いちご畑よ永遠に(旧アメーバブログ)

アメーバブログ「いちご畑よ永遠に(旧ヤフーブログ)」は2023年7月に全件削除されましたが一部復活

新潟県佐渡市  司馬遼太郎が訪ねた熱串彦神社  尖閣湾・揚島遊園

2024年03月05日 13時12分48秒 | 新潟県

尖閣湾・揚島(あげしま)遊園。新潟県佐渡市北狄。

2023年10月2日(月)。

史跡・佐渡金山から西海岸沿いに北上して15時30分過ぎに駐車場に着いた。

佐渡屈指の景勝地「尖閣湾」は姫津から北狄まで約3kmの外海府海岸に広がる5つの小湾の総称である。天下の絶景と賞され北欧フィヨルドの景観に似ていることから『尖閣湾』と命名され、国の名勝、国定公園、海中公園、日本渚百選に選定されている。30m級の尖塔状の断崖が連なる景観が訪れる人々を圧倒し、揚島遊園の展望台からは全景が一望できる。

尖閣湾と名付けられたのは1932(昭和7)年。文部省天然記念物調査委員の理学博士・脇水鉄五郎氏が調査した際、北欧ノルウェーの「ハンダンゲル・フィヨルド峡湾」に似ていることからきている。

揚島遊園には、近海の魚が泳ぐ水族館や資料館も併設している。1953(昭和28)年、菊田一夫原作の松竹映画『君の名は』のロケ地としても有名である。

佐渡大﨑灯台。

揚島へつながる橋の名は「遊仙橋」だが、映画の吊り橋のシーンに出演したヒロイン「氏家真知子」にちなみ、「まちこ橋」とも呼ばれている。

まちこ橋を海に向かって渡ると、「あげしま展望台」がある。見晴らしが良く、雄大な尖閣湾の絶景がパノラマで楽しめる。

佐渡名物「たらい舟」体験。

水族館の前に、小さいプールの中に「たらい舟(直径2.5m)」があったので、乗ってみた。

16時15分頃に見学を終え、両津港へ向かい長江熱串彦神社を目指した。

長江・熱串彦(あつくしひこ)神社。佐渡市長江。

両津港へ向かう国道350号線から西側の長江集落に直接行くアクセスが不明確だったので、北東から回り込むと、17時ころ1976年の司馬遼太郎「街道をゆく」取材時と同じく、熱串彦神社北側(裏側)の道路に来た。記述と同じように、道路沿いの寺と民家の間の藪の中の道を下ると行けそうだが、暗くて不安になり民家に尋ねると、女性が出てきて、その道が神社への道で児童通学路にもなっていると教えてくれた。

長江・熱串彦神社。

加茂郡衙跡と考えられている古社。阿都久志比古神社。祭神は阿都久志比古命(あつくしひこのみこと)。平安時代前期、貞観年間(859‐877年)の創建と伝え、「延喜式」にも記載がある佐渡国「式内社」九社の一つ。移転を経て、現存の社は正徳4年(1714年)の建立と伝わる。加茂氏の祖神を主祭神とし、金北山に鎮座していた金山彦命も配祀されている。

境内を北東の国道側へ抜けると、長江川の南側の広い水田地帯に建つ狛犬が印象的である。

北西側を振り返ると、霊峰金北山を背景に格式高い古社熱串彦神社の社叢がある。

表側から入り直す。

拝殿裏の本殿。

長江熱串彦神社能舞台。

境内に能舞台がある。能舞台は神社境内の西側に、舞台脇正面を社殿に向けて配されている。

舞台は本舞台と後座からなり、社殿と向かい合うように位置し北東を正面とする。

この舞台は入母屋造妻入の茅葺で、軒は一軒平行疎垂木、妻面には狐格子に蔐懸魚が付き、間口幅5.52m、奥行5.51mの本舞台と奥行1.87mの後座からなる。舞台西側には奥行1.54m程の橋掛りが延びており、鏡の間につながっている。鏡の間は桁行7.58m、梁間4.72m、部屋の中央近くには囲炉裏が設けてある。橋掛りは瓦葺、鏡の間は切妻造平入桟瓦葺である。地謡座はなく、切戸口も設けられていない。

天井は後座まで一体に小屋組を見せているが、後座になるところで水引虹梁が架けられ、本舞台との空間的な分節がなされている。また、舞台西側には橋掛りが延び、鏡の間と繋がる。

舞台の構造は上屋部分と下屋まわりに明確に分かれ、その関係が四周に構築され、構造手法としての完成度が高い。上屋小壁の板には和釘が使用されていることから、建築年代は明治初期以前と推定される。集落では安永年間(1764〜1780)頃の創建とも伝わる。

確認される演能回数は多くないものの、佐渡では数少ない近代以前の能舞台建築と推測され、舞台脇正面を社殿に向けた配置、仮設の地謡座など佐渡の能舞台の様式を有することから、民俗文化財として貴重である。

17時30分頃に見学を終え、JAのガソリンスタンドへ寄ってからレンタカーを両津港近くの営業所へ返す頃には、暗くなっていた。19時30分発・22時新潟港着のフェリーの乗客は少なかった。

フェリーターミナル直結の朱鷺メッセ駐車場で割引駐車料金800円を支払って、道の駅「新潟ふるさと村」へ向かった。

新潟県佐渡市 史跡・佐渡金山 道遊の割戸