木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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「かわいい」を創造せよ

2011年02月15日 | 造形の構成原理(コツツボ)
<『WIZBIZ』2011年1月号>
◆「かわいい」を創造せよ
312:【造形の構成原理】第112発


 こんにちは!
 デザインコンサルタントの木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。

 株式会社ビートップツー (木全が取締役を勤めています)

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 「中小企業の活性化こそが、日本の地域経済の発展につながる。ベンチャー(中小)企業同士をリンクさせて、新しい価値を創造する」を経営理念に掲げる株式会社ベンチャー・リンクが発行する「ニッポンの中小企業を元気にする経営情報誌『WIZBIZ』」2011年1月号の54~55ページに、「かわいい商品」について取材を受けた記事が掲載されました。

 株式会社ベンチャー・リンクの許諾を得て、転載させていただきます。

 『WIZBIZ』」2011年1月号誌上では、「かわいい商品」で売上が向上した中小企業の事例も掲載されています。

 ご興味がおありでしたら、株式会社ベンチャー・リンクまでご連絡ください。 

 取材記事ですので、文体が普段と違います。その点、ご了承ください。


「かわいい」を創造せよ

 誰もが使える尺度
 徹底考究!「かわいい」とはなにか


 女性がなにかを手に取ったときにあげる感嘆の声「かわいい」。
 「かわいい」といわれる商品は、
 「かわいい」という理由だけで購入されることも多い。
 だが「かわいい」の正体を正確に把握しているだろうか。
 女性ばかりではなく男性をも魅了するその深層を探る。


哺乳類の脳にインプット済み

 形や色が「かわいい」商品を見て、思わず買ってしまった経験はないだろうか。
 何がどう「かわいい」かはわからぬまま…

 「かわいい」に対するこの特殊な感覚はどこから来るのか。プロダクトデザイナーで中小企業を対象としたデザインコンサルティングも手がける木全賢氏は「かわいい」の本質を「人類だけではなく哺乳類の脳にインプットされた感覚」と解説する。

 「かわいい」存在への肯定的な評価は、男女や人種の区別なく、哺乳類が本来持っている感覚だというのだ。

 何かを見て「かわいい」と感じる感覚は「種族保存の本能」に通じている。その意味をさらに掘り下げて尋ねると、進化生物学の研究成果を紹介しつつ、木全氏はこう語る。

 「哺乳類が子供を育てるときには、“これが子どもだ”と認識できないと育てられない。そして認識した対象を愛おしく感じないと、保護しようとは思わない。だから『子ども=かわいい』という判断基準が本能に刷り込まれている」

 つまり「かわいい」対象を愛でる気持ちは、種族保存のための「子どもを守る」という本能に根ざしている。それだけ普遍的な判断基準なのだ。

 だから私たちは「かわいい」商品には半ば無条件に、本能的に法定的な判断を下す。子どもと同じように守りたくなり「その結果、つい購入してしまうこともある」(木全氏)。

 では、「かわいい」と認識する要素は何なのか。木全氏は「丸顔、大きな目、小さな鼻、広い額、短いあご、明るめの肌と髪」と列挙する。

 これらは私たちが「子どもかどうか」を判断する材料だという。だから小さくって丸っこく、アンバランスといった、子どもの特徴を現す要素を含んだものを見ると、私たちは自然に愛おしく感じてしまうのだ。

 そして商品に顔をイメージさせるパーツがあると、さらに子どもを連想しやすくなり「かわいい」と感じる機会が増える。商品の左右に黒い丸印があったり、一対の丸いライトがついていたりして、まるで目があるように見えると、つい「かわいい」と思いがちなのはこのためだ。

 「商品の顔が『丸顔、大きくて離れた目、小さな鼻、広い額、短いあご』など子どもの特徴を備えていると、効果的に『かわいい』と思ってもらえる可能性が高まる」(木全氏)。


中小企業はこれで大企業に勝つ

 商品のデザインに「かわいい」特徴を持たせる。これは「かっこいい」を追求することに比べれば、容易にできる。

 「かっこいい」はその判断基準が人によって違うため、狙い通りの効果を生むデザインに至るのは難しい。

 「『かわいい』の場合、誰もが同じ判断基準を持っているが、『かっこいい』は好みがわかれる」と木全氏は指摘する。

 「だから『かわいい』は商品デザインの入り口として最適だ」(木全氏)。

 より簡単に、より多くの人に認めてもらえるという点で、「かわいい」を商品デザインに取り込むことは、中小企業に適した方法だと言える。

 「かっこいい」を狙って間口を狭くするよりも、哺乳類にとっての最大公約数ともいえる「かわいい」を打ち出したほうが、成功する確率は高まるかもしれない。

 また、たとえ中小企業が大手企業の有名ブランドに匹敵する商品をつくっても、一般論で考えて賞賛は低い。広告宣伝にかけられる資金が格段に違う。

 だがもしその商品に「かわいい」という付加価値がついていたら…。

 「かわいい」と言われて選ばれることも夢ではないだろう。



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