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NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

襲撃続発、狙われるホームレス 行政の排除も進み孤立化

2010-05-16 10:14:54 | 情報・世の中の動き
※野宿者ネットワーク
生田武志さんのサイトから↓転載させていただきました。
http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/thesedays16.htm

■2010/5/11■ コメントした新聞記事から


◆ピンハネ防がれ、保護受給者を大阪市外に誘導
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100503-OYT1T00171.htm
(2010年5月3日 読売新聞)

これは、野宿者に声をかけて生活保護を取らせ、敷金・礼金や家賃を上限一杯に設定してボロもうけする「生活保護業者」について記事。この他、「弁当サービス」「病院・役所への送り迎え」などの名目でぼったくりしている業者が多発している。
こうした業者は7~8年前からある。2003年には、兵庫県西宮市のアパートに入れられた人がいた。一月間に1万2000円しか渡されなかったが、最近は全く金を渡されなくなったので逃げ出して日本橋でまた野宿している、その建物にはまだ一〇人ぐらいいるはずだ、と言っていた(その人は体調も悪く、釜ヶ崎であらためて生活保護を受けることになった)。

 あまりに問題なので、野宿者ネットワークのメンバーで西宮市の福祉事務所に話を聞きに行った。あらかじめ電話を入れて福祉事務所に行くと、二人の職員が待ち受けていた。その職員がぼくたちに言うには、「わたしどもは、確かに本人さんに生活保護費を渡している。そのあと、本人さんがその金を誰に渡そうと、わたしどもの関知するところではない」というお答えだった。

 もちろん、こちらは「それはおかしい」といろいろ話をしたが(「放っておいたら、おたくの市の福祉がどんどん食い物にされるぞ!」)、最後まで福祉事務所の答えは変わらなかった。(『ルポ 最底辺 不安定就労と野宿』でも書いた)。
こうした団体には、北海道から沖縄まで全国展開している組織もある。その一つでは、大阪の日本橋で野宿者に声をかけ、最初は福岡に連れて行き、最終的に那覇市のアパートに入居させた。大部屋で生活させ、小遣いは月に数千円という極悪な方法だったので、一人が必死にお金をためて大阪に逃げ帰ってきた(2007年)。

2009年からは、「年越し派遣村」以降、厚生労働省の指示で生活保護が受けやすくなり、一年で3割ほど野宿者が減った。釜ヶ崎の労働者・野宿者専門の福祉事務所である市立更生相談所(市更相)の統計では、2009年度だけで2000人が市更相で生活保護を受けている。他に区役所(西成区)で生活保護を受けた人もいるので、釜ヶ崎周辺では2009年度に3000人以上が生活保護でアパート暮らしになったと考えられる。こうしたわけで、生活保護を食いものにする業者が爆発的に増えているのだ。

こうした背景があるので、新聞記者にはいろいろ話して、〃「野宿者ネットワーク」(大阪市)の生田武志代表は「低所得者が振り回されている。業者は、ピンハネしやすい自治体を全国規模で探し回っており、自治体任せでなく、国が音頭をとって悪質業者の根絶に取り組むべきだ」としている。〃とまとめられている。
悪いヤツは頭がよく、しかも全国展開しているので、自治体任せだけではダメということです。


◆襲撃続発、狙われるホームレス 行政の排除も進み孤立化
http://www.asahi.com/national/update/0501/OSK201005010002.html
(2010年5月6日 朝日新聞 4月30日に関西版で出たのが初出)

この襲撃事件については直後に知り合いから報告があって、内容を聞いていた。
それによると、被害者は事故で足が少し不自由なのに、
地面に倒された後も、寄ってたかって顔面などを蹴られたという。
少年たちは「ホームレスはくせえ」などと言っていたという。
肋骨が骨折し、顔面も腫れ上がって眼も開かない状態だった。
記事にあるように、警察の対応が「突然襲う『ホームレス狩り』とは違う。
けがもそれほどひどくないことなどから、広報の必要はないと判断した」としていた。

この事件はたまたま新聞記者が事件にきづいて記事になったが、
警察が発表しないと、そもそも記事にならないことが多い。

「突然襲う『ホームレス狩り』とは違う」とあるが、
襲撃は突然の場合もあるけど、ちょっかいを出してやりとりがあった上で襲われることもある。
そこで何が「違う」と言うのだろうか。
たとえば、障がい者やこどもが同じような形で少年たちに襲撃され、
ケガを負えば大きな事件として報道されただろうと思う。
野宿者襲撃はほとんど報道されず、
野宿者が襲撃で殺されても2~3行で済まされることもあり、釈然としないことが多いです。

ここでは「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」や野宿問題の授業についてコメントしている。
記者の方は大阪市で多発した幼児虐待を同時に取材しており、
「虐待家庭には生活保護家庭が多く、貧困であった上、
近くの部屋の人も『こどもがいるなんて知らなかった』と、孤立しているところが多かった」と言っていた。
虐待と襲撃は、その理解を超えたような残虐性を含め、いろいろな面で共通していると思う。

あと、尼崎で起こった、中学生2人が野宿のテントにオイルをまいて放火し、
「殺人未遂」で逮捕された事件については各紙で大きく報道された。
ぼくも日本経済新聞でコメントを求められ、事件の背景や、「野宿問題の授業」を行なうと、
炊き出しや夜回りに来る生徒がいるなど、一定の意義があるということについて話している
(5月1日朝刊。ネットにはアップされてない)。
この件については、ぼくが共同代表をしている
「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」として取り組みを行なう予定でいる。


◆「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」 ↓↓
 http://class-homeless.sakura.ne.jp/index.html

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