日本の10年物国債利回りが2008年以来の最高水準に──リスク資産にとって不吉な兆候か
2025年8月20日 CoinDesk JAPAN Omkar Godbole
日本の10年国債利回りは2008年以来の高水準に達し、財政政策への懸念が高まっている。
日本国債のボラティリティは世界市場に波及し、ビットコインを含むリスク資産の不安定化につながる可能性がある。
8月19日、自民党の河野太郎衆議院議員は、円安と財政問題に対処するため、日銀による利上げを提唱した。
日本の10年物国債の利回りが17年ぶりの高水準に上昇した。これは、他の先進国の債券市場に波及し、暗号資産(仮想通貨)や株式といったリスク資産への需要を減退させる懸念がある。
利回りは1.61%を超え、2008年以来の高水準となった。これは、8月19日に行われた20年物国債入札の不振を受けてのことで、政府支出の増加と減税に対する投資家の懸念を示唆している。
TradingViewのデータによると、長期国債の利回りは先月と同じく高水準に上昇し、20年物国債は2.64%、30年物国債は3.19%に達した。
こうした上昇は容易に米国債にも波及し、金融環境の引き締めにつながる可能性がある。長年にわたり、日本銀行の超金融緩和政策により利回りは低迷していた。この政策は、特に先進国において、世界的に利回りを抑制していた。
ベテラン議員が日銀に利上げを要求
与党自民党の河野太郎衆議院議員は18日、ロイターに対し、インフレを誘発する円安を是正するため、日本は利上げと財政の不備に対処するべきだと述べた。
日銀は昨年、10年にわたる大規模な景気刺激策を終了し、1月に短期金利を0.5%に引き上げた。その後、金利は据え置かれている。
河野氏の発言は、スコット・ベッセント(Scott Bessent)財務長官が、日銀に対して利上げと円安の下限設定を求めたことに続くものだ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN |編集:井上俊彦 |画像:Shutterstock
|原文:Japan’s 10-year Bond Yield Hits Highest Since 2008 in Potential Ill Omen for Risk Assets
Omkar Godbole Omkar Godbole is a Co-Managing Editor on CoinDesk's Markets team based in Mumbai. Omkar previously worked at FXStreet and Mumbai-based brokerage house as FX analyst and holds a masters degree in Finance.
金子勝@masaru_kaneko
【長期金利ジワジワ上昇】この間、長期金利が上がってきたが、1.6%を上回った。概算要求で国の予算膨張は止まらず、日本国債の引き受け手は日銀以外におわず、その一方で円安インフレがとまらず、ベッセントにまで口出しをされ、日銀の利上げ圧力が徐々にかかっている。
藤巻健史@fujimaki_takesi
10年近く前から、私は、逆説的だが、日本は景気が良くなったらお終いといってきた。今朝発表の実質GD Pが高かったということでいよいよ、その予想に近づいてきた。景気がよければ物価高は加速する。株などの資産価格が上昇すれば資産効果(株や不動産を持っている人が金持ちになったつもりで消費を増やす。それを見て株価がさらに上がる)で景気は過熱していく。
長期金利がさらに上がれば日銀保有国債の評価損は莫大なものになる。0.5%の政策金利をこれ以上上げると日銀の損の垂れ流しがはじまる。したがって日銀は金利は上げられない。一かバチであげてもあと0.25%だろう。物価がどんどん上昇していくのに、日銀は動けない。なぜだの声が世界中からわきあがり日銀の惨状が世界に知れ渡り日銀と円の信用が地に落ちる。
何度も言うが、私はバリバリの「小さな政府&低い税金」論者だ。しかしながら、ここまで莫大な借金が溜まってしまうと減税先行は無理である。借金は返さなければならないからだ。減税を先行すれば市場の大反乱が起こり、その場で日銀と円は終わってしまう。従ってハイパーインフレと言う目に見えない大増税(=国民の富が実質的に政府に移管)と言う形でこの借金を解消ていくとになるのだろうと予想している。
これは放漫財政と異次元緩和と言う財政ファイナンスを行ってきたツケである。
Xデイが来た後には新しい日本を作らなければならないが、その際は財務内容の健全な新しい中央銀行を作り、新しい通貨を発行しなければならないのはもちろんである。それ以上重要な事は憲法に財政均衡を謳い、小さな政府&低い税金の真の資本主義国家を作ることである。
何度も書くが一橋大学元学長で財政学者の石先生の言葉を思い出す。数年前に財政危機に警告を鳴らされていた矢野元財務次官が尊敬されていた先生だ。日本では、ばらまかない政治家は落選するが、ドイツではばらまく政治家は落選する。無駄なばらまきはインフレを加速させることを国民がわかっているからね。それが日本とドイツの大きな違いであると、お亡くなりなる直前におっしゃっていた言葉が印象的である。
「無責任な減税は危機招く」
本日の日経新聞・米ピーターソン国際経済研究所長 アダム・ポーゼン氏のインタビュー記事。日本のことは何も知らない、興味がない著名な欧米経済学者より、長年、日本を見てきた氏の警告には耳を貸すべきだろう。現状分析は全く私と同じだ。
インタビュー記事曰く「(日本の財政を)非常に気にしている。(略)日本の租税負担は比較的軽いため、増税の余地があるとも信じられていた」「特に永続的に消費税を減税した場合、市場や投資家は非常に悪い印象を持つ。(債務残高などの)数字はこの5年で恐ろしい状況になっており、わずかな税収減や金利上昇が財政に大きな影響を生む」「そうした国の財政危機は(2022年の英国のような)金利の急上昇や為替相場の急落によって生じ、経済に大きな影響を及ぼす。政治の統治能力の弱体化に伴う無責任な財政政策は危機のトリガーになる」
氏が指摘するように「日本の財政状況が悪化しているにもかかわらず外国からの日本売りの仕掛けが入らなかった」のは、(異次元緩和前は)「日本の消費税は世界的にかなり低く、大胆な引き上げ余地がある」だった。
世界では、この主張が圧倒的で、私が「日本の政治では大胆な消費増税は難しい」と外国人に説いても主流派見解を変えられなかった。その結果は、市場の反乱は起こらずに済んだが、膿が大きくなり、財政規律の徹底的な悪化となったのだ。それが、今や、何と消費税減税議論である。もはや救いはない。
尚、氏は今後取るべき経済政策はとの質問に対して、いろいろなことを述べているが、そのような政策がワークしたのは10年前までの話、だ。今はもうハイパーインフレ税という目に見えない大増税しかないし、その道を一直線に進んでいる。ハイパーインフレは国民の財産の国への実質的な富の移行であり、究極の財政再建にはなるが、中央銀行のとっかえが必要(=円が法定通貨で無くなり単なる紙屑になる)になることの国民生活の地獄は想像だにできない。
ドルを買って個人的に備えることが一丁目一番地である。