pride and vainglory -澪標のpostmortem(ブリッジ用語です)-

初歩の文書分析と論理学モドキ(メモ)

「交雑する人類」⑤Coda❷Polygenic score(承前)

2018-10-16 17:27:45 | サイエンス囲炉裏端談義
 百歩譲れば、サンプル限定での記述統計子として一般的なコホート分析に使用することも可能だと思います。但しこの統計子に基づく一般母集団についてのInferenceは不能です。

 事実、
 疑似科学(フォースのダークサイド)に落ちるのは、このような統計子を用いて一般化したInferenceを行う事。まして知能などと言う、面倒至極なものに、Polygenic scoreを用いようとするのは、更なる深みへと突き進むものだと思います。
 BITCH(Black Intelligence Test of Cultural Homogeneity)の歴史を知っていればすぐにでもわかる事。
 https://en.wikipedia.org/wiki/Black_Intelligence_Test_of_Cultural_Homogeneity

 前にご紹介した
❶GWAS of 126,559 Individuals Identifies Genetic Variants Associated with Educational Attainment

 本文中では母集団推定と取られる表現は回避していますが、タイトルで分かるように実質母集団推定を行っているのと同様です
 その際に、メタアナリシスの為の尺度構成、Inferenceの為の対象コホート数・対象被験者数限局と、トリッキーな作業を行っています。まず答えを出すことありきの論文だと私は思います。
 

❷Selection against variants in the genome associated with educational attainment
 http://www.pnas.org/content/114/5/E727#sec-3
 こちらの著者達は上記BITCHが示した課題や、❶論文が持つ問題を十分認識した上で、慎重にサンプルを選んでいます。しかし、その結果とても大きなバイアスを呼び込む結果となっていると思います。(アイスランド人集団のゲノム対象)、それにこの論文も従属変数は順序尺度でしかありません。とても一般化は不可能でしょう。にもかかわらずこのタイトル。だから疫学者の統計は・・・
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