木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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ヒックの法則

2009年02月03日 | 人間工学と認知科学(コツツボ)
<工作機械の操作盤>


◆ヒックの法則
287:【デザインのコツ・デザインのツボ 100連発!】第87発 デザインワーク


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ヒックの法則

 一九五〇年代の人間工学の成果の中で今でも、使われているものがあります。現在では主にコンピュータのGUI(グラフィックユーザーインターフェイス)で使われるのですが、もともとは機器の使いやすさに係る法則です。

 ヒックの法則は「決断に要する時間は、とりうる選択肢の数と相関関係にある」というもので、一九五二年にW・E・ヒックが「情報の増加率について」という論文で発表しました。

 もともとは航空機の操縦など常に操作の正確さとスピードが問われる環境において成り立つ法則で、どんな状況でも適用できるものではありませんが、操作系のデザインをしていく上では、大変参考になるものです。

 操作系のデザインにヒックの法則をあてはめると、緊急時に対応する選択肢は少ないほうがいいという事になります。例えば工場の生産機械の場合、緊急停止ボタンは一つであるべきです。状況や事故によって停止ボタンや操作が異なっていては、緊急時に誤操作する可能性が生まれます。とにかくそのボタンさえ押せば、瞬時に機械が停止するボタンが一個のほうが、誤操作がなくなり、被害も最小限で済みます。

 当たり前のことですが、設計者やデザイナーとしては、構造的な制約や妙なこだわりで、この法則を無視してしまうことがないように、常に頭の隅においておく必要があります。

 上の図は、工作機械の操作盤です。液晶画面左下の大きなボタンが緊急停止ボタンです。これならば緊急時にも間違いなく押すことができます。

 ただし、ヒックの法則は緊急時の法則であり、ユーザーが判断するために、選択肢が少ないほうがいいだろうと、製品ラインナップを少なくしたりすることは意味がありません。じっくり判断する時間がある場合は、選択肢が多いほうがいい場合がよくあります。


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