万人、県外に6万人と言われています。)

それぞれに状況や立場や事情は違っていても、
16万人の人たちが先の見えない避難生活を続けているのです。
加えて福島県のおよそ半分が放射線管理区域と同程度の汚染にあるのです。

事故の収束も、補償も賠償も、生活再建も、雇用も産業も、地域やふるさとの再生も、
除染の進捗も、環境や食物の汚染も、何もかもが先が見えないなかで、
被ばくに怯えながら、それでも生きていかなくちゃいけない、暮らしていかなくちゃいけない、
家族や大切な人を守っていきたい。

その当事者であり、暮らしを奪われ避難を強いられた
いちばんの被害者である浜通りの人々が、
原発事故の収束作業にあたっている。
直観的におかしい!と思います。なんとも言えない矛盾を感じます。

防護服を着て線量計を携帯する被ばく覚悟、命がけの仕事です。
その人々のおかげで先が見えないとはいえ事故の復旧作業が進んでいる。
あるいは東電から何次も下請けだったり請負の各地から来ている作業員の人たち。
外国人労働者の人もいると聞きます。

順調にいっても収束と復旧と廃炉にむけて、
私達は長い長い時間この事故と向き合っていくしかありません。
起こってしまったことと、向き合うしかない今回の原発事故。
対応の処方箋はなく、こたえのない長い道のりが続きます。

原発を推進してきた事故の責任者である東京電力も国も政府も福島県も、
本気でこの事故と向き合っているとは思えません。
責任を追及されたくない、収束したことにしたい、
事故を小さく見せたい、賠償も補償もなるべくしたくない、
被ばくの影響もなるべくないことにしてしまいたい、
見え見えです。
これだけの事故が起こって、続いていて、
人々が奪われたもの、被った被害、何も解決していないのに、
原発を再稼働をする人たちです。

人間を大事にする。
当事者の、住民の立場にたって、そのいのちを守り、生活を守る。
未曾有の事故が続いているなかで、
それが当たり前の原則として貫かれるよう訴えます。
そんな社会を築いていきたいです。
この国の一住民として、同じ人間として、
避難民となった人たちと、福島原発の現場にいる人たちと、
福島の人たちとつながりながら、
長い道のりをともに歩みたいです。
(さき)

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◆原発作業員の方の言葉
(小原一真さんの写真展の新聞記事で紹介されていたものです)

▼健康被害がないようにやっているのは、
東電と元請けの人間だけです。
末端の作業員は、へたすりゃ土日も出ろと言われる。
東電のためにやってるわけじゃない、って言い聞かせながら
毎日行ってますね。(43歳)

▼地元を何とかしたいっていう思いがあって
仕事を続けていますから。(39歳)

▼誰かがやらなくちゃいけない。
だったらその誰かになればいいんじゃないのって。(31歳)

▼俺が行って全部が終了するんだったら、
なんぼ線量くらったっていい。

▼家族を養っていかなくちゃいけないですよね。
現状では雇用は原発しかない。(46歳)

▼すぐにでも(原発で働くのを)辞めてもいいと思っているが、
皆、地元を何とかしたいって思いがあって仕事を続けている。(39歳)


写真集があります↓
http://resetbeyondfukushima.com/


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