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NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

「地図から消される街」を読んで

2018-07-30 07:17:26 | 会員さんの声
※ドネ会員ページから紹介します

地図から消される街 
3.11後の「言ってはいけない真実」

著:青木美希  講談社現代新書
読まれた方の感想です

◆地図から消される街

浪江町の中心街として、盆踊りや秋のイベントが賑やかに催されていた商店会。
2010年発行のゼンリン住宅地図を頼りに歩いてみる。一番賑やかだったというその通りは、2割が更地になり、壁が倒れたり看板の読み取れなくなった商店が7割。
たった7年しかたっていないのに、警察官ですら商店街の名前がわからないという。

避難者の住宅支援打ち切り、収入制限。大学生が学費のために働いたアルバイト収入さえ、支援の上限を超えたために打ち切られる。

子供の健康被害を心配して避難した先でのイジメ。
避難してきた子に「おごらせる」。避難者だとわかればいじめられるから、隠しておいて欲しくて「おごってしまう」子。
被害にあった子を「虚言癖」だとして、おごらせた側の子ども達を守り、イジメだと認めたくない学校関係者。

放射線量の上昇原因は不明とし、発表のたびに小さくなる線量データ。
公表されないコメの汚染。不正だらけの除染作業。
帰還ありきで住宅支援を打ち切り、避難解除の地域を広げる国の本意は東電を守ること。
全ては東電を守るためのシナリオ通りだと言う官僚。

事故当時、原発内で行方不明になっていた若い東電社員が二人いた。同じ時、行方不明の二人が職場放棄して郡山市内で飲んでいたというデマがインターネット上に流された。
3月30日、免震棟の地下で見つかった二人の死因は、多発性外傷による出血性ショック死だった。
上司の指示で作業に入ったのが自分だったら‥‥と、二人を知る同僚はやり切れなさを口にする。
自死、病死にかかわらず、残された家族の心の傷ははかりしれない。

そして誰も責任を取らない国。尊厳も何もあったもんじゃない。
私たちが選んできた日本という国の現実。
先に読んだ友人は「この国で暮らしていくのが嫌になるよ」と言って貸してくれた。
次に同じ目にあうのは自分達かもしれない。

目を伏せたくなるような現実ばかりだけれど、
無かったことにはしたくないと告発し、立ち上がる人や、官僚や研究者の中にも疑問を抱く誠意の人がいることに希望をつなげたい。


※会員ページでは
 こんな記事の紹介も。

※フリー記者 鈴木博喜さんの「民の声新聞」より
【自主避難者から住まいを奪うな】
支援策〝完全終了〟まで8カ月。
「避難者ゼロ」へまい進する福島県~
「復興の妨げ」と福島県議に暴言浴びた避難者の怒り

http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-265.html
2018年7月16日

(記事より)
▼「避難しているあなたたちが福島の復興を妨げているんだ」
 (自民党福島県議会議員)
▼あの日原発事故さえ無ければ、こんな苦しみは無かったはずなのに
▼いまだに原子力緊急事態宣言下であるにもかかわらず
 帰還ありきで、東京五輪を目前にして、
 とにかく福島からの避難者を帰還させようとしている
▼なぜ東京の電気をつくる原発が福島にあって、
 自分たちだけが7年もこんなに苦悩しなければならないのでしょうか
▼棄民ですよ、棄民。 歴史に残る棄民政策なんです
▼母子避難した末に自死した友人を救えなかった無念は忘れない


◆「Level7」
https://readyfor.jp/projects/17153
原発事故に取り組むジャーナリスト・ライター7人が
東京電力福島第一原発事故の検証に特化した
検証サイトを開設する運びとなりました。
「Level7」は、福島原発事故を過小評価する論評や主張を検証し、
原発事故の実態をできる限り事実に即して伝えるメディアです。
行政文書や統計データ、文献などをアーカイブするとともに、
これら複数の物証の分析などを通して、
既存のマスメディアでは報じられなくなった現状を報じ、
封じこめられている被災者や関係者の声が可視化されることを目指します。


レベル7の原発事故は終わっていません

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