ポートランド日記

米オレゴン州ポートランドでの生活模様

おめでとう13周年@パールベーカリー

2010年02月21日 | イベント
パール地区にお店を構える高級パン屋“パール・ベーカリー”が13年周年を迎え、様々なイベントを行った。

その一つ、2月10日(水)には工場見学が行われ、見学モノ大好き人間として、早速参加してみることに。

工場はお店と一体化していて、レジやショーケースのすぐ後ろ。15人ほどの参加者がみんな帽子を被って、いざ見学。お店のオーナーであるエリックさん自らが説明。

工場は四角く、それぞれ粉置き場→捏ね機→発酵場所→捏ね台→オーブン→カッターと、流れ作業が出来るように配置されている。粉はオーガニックにこだわり、捏ね機は全部で4台。パンは湿度と温度管理が命だけど、特に夏場は生地の温度が上がるため、冷却機を設置、それまでは、毎夏水の変わりに氷をたくさん混ぜて、適温まで調整するという苦労をしていたらしい。発酵場所では、各種生地がプツプツと膨らんでいる様が見られ、捏ね台では、バゲット系の形成と、ディニッシュ系のトッピング台にわかれている。なお、捏ね自体は機械だけれど、形成に関しては、全ての同社製品は手作業とのこと。オーブンは温度がムラなく伝わるよう、回転式。

最後はゴミ捨て場。オーナーは同社のエコ・システムの中枢と位置づけ、ここを参加者みんなに見てもらいたいとして、説明にも熱が入る。ごみは全て分別され、生ごみはコンポスト、または近所の花屋が(何に使用するのかはナゾらしいけど)引き取りに来る。電力は環境に優しい風力発電の会社から供給を受け(!)、パンを入れる袋はリサイクル紙に水性インクというこだわり。

ちなみに、最初に出勤する従業員は午前1時にやってきて、パンの仕込をするそう。従業員の多くは近隣の料理学校の卒業生が多く、時にはお隣のワシントン州等へ出向いてヘッド・ハンティングすることも。また、2000年前後に、何かの料理大会でポートランドを訪れていたジュリア・チャイルド(映画ジュリー&ジュリアで再度脚光を浴びている米人フランス料理研究家)がこのベーカリーを訪れたエピソードを披露。

最後に、出来立てのチョコレート・クッキーが配られ、約1時間のツアーは終了。確かにここのパンはスーパーで買うのとは全く違うけれど、最近はあちこちにおいしいパン屋さんが出来ていて、パンそのものの味や焼き加減など、他をひいきしたくなるお店がチラホラ。エリックさんは出来た製品を全てチェックして、食べられないほど硬いバゲットや、層がきちんと出ていないクロワッサンは作り直させている、と言っていたけれど、特にかつてのヘッド・ベーカー(主席職人)が昨年末自分のお店をオープンさせたのは、同社にとっては痛手だったんじゃないかな、と思ったりする。




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