魔法の手

※ドネ会員ページ（ＳＮＳ）より

◆魔法の手

新聞の見出しもＴＶやラジオの報道も、
経済優先、経済がうまくいけばすべてがうまくいく・・・、
と言ってるような感じで、・・。
生活も、福祉も、文化も、環境も、産業も、
教育も、地域も、家族も、つながりも、・・・。
まるで誰もがそう信じているかのような気になってきます。
経済・経済・・・・、
人々の生活や営みや全てが経済に置き換えられているようで、
そう思うたび、触るもの全てを金に変えてしまう
「魔法の手」という昔話が思い浮かびます。


「魔法の手」
昔あるところに、お金が大好きな王様がいました。
王様の蔵にはたくさんのお金が溜め込まれていますが、
もっともっとお金があったら
もっともっと幸せになれると思っていました。

王様の楽しみはお金を数えること。
この日もいつものようにお金を数えながら
「私のこの手で触れるもの全部が金になったらいいのになぁ」
とつぶやきました。

すると蔵の隅から一人の小人が現われて
「王様の願いをかなえてあげよう。
王様の触ったものはすべて金になるようしてあげよう」と、
王様に魔法をかけました。
王様は喜んで蔵の床を触りますと金の床に、
銅貨を触ると金貨に、・・、
王様は喜んでいろんなものに触れ
みんな金にしていきました。

壁もカーテンも花も・・みんな金になりました。
お腹の空いた王様は給仕に食事を持ってこさせます。
食べようとしてパンをつかむと
パンは金に、お肉も野菜もスープも果物も、
みんな金になって食べることができません。

困った王様は給仕に食べさせてもらおうと
給仕に触れると給仕も金に・・・。
驚いた王様の声を聴いて
王様にかけより抱きついた王様の息子も金に、
奥さんも娘も使用人も、
王様がふれただれもが金になってしまいました。

今や城にいるのは王様ひとりだけです。
王様はお城の外に逃げ出します。
王様の触るものすべて、木も草も土も花も、
みんな金になりあたりは輝いています。
のどが渇き小川の水を飲もうと小川に触れると
小川も金に変わってしまいました。
王様は驚き嘆き・・・、


それからどうなったのか、
お話の結末は覚えて無いのですが、
こういった内容だったと思います。

昔から人々はお話を通して
大切なことを教え伝えてきてくれています。
「魔法の手」もその一つだなと、
この王様のお話の続きを考えつつ・・・。


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