DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

BOOKREVIEW: 春香クリスティーン/ナショナリズムをとことん考えてみたら

 だいぶ前に買って積んでおいたままの1冊を突然読み終える(笑)。もちろん、タレント本としてより社会研究ネタとして優れて読みやすい本。
 タレントと言うことで、“中立”の立場から書かれていることが重要。別に専門家でなければプロに聞けばよし、ミヤネ屋などで評論家のツテも活用、専門家のインタビューも交えて優れて分かりやすく現在のナショナリズムを読み解きます。
 先ず春香さんはネット上の議論でのイッシューの混乱を1つひとつ読み解きます。例えば反原発派の人が必ずしも護憲派とは限らない、そんな当たり前のことを決め付けで判断するネットの書き込み。ネット上の議論の難しさはそこにある。
 その理由の1つが“感情的”な書き込み、だからナショナリズムのようでいて本当の国益につながっていないと言う指摘。しかしさらに感情的になる原因まで踏み込んで行く。
 感情論が先行する理由に経済問題(格差問題や貧困問題)を上げています。しかし、それだけだったら福祉優先のヒダリが増えるはず。なのにミギ寄りなのは“当事者意識”だと言う。ここは左派としては耳が痛い。少なくとも私は“どこかに自分よりお金を持った人なんてたくさんいるはず”と言う前提があるから、増税に反対する訳だが、ミギの危機感は全体のパイの減少をちゃんと理解している、と言われると耳が痛い。
 いずれにせよ、専門家がなかなか言わない中立論(もちろん専門家の方は分かっているから春香さんも中立な結論を書いておられる訳ですが)を読めたことが収穫。新聞がそもそもプロパガンダ目的のメディア、と言うのもなかなか目からうろこ(田原総一郎さんインタビューで)。そしてまた、春香さん自身も、これからも中立を守る=一方の意見に流されず、自分の頭で考えることを宣言して締めくくる。
 と言うことで、この本で得た要点は“危機感”と“当事者意識”の2つかな。これがネットで冷静な議論をする上で大事な要素(まあ簡単に実践できる訳ではないですが)。
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