ポートランド日記

米オレゴン州ポートランドでの生活模様

ポートランドのおいしい水

2009年10月16日 | 地元事情
ポートランドの水道水の質は、世界的にも最高水準にある、と言われている(市水道局がそういって、積極的に宣伝している)。

で先日、その市の水道局が“飲料水質リポート2009”という報告書を、ポートランドの全世帯に送りつけてきた。

内容は、昨年の水道水に含まれる成分のパーセンテージや、市の水道水はどこからやってくるのか等の図解、きれいな水を守る水道局の活動など。

私はテッキリ、市内を流れるウィラメット川やワシントン州との州境を成す大河コロンビア川の水を浄水して配水しているのだと思っていたら、万年雪を頂くオレゴン最高峰のマウント・フッドの麓“Bull Run”という場所に貯水池からやってくることが判明(さすがにウィラメット川の水は飲みたくないなぁと思っていたので、一安心)。貯水池の周辺一体は完全部外者立ち入り禁止の聖域となっていて、ここから、地下パイプで市内数箇所の貯水池に振り分けられ、市民55万人分の水を配給している。

また、ポートランドの水道水は浄水(フィルター)措置が施されていない水ということが判明!水は塩素で消毒されてから、配水管(銅や鉛)の腐食を防ぐために水酸化ナトリウム等を投下して水質の安定化を図っているという。

水道水のpHは7.2~8.2で、ものすごい軟水。従って、お茶を入れてもすごく良く出ておいしい。ただ、その分ピュアすぎて、他の水(特に硬水)に入っているミネラル分(フッ素等)が欠けているため、子供たちの歯の手入れは怠らないようにしなければならないということ。(普通に水を飲んだりするだけでは、フッ素の恩恵にあずかれないため)

フィルターや加熱処理等されていないため、ポートランドの水道水にはいくつかの微生物が存在。現在は、連邦政府の基準を満たしているのだけれど、これをお金を掛けてフィルター処理化しよう、という動きが市行政府内にあるらしく、地元ビール会社等、現在の水を愛用して商業化している企業は、反対の動きを見せている。今のままで基準を満たしているなら、そんな設備投資、する必要ないと思うのだけど、ポートランドはここ10年で人口が急増すると見込まれているだけに、将来的な都市部拡大等による水質汚染を見越しての対策なのだろうか。

※写真は、ポートランドの“おいしい水道水”のアピールの一環で、河川敷の公園に置かれた蛇口たち。

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